図書カンセンショウ ノ ニホンシ060008162

感染症の日本史

サブタイトル1~10
文春新書;1279
編著者名
磯田 道史 著者
出版者
文藝春秋
出版年月
2020年(令和2年)9月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
255p
ISBN
NDC(分類)
493.8
請求記号
493/I85
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
和書
目次

はじめに

第一章 人類史上最大の脅威
 確実にやってくる危機
 牧畜の開始とコロナウイルス
 ペリー艦隊が運んできた感染症
 明治政府の自粛要請
 死亡率があらわす「格差」
 スペイン風邪は波状的に襲ってきた
 行動規制をせず被害が拡大
 海上のクラスター軍艦「矢矧」事件
 感染症に強いゾーニング文化
 新しい「国防」とは?

第二章 日本史のなかの感染症-世界一の「衛生観念」のルーツ
 「最初の天皇」と疫病
 奈良の大仏は天然痘対策?
 疫神を歓待する日本人
 ワクチンがわりに張り紙
 江戸の医学者の隔離予防論
 杜撰だったスペイン風邪への対応
 最善の事例を素早く真似よ

第三章 江戸のパンデミックを読み解く
 馬琴が残した詳細な記録
 歌も言葉も風邪も「流行る」
 文政四年の第二波襲来
 谷風・お七風・アンポン風邪
 物資高騰と営業自粛
 すでにあった給付金
 薬をただで配った大坂の商人たち
 十五代の将軍のうち十四人が疱瘡に
 藩主の感染ゼロを実現した岩国藩
 給付なき隔離政策の悲惨
 「自粛」をやめさせた上杉鷹山
 矢継ぎ早の患者支援策
 名君の遺した最後の教訓

第四章 はしかが歴史を動かした
 「横綱級」のウイルスに備えるには
 はしか・イナスリ・あかもがさ
 『栄花物語』の観察眼
 戦乱の世の地域差
 元禄期に起きた社会の変化
 都市化とパンデミック
 麻疹が海を渡る
 幕末を襲った大流行
 長崎で起きた鍋島はしか騒動
 朝廷の感染症対策
 麻疹が攘夷を加速させた

第五章 感染の波は何度も襲来する-スペイン風邪百年目の教訓
 高まった致死率
 当時の新聞が伝えた惨状
 百年前と変わらない自粛文化
 「患者叩き」は百害あって一利なし
 「神経質」が「お守り」に

第六章 患者史のすすめ-京都女学生の「感染日記」
 日記が伝える「生きた歴史」
 弟が「成金風」にかかる
 修学旅行から帰ってくると
 ついに学校が休校に
 お祖父さんの死

第七章 皇室も宰相も襲われた
 指導者たちの「患者史」
 ストレスと連日の宴席
 原敬、インフルエンザに倒れる
 新型ウイルスは後遺症が怖い
 天皇の御前に出られない
 大正天皇と山縣有朋の病状
 葉山御用邸での根回し
 昭和天皇はどこで感染したか?
 侍従武官の”感染記”
 重篤だった秩父宮

第八章 文学者たちのスペイン風邪
 志賀直哉のインフルエンザ小説
 ”自粛警察”の自分を描く
 宮沢賢治の”完璧な予防策”
 斎藤茂吉 医師として患者として
 荷風は二度かかった?
 「ありてかひなき命」

第九章 歴史人口学は「命」の学問-わが師・速水融のことども
 数字の向こう側に
 衝撃の書との出会い
 速水史学の「二系列説」
 京都と慶應で”行き違い”
 速水先生を生んだ家系
 ”二人の天才”
 「勤勉革命」を提唱
 晩年に取り組んだ感染症研究