実録 浪曲史
第一部 浪花節草創・興隆期
第一章 明治時代(一八六八~一九一二)
浪花節と七色節
はじめに
七色節とは何か
寄席・諸芸人の員数と箱店
明治の寄席数の推移
雲右衛門と箱店
エスペラントか浪花節か
浪花節記事の増大
原霞外と高島米峰
浪聖雲右衛門と愛進舎
浪曲中興の祖
おはまとの出会い
愛進舎と共盛会
第二章 大正時代(一九一二~一九二六)
東京浪花節協会設立
切磋琢磨の時代
東京浪花節協会の規約
大神宮積立金とは
寄席と巡業と浪曲家
大正の寄席
寄席・巡業の収入
明治の教導職から大正の思想善導へ
演題について
明治の演芸改良
大正デモクラシー
権田保之助と宮崎酒天
関東大震災と浪曲
被災した劇場・寄席
寄席復興の足どり
大震災と浪曲界三羽烏
明治・大正女流列伝
百花繚乱の女流団
女流団のスターたち
男性的な芸風の女流
現代浪曲家列伝(1)東家三楽
第二部 浪花節黄金期
第一章 昭和前期(一九二六~一九三四)
資料と石谷勝氏のこと
NHKの「放送番組確定表」
石谷勝氏のこと
東京・大阪・名古屋三局独立時代の概況
ラジオの普及と浪花節
三局の浪花節放送の概況
寄席と出演拒否について
ラジオの影響
寄席と演芸放送の増加
ラジオ出演拒否でもめる
浪曲放送の増加とラジオ版
浪曲が演芸放送の首位に
ラジオ版新聞の洪水
浪曲の読み物について
浪曲のネタ
人間業を超える演題の数
侠客物の流行
演題の種類
関東節と侠客物
虎造と勝太郎
新作について
浪曲作家協会の成立
「肉弾三勇士」のこと
「新聞読み」とは
「新聞読み」と「新物読み」
文芸浪曲の酒井雲
面白うてやがて悲しき
第二章 昭和十年前後(一九三五)
放送網の拡充と国家統制
高まる軍国主義
多様な浪曲界
梅鴬と風呂
日中戦争(昭和十一年)前後
「浪謡曲」の登場
大阪親友派組合の放送出演拒否
薬宣伝興行と五月一朗の思い出
政治家と浪花節
日中全面戦争に突入
宰相の趣味
「挙って国防・そろってラヂオ」
ラジオ、ピークに達する
東家楽燕
玉川勝太郎
梅原秀夫
少年少女浪曲
ラジオの殿堂・放送会館落成
東京放送会館落成
興行界の動き
吉田筑南のこと
第四章 昭和十九年~終戦まで(一九四四~一九四五)
「決戦非常措置要綱」閣議決定
四大家の南方従軍
「決戦非常措置要綱」
「大日本芸能会」の発足と「日本浪曲会」の結成
「日本浪曲配給社」の発足
氾濫する官製浪曲
ラジオ浪曲
旅興行と浪曲映画
浪曲家の旅興行
浪曲映画の変遷
終戦
東京大空襲
空襲下の浪曲家たち
満月の夜の浪曲慰問
終戦そして玉音放送
空襲下の浪曲放送
明日、重大放送が
現代浪曲家列伝(2)二代春日井梅鴬
第三部 戦後浪花節混迷期
第一章 戦後~昭和二十一年(一九四五~一九四六)
浪花節はどこへ行く
半数に減った劇場
終戦直後の浪曲界
「決戦非常措置要綱」の撤廃とGHQの指導
検閲の変遷と日本浪曲協会の再建
大はやりの寄席
検閲の変遷
日本浪曲協会の再建
GHQの検閲
CIEとCCD
検閲規定および禁止レコード
浪曲台本の事前検閲
米若の受難
地方巡業と台本検閲
第二章 昭和二十二~二十四年(一九四七~一九四九)
左翼浪曲の台頭
お客様こそ神様
左翼浪曲について
小林多喜二とその母
浪曲論争と広沢菊春
戦後の浪曲論争
森田草平の浪曲批判
二代広沢菊春のこと
雲月の改名と楽燕の引退
天中軒雲月から伊丹秀子へ
