岩手近代教育史 第二巻
刊行によせて(中村直)
監修のことば(黒沢誠)
刊行のことば(新里盈)
序(長岡高人)
序章 大正・昭和(Ⅰ)期の世相と岩手県
第一節 大正期の世相と岩手県
一、政党政治への志向
大正の政変/米騒動/政党内閣の成立
二、第一次世界大戦とその影響
第一次世界大戦/大戦景気/大戦後の教育改革/軍縮と軍事教育
三、大正デモクラシー
大正デモクラシー/“赤い鳥”運動/自由教育運動
四、関東大震災とその後の世相
関東大震災/帝都復興/普通選挙法の成立/労働運動の活発化/大正の終焉
第二節 昭和(Ⅰ)期の世相と岩手県
一、大恐慌の襲来と東北地方の凶作
金融恐慌/岩手県の銀行パニック/東北地方の凶作/昭和八年の大津波/六原青年道場
二、社会運動の激化
社会運動の激化/岩手県の状況/教育会の状況
三、ファシズムの台頭
ファシズムの台頭/五・一五事件/国際連盟脱退/二・二六事件/日独伊三国同盟
四、第二次世界大戦
第二次世界大戦/太平洋戦争/教育の崩壊/終戦
第一章 近代教育の拡充(大正元年~大正十五年)
第一節 文教政策と県教育
一、臨時教育会議の設置
二、臨時教育会議の答申による改善
三、脅威億制度の改善と県教育
第二節 大正期の教育行財政
一、大正期における教育行政
行政機構の拡充/郡制の廃止/学務部の設置
二、大正期における教育財政
教育基金令の改正/義務教育費国庫負担法の制定/一年現役小学校教員法給費国庫負担法/小学校教育費の整理節約
第三節 小学校教育の拡充
一、教育内容、方法と教育思潮
教育勅語と奉安殿/教育内容
二、学校・学級の経営
学校経営/学級経営
三、教科指導の向上
四、自主学習の重視
五、新教育思想と実践例
教育界へ欧米の新風/新教育運動の教育理論/ドルトン・プランの実践例/新教育運動の行方
六、小学校の状況
1 小学生の生活
小学生の生活さまざま/学校の行事/進学と就職/思い出の記
2 学校経営
七、就学率の向上と学校の設置・廃合
八、仁王尋常高等小学校を師範学校附属小学校に代用
九、辺地教育の向上
十、儀式と教育
三大節/明治天皇崩御/大正天皇即位
第四節 中学校教育の拡大
一、中学校教育政策及び制度の改革
臨時教育会議
二、中学校教育の拡大
入学志願者の増加と中学校の拡張/県立黒沢尻中学校の開校
三、公立中学校の概況
入学選抜/校則及び諸規則/学科過程/進級・卒業/校友会の組織と活動/学校行事/学校騒動/寄宿舎/福中・遠中統廃合問題
第五節 高等女学校の拡充・充実
一、女子中等教育の再編成と拡充
大正期の高等女学校令の改正
二、女学校教育の拡大
入学志願者の増加と女学校の拡張/県の方策/県立高等女学校学則
三、実科高等女学校の開校続出
1 高等女学校になった実科高等女学校
一関実科高等女学校/水沢実科高等女学校/遠野実科高等女学校/岩谷堂実科高等女学校/一戸実科高等女学校
2 実科のまま存続した実科高等女学校
福岡実科高等女学校/釜石実科高等女学校/黒沢尻実科高等女学校/宮古実科高等女学校/大槌実科高等女学校/山田実科高等女学校
四、公立高等女学校の概況
学科過程/教科用図書/寄宿舎の生活/学校諸行事/校友会/スポーツ関係行事/大正期の女学生/進路の状況
第六節 産業教育の充実
一、制度の整備・充実
実業学校令の改正/実業補習学校規程の改正/農業学校規程の改正/水産学校規程の改正/工業学校規程の改正/商業学校規程の改正/進学制度の改善
