戦地巡歴
はじめに
凡例
Ⅰ わが祖父の日記のこと-昭和戦前・戦中の記憶
Ⅱ 正直に生きる-出生前夜(昭和五年から十三年)
昭和五(一九三〇)年の日記
万事用意周到でなくてはならぬ-富廣二十歳
昭和恐慌
招魂祭
青年訓練所
実業補修学校
ツギエさん
年行司
三日祭り
麦蒔き
米相場
昭和六(一九三一)年
メディアの統制
満蒙は日本の生命線
昭和七(一九三二)年の日記
日支の風雲急募る
招集される若者たち
第一次上海事変
血盟団事件
愛する人
上納日
土工として熊本へ
満州国建国
春の野良
道路工事
労働神聖を掲ぐ
五・一五事件
恋という曲者
入営も近づく
愛するツギさらば
故郷に帰れば不景気風がふく
昭和八(一九三三)年の日記
和ぎたる里の景色
国際連盟脱退
砂漠の中のルビー
千変万化の雲の徂徠
田植え
下駄一足としていただかれぬみじめさ
妻の初入り
富廣のサングラス
精霊流し
新婚生活
沈淪の浜辺
農夫の流汗の結晶
百姓の手
黄金の波ときめく頃
極東の暗雲
我が心の妻を持つなり
昭和九(一九三四)年の日記
若水や手繰る力の朗らかさ
結婚式
昭和維新
バスも満員超過で鈴なり-昭和九年の招魂祭
干ばつの夏
分水陳情
軍国日本の秋、異常なし
農民階級への福音
荷ないし責を遂行する伴侶となってくれ
昭和十(一九三五)年・昭和十一(一九三六)年
昭和十二(一九三七)年の手紙
熊本陸軍病院
百姓の子は百姓のことが気にかかる
一等兵を命ぜられました
昭和十三(一九三八)年の手紙
母親同伴の温泉旅行
Ⅲ 祖父の戦争、家族の戦後-戦地巡歴
昭和十三(一九三八)年の日記
門司出港
征戦の地、上海
上海・ウースン港
廃墟の上海
南京城内
濁流うずまく揚子江
無言の行軍
支那人死体横たわり当当と進軍する愉快さ
心の豹よ今ぞ高らかにいななけよ
南京米
日中戦争勃発から一年
敗残兵の銃殺
マラリア
最後の日記
メイヨノセンシス
村葬
戦地巡歴-中国・太湖の町へ
祖父の足跡を中国にたどる
戦争の痕跡-安徽省蕪湖市
一九三七年、日本軍が村にやってきた
上陸地点・安慶
鮮烈な記憶
アサヒグラフに見つけた行軍の写真
潜山屯営
潜山の街
村上衛生兵
ゲリラ兵
太湖の町
激戦地 四面尖
太湖の闘い
短剣を持って敵陣に突入-戦友からの手紙
雷家村集落の裏山
六師団の火葬場
中国再訪
ふるさとの山に似て
出会った人たちの体温を刻む旅
中国での取材の難しさ
懐寧県の資料館
Ⅳ 戦後は今も続いている
闘うのは普通の人たち
戦争とは血湧き肉躍るもの
記憶の中を生きる
遺族たちの戦中と戦後
祖父の声がする
おわりに
主要参考文献