東家楽燕の引退
農村娯楽と浪曲
多い農村出身浪曲家
戦前の調査から
終戦直後のラジオ調査
愛知用水のこと
地方大会とコンクール
街にカストリ雑誌の氾濫
浪曲大会の地方進出
戦後の浪曲コンクール
ヒロポンの流行そして浪曲雑誌と番付
芸能界をむしばむ
雑誌・番付など
旅は憂いもの
三升家について
逃げた座長・五月一朗のこと
座長に逃げられた辰造
三波春夫(南篠文若)の帰国と日本浪曲学校
物情騒然たる時代
戦後の単行本と新作集
南篠文若の帰国
現代浪曲家列伝(3)太田英夫(現・二代東家浦太郎)
第四部 戦後浪花節復興期
第一章 昭和二十五年(一九五〇)
新作浪曲台本検討会
外題付について
NHK新作台本検討会
NHK浪曲教室
四代天中軒雲月
日本浪曲協会役員改選
四代雲月と九州浪曲界
立石弘志のころ
熱演ということ
浪曲大会と浪曲家の渡米
読売競演会をめぐって
人気投票
競演会プログラム
酒井雲坊と若手大会
巣鴨プリズン慰問と戦犯死亡者追悼浪曲
対日講和・日米安保条約調印
戦犯死亡者追悼浪曲
血涙の御前会議
第二章 昭和二十六~二十八年(一九五一~一九五三)
民間放送時代の幕開け
虎造の「次郎長伝」がヒット
中部日本放送 九月一日開局
新日本放送 九月一日開局
朝日放送 十一月十一日開局
ラジオ東京 十二月二十五日開局
ラジオ浪曲の黄金時代
お詫び放送局とカメレオン
日本文化放送 三月三十一日開局
日新プロと放送コンクール
花開くラジオ浪曲
芸術祭参加と浪曲映画
芸術祭参加
浪曲映画ブーム
戦後の浪曲と山村
浪曲債の発行と浪曲会館設立
二つの山村の記録から
山村のラジオ教育
ラジオの専属契約
ラジオ浪曲ブーム
芸能人の争奪戦
新作の氾濫
浪曲家の服装と紋章
木村友衛の引退
二葉百合子の登場
服装と紋章
テレビ開局時代
最初のテレビ放映
ケレン読みとモタレ芸
浪曲と政府キャンペーン
現代浪曲家列伝(4)松平洋子
第五部 戦後浪花節隆盛期
第一章 昭和二十九~三十年(一九五四~一九五五)
新人の台頭とのど自慢の流行
根強い人気
東京の浪曲界の動き
浪曲家の旅館経営
ニッポン放送の開局
怪談浪曲や民謡浪曲の登場
飛入り歓迎のど自慢
相模太郎・武
浪曲研究会と若手・中堅群像
浪曲奨励会と研究会
第一次浪曲研究会の開催
研究会のメンバーたち
『浪曲入門』が出版される
浪曲大会回顧
昭和三十年の主な話題から
初代京山恭安斎のこと
第二章 昭和三十一年(一九五六)
ラジオ浪曲の絶頂から衰退
出そろった素人参加番組
オビ番組の登場
退潮のきざし
なぜか雲右衛門
昭和三十一年の話題から
第一次研究会最終回から
現代浪曲家列伝(5)葵わか葉
第六部 浪花節模索の時代
第一章 昭和三十二~三十五年(一九五七~一九六〇)
歌謡浪曲の流行と変遷
歌謡曲への転進
「歌謡浪曲」の成りたち
浪曲師大いに歌う
異色作「きりしとほろ上人伝」
美空ひばりの塩酸事件
大会・研究会について
「きりしとほろ上人伝」
浪曲革新運動と村田英雄の活躍
新旧交代と役員の強化
新作革新大会と浪曲賞
村田英雄の活躍
浪曲家と大衆作家
長谷川伸のこと
中山義秀と村松梢風
テレビ時代の幕開け
新人コンクールと研修会
新人コンクール
ラジオ・テレビの動き
<新しい波>の時代の浪曲
多様化の中で
アメリカ巡業
松平国十郎の改名-ニセ者の話-