二、産業教育関係諸学校の開校
気仙農学校の開校/郡立九戸農林学校の開校/盛岡市立商業学校/宮古町立男子商業補習学校/私立盛岡実践女学校/水沢町立水沢商業実践学校/釜石町立釜石商業専修学校/私立盛岡商業夜学校/弘田実業補習学校とその他の補習学校
三、各種実業学校の充実
県立農学校の状況/県立蚕業学校の状況/胆沢農学校の状況/稗貫蚕業講習所の状況/岩手県立工業学校の状況/商業学校の状況/県立水産学校の状況/大正期における定員・入学者・卒業者の状況/水産実習と業界への貢献/校訓と生徒の気風/卒業生の進路/予科と別科
第七節 師範教育の整備・充実
一、師範教育制度の改善・整備
二、岩手県女子師範学校開校
開校の経過/開校の認可と告示/校舎の変遷/校則・教則/入学選抜の方法/学科過程/専攻科新設/服装/教師と生徒/授業風景/寄宿舎の生活/附属小学校と女子師範学校
三、岩手県師範学校(男子師範)の充実
内丸校舎時代/上田に新築移転/入学選抜の方法/校則と生徒/学科過程/専攻科新設/教員と生徒/授業のようす/校歌制定/教練/諸行事/仁王小学校と師範学校
第八節 師範学校以外の教育養成
一、実業補習学校教員養成所
二、検定制度
第九節 専門学校の発展
一、実業専門学校の拡張と教育政策
二、盛岡高等農林学校の発展
本館の建設/創立十周年記念式/校長式辞/記念帖/学科過程の改正/農学別科の設置/大学昇格運動/佐藤校長から鏡校長へ
三、苦難の医学教育
「大学令」甲府と医学教育/医専設立への基礎的時代(三田俊次郎と病院経営)
第十節 青年教育の普及
一、実業補習学校の普及
実業補習学校規程の改正/実業補習教育の普及改善/実業補習学校の補助金
二、実業補習学校の実情
岩手県実業補習学校の実態
三、青年訓練所制度の発足
一般大衆青年教育としての青年訓練所制度の発足/青年訓練所の設置奨励/青年訓練所設置の状況/青年訓練所の運営状況
第十一節 特殊教育
一、盲学校及び聾啞学校令公布
岩手盲啞学校の財政状況/柴内魁三と盲・聾教育運動/県への移管
二、岩手県立盲啞学校
教職員・生徒の確保/盲部・聾啞部教育の実情/点字教育/音楽教育/鍼按科教育/聾啞生の言語教育/新校舎落成と寄宿舎開設
第十二節 私学教育
一、教育諸法令と私学教育
私学教育の拡充/私立学校の閉鎖命令
二、小学校の開校続く
私立大橋尋常小学校/私立大洗沢鉱尋常小学校/私立鷺之巣鉱山尋常小学校/私立松尾鉱山尋常高等小学校/私立鶯沢鉱山尋常小学校
三、初の市立中学校の開設
私立岩手中学校/私立盛岡夜間中学/私立花巻夜間学校/私立釜石夜間中学
四、実科高等女学校の開設
私立盛岡実科高等女学校
五、実業教育
初の女子商業・職業学校の誕生/私立盛岡商業夜学校の開設
六、各種学校の開設
私立摺沢家政女学校/私立の産婆看護婦学校/その他の各種学校
七、既設私立学校の概況
私立作人館中学部/私立東北高等女学校/私立江南義塾
第十三節 就学前教育
一、幼稚園教育の進展
待望の幼稚園令公布/幼稚園令制定の意義
二、本県における幼児教育の伸展
1 私立幼稚園の開設続出
私立水沢幼稚園/私立むつみ幼稚園/私立日詰幼稚園/私立一関幼稚園/私立遠野聖光幼稚園/私立岩谷堂幼稚園/私立釜石幼稚園
2 保育内容の姿
3 託児所のようす
第十四節 国定教科書
一、第三期国定教科書の時代背景
二、臨時教育会議と教科書
三、改正の特徴
四、各科の主な特徴
