図書セイリ ヨウヒン ノ シャカイシ060008291

生理用品の社会史

サブタイトル1~10
タブーから一大ビジネスへ
編著者名
田中 ひかる 著者
出版者
ミネルヴァ書房
出版年月
2013年(平成25年)8月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
254,41p
ISBN
9784623066919
NDC(分類)
598
請求記号
598/Ta84
保管場所
開架一般
内容注記
引用・参考文献/生理用品関連年表/アンネ社広告資料/索引あり
和書
目次

はじめに

第1章 ナプキン以前の経血処置―植物から脱脂綿まで
太古は植物、貴族は絹
『婦人衛生雑誌』はなぜ月経を重視したのか?
禁止された自転車、ダンス、コーヒー、読書
医師が勧める衛生的処置
濃尾大震災と脱脂綿の普及
木下博士の「衛生帯」
働く女性たちの経血処置
〈優秀な母体〉と見なされたのは?
『女工哀史』に見る経血処理
タンポン式への偏見
高級月経帯「ビクトリヤ」
「大王」「女王」が競い合った月経帯
大正時代の経血処置の記憶
既製品タンポンに対する逆風
戦時下の経血処置
月経回数と生理用品の進化

第2章 月経タブーの歴史―各地に残る痕跡
世界各地に見られた月経タブー
宗教と月経タブー
月経はなぜ不浄視されるようになったのか
〈血の穢れ〉の起源
卑弥呼の「鬼道」と月経
『古事記』に見る月経観
〈血の穢れ〉の制度化
「血盆経」の影響力
戦後も続いた月経小屋
産小屋の経験―「お日様に遠慮せよ」
月経小屋の経験―それは女性のためなのか?
前近代の医学的月経観
月経と妊娠可能時期
不浄観が阻んだ生理用品の進化

第3章 使い捨てナプキンの登場―アンネ社の果たした役割
黒いゴム引きパンツと脱脂綿
アメリカから来た生理用品―コーテックス
羞恥心を上回った快適さ
坂井夫妻と発明サービスセンター
水洗トイレを詰まらせた脱脂綿
ミツミ電機社長、森部一
渡PR課長の女子トイレ調査
女性社長に期待されたイメージ
「アンネ」に込められた思い
『素足の娘』の初潮観
「ナプキン」の由来
歓迎された「お嬢さん社長」
三〇七人のモニターが協力
菓子箱のようなパッケージ
アンネナプキンとパンネットの完成
水洗が禁じられるナプキン
伝説のキャッチコピー―「40年間お待たせしました!」
実現されなかった広告戦略
一日目で九割販売
三〇〇万人目標キャンペーン
「アンネの日」と呼ばれる
月経観を変えたアンネの広告
タンポン使用率が低い理由
アンネ社の功績
先駆者の苦労
「のちにはれとれ」―ユニ・チャーム、高原慶一朗の挑戦
映画館を工場に
「私もしてます」―痔にナプキン
坂井泰子と高原慶一朗
スーパーマーケットに卸して大成功
ナプキンの技術を活かした使い捨ておむつ
ミツミ電機のアンネ社売却
生理用品の進化とアンネ社の終焉
泰子、森部、渡のその後

第4章 今日の生理用品―選択肢の広がりと新たな月経観
使い捨てナプキンの付加価値
逆戻り率〇・二パーセントのナプキン
「メッシュシート」からの脱却
薄さ一ミリのナプキン
ナプキンの進化と女性アスリートの活躍
布ナプキンの〈効用〉についての研究
子宮内膜症増加の原因
使い捨てナプキン〈有毒説〉
メーカーによる環境対策
横瀬利枝子による使い捨てナプキン批判
小野千佐子による「プラスティックナプキン」批判
経血は「汚物」か否か
経血不潔視と月経不浄視の混同
「生理」は「月経」の代用語か
コマーシャルに対する規制
いきすぎたメーカー批判
布ナプキンの自然な広がり
使い捨てナプキンと「サステナビリティ」
レンタルナプキン
月経カップと月経吸引法

おわりに

あとがき
引用・参考文献
生理用品関連年表
アンネ社広告資料
索引