グラフィックデザインの世紀
明治世代、山名文夫、杉浦非水から昭和世代まで
グラフィックデザインの世紀 目次
文章と談話と作品で構成
まえがき
戦後の「夜のデザイナーたち」 文:〈美術評論家〉瀬木慎一
明治世代
山名文夫
一枚の女性像から 文:〈資生堂名誉会長〉福原義春
ROMANIA 文:山名文夫
カット断想:黒・白・線条へのロマンチシズム 文:山名文夫
恐れつつ愛する:二十年遠ざけた禁断の書『ビアズリー画集』文:山名文夫
杉浦非水
商業美術の近代化に貢献 文:山名文夫
一生涯の仕事 文:杉浦非水
河野鷹思
現代のデザイン界で最もユニークで貴重な存在 文:山名文夫
河野鷹思のグラフィック・ウァークス 聞き手:白倉
欧の知と和の心 文:福田繁雄
今竹七郎
今竹七郎のグラフィック・ウァークス 聞き手:白倉
今竹一人が大阪で頑張り続けた 文:中村誠
勝見勝
実践面でのかけがえのない推進者 文:田中一光
名取洋之助
『週間サンニュース』に他流試合を挑む 名取洋之助との出会い 文:多川精一
原弘
印刷と写真に根づいた日本知性派の先覚 文:〈当時・多摩美術大学教授〉祐乗坊宣明
デザイン教育の理念:デザイン科(I) 文:原弘
装本の喜び、苦しみ。本とともに:原弘氏 取材記事
装丁20年:用紙の質感や色の変化で高まる 印刷効果、製本もしっかりしたものを 文:原弘
里見宗次
パリで活躍した異色作家 文:山名文夫
里見宗次のポスター 文:早川良雄
多田北烏
美人画ポスターを再出発させた多田北烏 文:山名文夫
奥山儀八郎
広告版画の世界をひらいた奥山儀八郎 文:山名文夫
大智浩
デザインという言葉 文:大智浩
大正世代
亀倉雄策
亀倉雄策の二十年の軌跡
情報の芸術家/亀倉雄策展 文:原弘
デザイン十話/財界とデザイナー 文:亀倉雄策
〈グラフィック‘55展〉の開催まで 文:亀倉雄策
〈日宣美展〉一九五一~一九七〇
評論(日宣美第4回展) 文:〈画家〉岡本太郎
(第14回展)〈日宣美〉の現状と方向、〈日宣 美展〉を充実させるために 文:亀倉雄策
〈日宣美始末記〉 文:亀倉雄策
早川良雄
〈私の覚え書き〉女の顔 文:早川良雄
ピカソと私 文:早川良雄
体験的フリーデザイナーのすすめ 文:早川良雄
早川良雄 その豊潤な世界 文:田中一光
伊藤憲治
〈私の覚え書き〉プラトニックデザインに関する一章 文:伊藤憲治
戦後デザインの見事なトップランナー 文:山名文夫
伊藤憲治・天性のデザイン 文:中村誠
村越襄
<聞き書きデザイン史〉「写真を中心としたデザイン」の開拓――ライト・パブリシティ創成期には、さまざまな才能がしのぎを削っていた。
山城隆一
写真植字への誘い
<聞き書きデザイン史〉"日曜デザイナーが東京にやってきて一流デザイナーと交流。日本デザインセンターでは中心になって広告を展開したが…。
大橋正
〈仕事場対談〉大橋正×和田誠
昭和世代
田中一光
〈聞き書きデザイン史〉デザインに携わって半世紀。さまざまな人、いろいろな場との出会いが仕事の幅を広げていった。
田中一光 礼節の色 文:横尾忠則
永井一正
〈聞き書きデザイン史〉普遍的な世界観に触れるような、グラフィック表現の可能性を求めて、自分自身を深く掘り下げてきた。
杉浦康平
<聞き書きデザイン史〉 ウルムの明晰から インドの混沌へ…。ブックデザインや図像解析の水脈も、やがてアジアという主題に縒り合わされていった。
ヘルムート シュミット
[秩序:気品:白い空間:陰と陽:西と東:混沌:空間の有用性…]文:杉浦康平
読むタイポグラフィと見るタイポグラフィ 文:ヘルムート・シュミット
桑山弥三郎
桑山弥三郎の『書体デザイン』 文:原弘
タイポス制作48年のこれから 文:桑山弥三郎
福田繁雄
福田繁雄の現代性 文:田中一光
〈聞き書きデザイン史〉 漫画から入った作るという行為。 だからこそ生身の人間の 「脈」を看ながら、豊かなコミュニケーションを仕掛け続けたい。
細谷巖
〈ペルソナ展〉細谷巌の適確な腕力 文:山城隆一
山藤章二
似顔絵の醍醐味 文:山藤章二
横尾忠則
〈ペルソナ展〉当代随一の異色作家、横尾忠則 文:山城隆一
横尾忠則の絵画展 文:〈作家〉三島由紀夫
感嘆する横尾の自由な精神 文:ポール・デイビス
破天荒の天才。そこが面白い 文:亀倉雄策
和田誠
〈ペルソナ展〉日本ではマレなユーモアを表現できる作家、和田誠 文:山城隆一
〈タイムトンネルシリーズ〉 時間旅行
山口はるみ
〈タイムトンネルシリーズ〉時代のヒロイン
中村誠
〈聞き書きデザイン史〉あこがれの銀座・資生堂、そして広告デザイン。ぽつぽつとやれればよかった写真表現が、やがて時代を切り拓く表現の力となっていった。
灘本唯人
灘さんの受賞(紫綬褒賞)に際して 文:早川良雄
安西水丸
〈安西水丸の青春展〉に寄せて 文:安西水丸
水丸の正体 文:〈作家)嵐山光三郎
粟津潔
〈聞き書きデザイン史〉公共もアングラも飛び越え、あらゆるジャンルを横断。だが、いつもグラフィズムという概念を根底に、自分なりのヒストリーを生きてきたように思う。
〈ペルソナ展〉やさしさと弱いものへのいたわりがある粟津の作品 文:山城隆一
勝井三雄
〈聞き書きデザインデザイン史〉ハイコントラストからグラデーション、一足飛びに光の世界へと、形の根源に迫りながら、常に新しいコミュニケーションの地平線を求めてきた。
仲條正義
仲條正義 個性がそのままデザインに 文:田中一光
U・G・サトー
びっくり劇場の世界 文:〈人類学者〉香原志勢
石岡瑛子
アイバンとエイコが語るニューヨーク: サバイブするか、昼寝をしているか。エイコ流ニューヨークの生き方。
小島良平
小島良平のグラフィックデザイン 文:〈インテリア・デザイナー〉倉俣史朗
及川正道
及川正道とその自伝的イラストレーション 文:横尾忠則
浅葉克己
発想の素 文:永倉万治
松永真
松永真 デザインの勝利 文:田中一光
原田泰治
ぼくの絵 文:原田泰治
日本デザインセンター
一貫して質の高い創造性を重視 文:〈最高顧問〉永井一正
多摩美術大学のグラフィックデザイン教育 先生とOBについて
多摩美術大学グラフィックデザイン学科 研究室
五十嵐威暢
〈タイムトンネルシリーズ〉平面と立体の世界
宇野亜喜良
九つのモノローグ 文:宇野亜喜良
略年表
あとがき
グラフィックデザインの世紀編集委員会 多川精一、永井一正、近藤聰、五十嵐威暢
[編集長]石原義久