修身教科書/ハナ・ハト・マメの国語教科書/充実した歴史・地理教科書/算術・図画・習字の教科書/郷土読本の刊行/その他の県版教科書
第十五節 社会教育の整備
一、社会教育体制の確立
社会教育行政/社会教育制度
二、社会教育諸団体の編成
青年団体の改編/郡および県連合団体/青年団の全国組織/女子青年団/婦人会/農会の婦人講習会
三、社会教育施設の整備
図書館増設時代/岩手県の図書館/岩手県立図書館
第十六節 教員の資格と待遇
一、教員の資格
小学校教員の資格/中等学校教員の資格
二、小学校教員の構成
一般的傾向/男女別教員構成/資格別教員構成
三、教員の待遇
大正初期の小学校教員の俸給と旅費/大正期の小学校教員の俸給の変遷/小学校教員加俸支給細則の改正/中等学校職員の年功加俸支給/恩給法の制定
第十七節 教育関係団体
一、岩手県教育会
岩手県教育会の発展/岩手県教育会の活動内容/教育調査部の設置/学事視察員の派遣/機関紙「岩手教育」の発行
二、岩手県小学校教員協議会
小学校教員協議会/小学校教員協議会の開催要項
三、岩手県中等学校各科教授法研究会
第十八節 災害と教育
一、凶作と教育
大正期の農業災害/凶作と生活
二、学校火災と教育
大火と学校火災/学校火災と対策
第二章 非常時体制への移行(昭和元年~昭和十一年)
第一節 時局下の文教政策と県教育
一、昭和恐慌と教化政策
二、教育行政機構の整備
三、満洲事変の勃発と教学刷新
四、大凶作と農村の疲弊
第二節 経済不況下の教育行財政
一、教育行政機構の拡充整備
二、教育費
三、欠食児童対策
四、教職員の給与行政
五、視学制度と教育現場
視学制度と学校現場/視学委員制度の設置/全国初の女性視学誕生
第三節 不況下の小学校教育
一、学校・学級の経営
学校・学級の経営
二、教科過程と教材、教科書
三、教育内容、方法の画一化
四、郷土教育の展開
郷土教育運動/郷土教育の展開/郷土読本と郷土室/郷土科の特設
五、生活指導の重視
生活指導の二つの思潮/伝統的生活指導/自由主義的生活指導/校外生活指導
六、綴方教育の展開
第一期課題主義時代/第二期自由主義時代/第三期生活綴方時代
七、凶作・不況下の学童
昭和九年の大凶作/凶作の実態と救済/学童の救済対策
八、就学免除地域の実情
九、儀式と教育
大正天皇崩御/皇位継承/四大節
第四節 中学校教育における国民生活の涵養と強化
一、中学校教育政策及び制度の改革
二、県の政策と中学校教育
三、町村組合立花巻中学校の開設
四、入学志願者選抜方法の改善
五、社会科学思想への関心と動向
第五節 高等女学校の発展
一、女子中等教育政策及び制度の改革
二、女子中等教育と県の施策
三、高等女学校の開校と県への移管
前沢実科高等女学校/高田高等女学校/沼宮内実科高等女学校/県立への移管/一関高等女学校/水沢高等女学校/遠野高等女学校/一戸高等女学校/岩谷堂高等女学校/黒沢尻高等女学校/宮古高等女学校
四、公立高等女学校の概況
生徒募集と志願状況/学科過程と教科用図書/授業状況/学校行事と軍事教育
第六節 産業教育の発展
一、教育政策と実業諸学校規程の改正
教育政策及び実業諸学校規程の改正/農学校規程の改正
二、農学校の概況
盛岡農学校/岩手県立蚕業学校/水沢農学校/花巻農学校/盛農学校/久慈農学校/日詰実業専修学校の創設
三、工業学校の概況
まえがき/岩手県立工業学校の発展/県立黒沢尻工業学校の誘致運動
四、商業教育の興隆