「杵づか大会」と盲目の浪曲師・浪花亭綾太郎の死
昔取った「杵づか大会」
昭和三十五年の大会から
浪花亭綾太郎の死
第二章 昭和三十六~三十八年(一九六一~一九六三)
浪曲会館設立
産経新聞社の浪曲教室開講
浪曲レコード発行
国際劇場の秋季浪曲大会
三門博の芸術祭奨励賞受賞
さまよえる浪曲界
芸術祭参加
娯楽雑誌と浪曲
「民俗芸能を守る会」の発足
『講談倶楽部』の終刊
男湯を空にした広沢虎造の引退
国際劇場を満員に
虎造と映画・ラジオ・レコード
森の石松のこと
虎造に関する書誌
大衆文芸の父・長谷川伸と浪曲
股旅者の草分け
引っ張り凧の股旅物
戦時下の浪曲
長谷川伸の浪曲観
異才・林伯猿
国際劇場秋の大会
林伯猿の死
三十八年の話題から
第三章 昭和三十九~四十一年(一九六四~一九六六)
ラジオ浪曲の衰退
激減した浪曲家
素人参加番組の消長
玉川三代の系譜
祖・青木勝之助(美弘舎東一)
侠客伝の第一人者・初代玉川勝太郎
袈裟をかけて<教風>と号した二代勝太郎
現代性を加味した三代勝太郎
「天保水滸伝」をめぐって
無垢で天才肌・小金井太郎
尾崎士郎の死
「竜の会」の発足
不況下の演芸ブーム
昭和四十年の主な話題から
竜吟ずれば雲起こる
<音曲入り講談>美当一調と歌舞伎座の東西浪曲
美当一調は浪曲師か
歌舞伎座の浪曲大会
戦時下の歌舞伎座公演
浪曲ブームの復活
日本浪曲協会役員改選
「敬老の日」の施行
国立劇場完成
浪曲師の読物帖と襲名披露
『講談白書』の発刊
玉川勝正の読物帳から
三代広沢虎造襲名
浪曲師の折り目節目
現代浪曲家列伝(6)玉川福太郎
第四章 昭和四十二~四十四年(一九六七~一九六九)
正岡容の業績
明治黄金時代の再現をめざす
浪曲レコードの異色盤
正岡容のこと
ヘルスセンターと福祉浪曲大会
日本人の風呂好き
元祖・船橋ヘルスセンター
むかし巡業いまセンター
福祉浪曲大会のこと
新三C時代の浪花節
正岡容『日本浪曲史』出版
浪曲旅芸人の連続ドラマ
レコード界は大全集ばやり
伊丹秀子の復帰と百扇会のこと
七色の声
歌いつづけた鎮魂の曲
伊丹の浪曲映画
浪曲百扇会
浪曲作家・水野春三のこと
寿々木米若が古稀記念の句文集発刊
水野春三のこと
二代玉川勝太郎の死など
自民党主催御意見拝聴の会
浪曲台本懸賞募集
第五章 昭和四十五~四十八年(一九七〇~一九七三)
芸どころ名古屋の浪曲界
人形町末広閉場
名古屋浪曲界のこと
浅草木馬館が浪曲寄席で開場
浅草木馬会の発足とケレンのこと
浅草浪曲木馬会開催
初代日吉川秋斎の死
ケレンということ
藤川友春のこと
久しぶりに活況を呈した浪曲界
桃中軒浪右衛門の死去
早朝ラジオとテレビの浪曲番組
チョン髭浪曲師からポルノ浪曲まで
チョン髭の浪さん
ポルノ浪曲のこと
藤圭子と二代友衛
昭和四十七年の主な話題から・大会と新作
二葉百合子「岸壁の母」がヒット
関東の若武者たち
新聞記事から四題
際物浪曲と浪曲大会の花盛り
際物のこと
NHK浪曲研究会終了
新たなる活路をもとめて
昭和四十八年の主な話題から
新聞記事三題
千葉県笹川に「天保水濡伝」の碑建立
現代浪曲家列伝(7)国本晴美と武春
NHK新人浪曲コンクール・二代目会のことなど
NHK新人浪曲コンクール
二代目会の結成
鼈甲斎五代のこと
化けるということ
最新浪曲家系図
浪曲年表(布目英一制作)
あとがきにかえて/布目英一/