県立盛岡商業学校/県立水沢商業学校/町立宮古商業専修学校/町立釜石商業学校/私立盛岡女子商業学校/私立岩手商業学校
五、水産学校の概況
昭和初期における県立水産学校の推移/実習船宮古丸の活躍/製造科の実習内容/六原海洋青年道場の附設
六、家庭科教育の概況
一般状況/家事・裁縫教育
第七節 師範学校の統制化
一、教育政策及び師範学校規程の改正
二、戦時色強まる師範教育
三、躍進する岩手県師範学校
入学選抜方法/教師と生徒/学科過程と教科用図書/授業のようす/郷土研究室の設置/寄宿舎生活/諸行事/卒業と教職/軍事教練と師範
四、充実する岩手県女子師範学校
教則と入学選抜方法/教師と生徒/学科機過程と教科用図書/授業のようす/諸行事/寄宿舎生活/卒業と就職/幼稚園保母養成の講習科新設
五、師範生と教育実習
教育実習制度と方法/附属小学校と教育実習/生徒とのふれあい/実習の想い出
第八節 師範学校以外の教育養成機関
一、県立実業補習学校教員養成所
二、青年学校教員養成所と改称
第九節 専門学校の拡充
一、昭和前期の専門学校
二、盛岡高等農林学校の拡充
施設の充実と教育・研究活動/自啓寮/活気をもたらす学校行事/巡回講演/盛岡市内小学校連合運動会/全校登山/高農擬国会/学校教練制度の実施/入学試験制度の廃止/創立二十五周年記念行事/鏡校長の葬儀と上村校長/入学試験制度の検討/第一拓殖訓練所の設置/開校三十周年と校内事情/大凶作と本校/温泉熱利用実習場の開設
三、岩手医学専門学校の開設と発展
開設への経過と三田俊次郎/岩手医専第一回入学式/若き教授陣の献身/学生の授業放棄/医師免許指定校と第一回卒業式/戦時体制下の医学教育
第十節 青年教育の拡充
一、青年学校令の公布
青年学校制度の制定/岩手県の青年学校関係法規の整備
二、青年学校の設置と展開
青年学校の設置及び廃止の認可/青年学校の施設と設備/教授及び訓練科目と時数/青年学校の教員組織の状況
三、青年学校生徒の状況
青年学校の入学資格/青年学校生徒の学習状況
第十一節 岩手県立六原青年道場の創設
一、六原平野
二、石黒知事と県立六原青年道場の創設
時代背景/県立六原青年道場の創設/道場入場者の選考/修練式
三、六原青年道場の訓練方法
訓練方法/六原に入場して
四、六原精神の普及浸透
教士や助教士のあり方/県教育界と石黒イズム
五、六原青年道場「清明会」の設立
清明会の設立
六、模範農村部へ入植
七、六原青年道場と岩崎農場
八、六原青年道場と内原国民高等学校
九、六原青年道場と満洲移民
十、農村経済更生と修練農場
十一、石黒知事去り、雪沢知事着任
第十二節 特殊教育
一、県立盲啞学校
諸規程の制定/校歌と校旗/学校奨励費と就学奨励/聾啞部の授業方法/教員とその苦心
二、社会的活動の展開
ラジオ放送/盲人協会と聾啞協会
三、遅進児教育の実状
岩手県の対応/促進学級の開設
第十三節 私学教育
一、時局と私学教育
岩手中学校の軍事教練/兵営宿泊訓練/その頃の生徒の一断面/東北高等女学校と時局/東北高等女学校の軍事教練
二、小学校の開設
私立田老鉱山尋常高等小学校
三、商業学校の変遷
江南商業学校から岩手商業学校へ
四、各種学校の開設
私立盛岡裁縫女学院/盛岡生活学校/私立吉祥学園/その他の各種学校
五、既設私立学校の概況
私立小岩井尋常高等小学校/私立釜石鉱山尋常小学校/私立岩手中学校/私立盛岡夜間中学/私立岩手高等女学校/私立大原裁縫学校/私立岩手家政女学校/私立清明女学校/私立摺沢家政女学校
第十四節 就学前教育
一、幼稚園令施工後の普及状況
二、幼稚園舎と保育内容の変化
幼稚園舎について/保育内容の変化
三、本県初の公立幼稚園
開設/園の運営と保育内容/幼稚園の発展
四、私立幼稚園開設続出
私立福岡幼稚園/私立花巻幼稚園/私立明峰第一幼稚園/私立宮古幼稚園/黒沢尻幼稚園/私立泉幼稚園/私立高田幼稚園/私立明峰第二幼稚園/私立鍬ヶ先幼稚園/私立頌美幼稚園/私立前沢幼稚園/私立久慈幼稚園
五、託児所(保育所)の発達
農村問題と農繁期託児所/岩手県の奨励/一般師弟のための常設保育所の発現/常設保育所第一号アケボノ保育所/釜石中妻子供の家保育園/釜石中央保育園/久慈社会館/城山保育園/仙北町託児所/北山善友託児所/鹿背保育園/花巻保育楽園/一戸子供の家保育所
六、保姆の資格と生活
概説/岩手県の実態
七、保姆養成の姿
岩手県女子師範学校講習科/花巻保育実習所
第十五節 国定教科書の改訂
一、第四期の時代背景
二、改訂の特徴
三、各科の主な特徴
臣民の道強化の修身教科書/サイタサイタの国語教科書/算術・習字の教科書/開発を説く東北読本/岩手青年教科書
第十六節 社会教育の統制化
一、社会教育行政
社会教育局の新設/教化総動員運動
二、自力更生運動
農山漁村自力更生運動/六原青年道場
三、社会教育団体の動向
青年団の改革案/青年団の教育点呼/岩手県連合女子青年団/文部省表彰/婦人会
四、図書館運営の状況
第十七節 教員の生活不安
一、教員の資格と人事
小学校教員の資格/中等学校教員の資格/教員の人事
二、教員の待遇
教員の生活不安/教員の減俸/初任給の引下げ
三、教員の思想問題
治安維持法違反事件/岩手共産青年同盟の第二次検挙/岩手共産青年同盟の第三次検挙/共産青年同盟岩手支部事件/水沢農学校の治安維持法違反事件
第十八節 教育関係団体
一、岩手県教育会の活動
岩手県誌編纂/小学校体操科研究主任の設置/購買部の設置/教育調査部設置
二、罹災救恤部の設置
罹災救恤部の設置
三、岩手県教職員互助会の設置
教職員互助会の設置/生命保険部
四、岩手県教育会館の新築
教育会館建設の気運/教育会館建設決定/会館の建設/教育会館の概要/岩手県教育会創立三十周年及び岩手県教育会館竣工式
五、岩手県立中等学校体育会
中等学校振武会/中等学校体育会
六、県下女教員協議会と岩手県連合女教員会創立
七、岩手県小学校教員協議会
第十九節 教育疑獄事件
一、盛岡商業学校公金流用事件
二、県教育課長の疑獄事件
三、盛岡市教育課長の自殺と盛岡市長の辞任
第二十節 災害と教育
一、三陸津波
昭和八年の三陸大津波/教育関係の被害/学校がとった処置/県の救援活動
二、其の他の災害
第三章 戦時下の教育
第一節 戦争と教育
一、戦争と国民教化体制の成立
教育審議会/教育審議会の審議経過/青年学校の義務化/国民学校の提案/大東亜建設審議会の成立
二、国民精神総動員運動下の教育
三、「皇国の道」と学校教育の諸相
四、皇国主義と教育の改革
国体観念の涵養/教学刷新/時局と教育活動
五、戦時立法と教育
学徒戦時動員体制確立要綱/教育に関する戦時非常措置方策/戦時教育令
第二節 戦時下の教育行財政
一、戦時下の教育行政
戦時体制への移行/県庁の機構改革/戦時教育体制/岩手県の状況/學徒勤労動員/額装集団疎開
二、戦時下の教育財政
義務教育費国庫負担法の改正/青年学校脅威億樋国庫補助法の制定/岩手県の状況/学校建築および施設
第三節 国民学校と戦時教育
一、国民学校令と錬成
国民学校令の公布/国民学校の錬成教育
二、教科課程と授業
国定教科書の改訂/国民学校の授業
三、諸行事
四、国民学校の経営と学徒動員
五、国民学校の勤労作業
食糧増産/勤労奉仕/防空壕掘り/松根油用松の根掘り/金ヶ崎国民学校の勤労作業
六、主な国民学校の状況
二戸郡浄法寺国民学校/盛岡市立仁王国民学校/岩手師範学校(女子部)附属国民学校
七、学童の集団疎開
疎開児童の生活/疎開当時の思い出
八、儀式と教育
紀元二千六百年/紀元二千六百年の式典/二千六百年と岩手県教育会
第四節 中等教育の大改革
一、教育政策と中等教育
二、画期的な大改革
中等学校令による改革/修練としての教育計画/中等学校別規程の制定
第五節 戦時下の中学校教育
一、戦時体制と中学校教育
中学校の増設/教育内容の戦時的改革/学徒勤労動員方針強化/学校報国団の編成
二、本件の中学校および中等学校の概況
三、県外学徒動員
学徒動員/学校工場/動員先での卒業式
第六節 戦時下の高等女学校
一、高等女学校の開校と県移管
盛岡市立第一高等女学校/久慈高等女学校/日詰実科高等女学校/釜石高等女学校の県移管
二、高等女学校規程と女子教育
三、公立高等女学校の概況
戦時教育と報国団活動/食糧増産と勤労奉仕/戦力増強と勤労動員
第七節 戦時下の産業教育
一、中等学校令以前の動向
二、中等学校令の公布と産業教育
三、戦時下における産業教育関係諸学校の開設
県立黒沢尻工業学校/釜石市立工業学校/黒沢尻町女子職業学校/県立岩谷堂農林学校/町立岩泉農学校/組合立一関農工学校
四、戦争末期の産業教育
戦時非常措置方策/學徒勤労動員/学徒報国隊/決戦教育措置要綱と戦時教育令
五、実業学校の概況
1 農学校関係
勤労動員の概況/北海道への出動/満洲への出動/東南アジアへの出動/戦争末期の食糧増産
2 工業学校関係
県立盛岡工業学校/県立黒沢尻工業学校/釜石市立工業学校
3 商業教育
商業学校の拡充/教育課程の変革/繰り上げ卒業と女子商業学校の拡充
4 水産学校関係
県立宮古水産学校の状況/県立広田水産学校の誕生/国立宮古海員養成所の開設
5 家庭科関係学校
女子の職業教育
第八節 決戦下の師範教育
一、決戦下の教員養成
二、師範学校制度の改革
師範学校の官立移管/官立移管の意味するもの
三、官立専門学校としての岩手師範学校
入学選抜/学科過程/授業の状況/附属小学校と教育実習/教練/諸行事/寄宿舎生活/進路と兵役/学徒動員令下る/勤労動員に出動/厳しい錬成
四、官立専門学校としての岩手青年師範学校発足
官立岩手青年師範学校の発足/青年師範学校制度の趣旨/開校式/校舎の状況/入学者選抜/教員と生徒/学科過程/授業の状況/勤労動員に出動/岩手青年師範学校の閉校と廃校
第九節 師範学校以外の教員養成機関
一、臨時教員養成所
二、検定制度
第十節 専門・高等教育
一、戦時下の専門学校
二、盛岡高等農林学校
開校三十五周年記念式典/盛岡高農報国団の結成/三陸沿岸強歩鍛錬旅行/盛岡高農報国隊の編成/学年短縮と学制改革/農業教員養成所の附設/開校四十周年記念式典/盛岡農林専門学校と改称/農業土木科の設置/学徒動員先で終戦
三、盛岡高等工業学校
創設に至る時代的背景/誘致運動の経過/開校と地元の協力/寄宿舎・同袍寮/教員陣容整う/教養講座の開講/体力試練徹夜行軍/戦時体制の強化/盛岡工業専門学校と改称/戦時動員と終戦/進駐軍による校舎の接収
四、岩手医学専門学校
軍事教練と無医村診察/岩手医専報国会の結成/昭和二十年度の入学試験/三田校長の死
第十一節 青年教育の戦時体制化
一、青年学校教育の義務制実施
義務制実施への準備/青年学校義務制の実施
二、青年学校の概要
青年学校設置の状況/青年学校の経営
三、軍事教育
教練科の実施/青年学校教練科査閲/教練用兵器等の設備/青年学校教練の振興
四、学徒動員令下る
戦時非常措置方策/食糧増産隊等による勤労奉仕
第十二節 岩手県立六原青年道場
一、経営の合理化と事業の縮小
六原青年道場経営の合理化
二、雪沢知事から山内知事へ
道場の改革/田村道場長の更迭
三、小森健治道場長となる
小森健治道場長に就任/青年道場の運営方針/皇道農業の基本理念/修練生訓練の基準/農場経営の方針/改革の反響
四、終戦前後の六原青年道場
食糧増産/終戦とその処置
第十三節 国定教科書の改訂
一、第五期国定教科書の時代背景
二、改訂の特徴
三、教科の主な特徴
超国家主義・軍国主義の修身教科書/肇国精神展開の国史教科書/アカイアカイではじまる国語教科書/ファシズム調の音楽教科書/科学心を養う理科教科書
四、中等学校の教科書
第十四節 特殊教育
一、県立盲啞学校
ヘレン・ケラー女史来校/開墾農作業/職員・舎生結核に冒される/理療科教育と豚の解剖/生徒募集とその苦労
二、県立盲啞科学校聾啞部
聾啞部の状況/聾啞部の授業/戦時中の灯火管制
三、病・虚弱児教育の実業
概説/本件の状況
第十五節 戦時下の私学教育
一、戦時体制と私学教育
二、受難の私学教育
戦時非常措置方策と私学/廃校続出/廃校から再開へ
三、戦時下の私立学校
岩手中学校/東北高等女学校/私立清明女学校
四、戦時下の夜間勤労者教育
私立一関夜間中学の開設/私立盛岡夜間中学の県立移管
五、決戦体制と各種学校
第十六節 就学前教育
一、戦時下の幼児教育
戦時中の幼児教育関係法規/高等女学校規程の改正等/幼稚園教育に及ぼした戦争の影響
二、私立撫子幼稚園の開設
三、師範附属幼稚園
戦後の発展
四、託児所・保育所
季節託児所/常設保育所/社会事業法の制定
五、幼・保一体の研究組織「岩手県保育会」の設立
第十七節 決戦体制下の社会教育
一、国民精神総動員運動
国民精神総動員運動/興亜奉公日/隣組と常会/教化動員と社会教育
二、大日本青少年団の編成
青年学校の設置と義務化/大日本青少年団/岩手県青少年団の実施要項
三、大日本婦人会の編成
愛国婦人会岩手支部/大日本国防婦人会岩手支部/大日本婦人会に統合
四、図書館運営の概況
図書館行政/岩手県下の図書館
第十八節 戦時下の教員
教員の資格/教員の任免/教員の待遇/教員の不足/教員補充の苦心
第十九節 育英奨学事業
一、岩手県教育会育英事業
教育会育英事業とその後の状況/育英部規則改正/育英部基金の経過/銀行破綻による打撃
二、篤志者による育英事業
三田医学奨励会
三、その他の育英事業
四、大日本育英会岩手県支部
第二十節 教育関係団体
一、岩手県教育会
出版部の設置/映画教育部設置/教職員互助会の経理状況/鈴木重男主事の逝去/教育会並びに互助会の定款改正
二、大日本教育会岩手県支部
全国代表主事会議/教育会並びに互助会の解散/岩手県支部維持財団の緊急措置/岩手県教育振興財団
三、岩手県小学校教員協議会
国民科修身教育の研究発表/研究発表の事例
第二十一節 戦災と教育
盛岡駅前の空襲/釜石に艦砲射撃
第二十二節 教職員の殉職
一、荒川国民学校小国テル子訓導の殉職
殉職顛末/小国訓導の生い立ちと性格/小国訓導顕彰
二、岩手師範学校佐藤一三教授の殉職
第四章 大正・(Ⅰ)教育課題による考察
第一節 大正期における教育思想とその実践
一、概観
二、デューイの経験的・生物学的・社会的教育学説
三、エレン・ケイの個人的教育思想
四、ナトルプの規範的教育学説
五、オイケンの人格的教育学説
六、シュプランガーの文化的教育学説
七、ケルシェンシュタイナーの勤労教育説
八、パーカストのドルトン案
九、八大教育主張
及川平治の「動的教育論」/稲毛金七の「創造教育論」/樋口長市の「自学教育論」/手塚岸衛の「自由教育」/片山伸の「文芸教育論」/千葉命吉の「一切衝動皆満足論」/河野清丸の「自動教育論」/小原国芳の「全人教育論」
十、その実践
児童の村小学校/本県における実践
第二節 県立六原青年道場―その総括と反省―
一、終戦後の岩手県立六原青年道場の大改革
岩手県立六原道場と改称/小森道場長の退任/六原道場運営大綱/六原道場から六原農場へ/木村祐次郎農場長に就任/六原農場運営方針/GHQの現地調査/GHQよりの質問事項/六原農場独立採算へ
二、県立六原青年道場のまとめ
石黒知事時代/六原青年道場・農場時代/終戦と六原青年道場/経済農場への移行/教育展示場時代
三、あとがき
第三節 学校給食自給施設
一、まえがき
二、凶作と学校教育
三、学校給食自給施設の設置
設置の趣旨/学校給食自給計画実施要項/学校給食自給施設への助成
四、学校給食施設の経営
本施設の意義/施設経営の方法
五、学校給食自給施設の実施状況
六、まとめ
第四節 北方教育運動
一、起因
源流/東北の風土/生活綴方
二、主張
北方性とその指導理論/北方性と綴方教育/北方性の諸問題
三、展開と実績
北方における国語実践の解釈学的方法/国語実力への北方的工作/自己批判/北方教育の意図/実践計画/表現技術/北方児童文の研究/岩手の北方教育運動に活躍した人々
四、その後の北方教育運動
岩手における動向/東北における動向/全国的な同行
五、結びとして
第五節 釜石市の学童集団疎開
一、はじめに
二、釜石市の学童集団疎開の決定
政府の疎開政策/鉄の都釜石市/釜石市学童集団疎開の決定/学童集団疎開実施要綱決定/集団疎開学童の決定/引率教員・寮母の決定/細心の事前指導及び現地視察
三、集団疎開学童出発
かたい決意/第一次学童集団疎開出発/仙人峠越え/あたたかい歓迎/第二次学童集団疎開出発
四、疎開地での学習と生活
宿舎と学校/集団疎開学童生活錬成及び学習指導方針/生活時程/学校での授業/頑張った勤労奉仕作業/苦心の食事/うれしい便り/楽しみの父兄面会/視学等の視察/村民の援助/生活諸問題/悲しい出来事/引率教師団の苦心
五、釜石市に対する艦砲射撃
第一次艦砲射撃/第二次艦砲射撃/第一次艦砲射撃と疎開学童/第二次艦砲射撃と疎開学童
六、敗戦
敗戦の報と疎開学童/敗戦と決意
七、懐しの釜石へ帰校
疎開地最後の夜/懐しの釜石に着く/疎開を終了して
八、釜石市学童集団疎開の座談会
座談会の実施/学童集団疎開を体験して思うこと
九、釜石市学童集団疎開の意義
疎開地の選定/引率教員等の配慮/恵まれた学童集団疎開/疎開実施と艦砲射撃
巻末資料 昭和十八年度岩手県公私立諸学校