「大東亜共栄圏」と幻のスマトラ鉄道

まえがき
第Ⅰ部　「大東亜共栄圏」と鉄道
第一章\t「皇国の大東亜新秩序建設の為の生存圏」
「先の戦争」の呼称
南進と北進
「大東亜共栄圏」構想
「生存圏」の主張
「大東亜共栄圏」「生存圏」と外邦図
オーストラリアへの侵略
南方から見た「大東亜共栄圏」
「南方共栄圏」
第二章\t東南アジア占領地における日本軍政
陸海軍による東南アジアの分割統治
マレーとスマトラの「一体統治」
占領政策としての分断統治
労働力の略奪
『軍政手薄』に見る「ヒト資源」
マレーとスマトラとの分離統治へ
「大東亜共栄圏」内の経済的混乱
第三章\t「大東亜共栄圏」を打通する鉄道
「外地」における鉄道建設
対米英蘭戦争の原因と石油
戦局の推移と鉄道輸送への依存
鉄路への執着
大東亜縦貫鉄道構想
泰面連接鉄道
クラ地峡横断鉄道
バヤ鉄道－ジャワ、ボルネオ、セレベスでの鉄道建設
大陸打通作戦
スマトラ島内の鉄道
スマトラは日本の生命線

第Ⅱ部　スマトラ横断鉄道
第四章\tスマトラ横断鉄道建設計画
スマトラ横断鉄道建設計画の胎動
『戦時月報』及び『軍政監部旬報』に見るスマトラ横断鉄道
測量の進行
特設鉄道隊（軍属としての国鉄職員）
ルートの決定
建設困難な地形
下部構造の施行・軌道の敷設
マレーでの木炭銑製鉄所の建設
コークスをマレー半島へ送る
スマトラ横断鉄道建設の目的－南方製鉄所への渇望
第五章\tスマトラ横断鉄道建設と企業・鉄道連隊
企業の受託
軍部と企業の癒着
鉄道第九連隊第四大隊の投入
鉄道第八連隊第一大隊の投入
第六章\tロームシャの惨状
現存していた陣中日誌
担任工区と建設工事
凄惨な鉄道建設現場
給養
入院と死亡
酷使・虐殺されるロームシャ
ロームシャの人数
オランダによるロームシャの使役と虐殺－加害と被害
ロームシャの逃亡
ロームシャの実働と賃金
ロームシャの死亡者数
全裸のロームシャ
虐待と虐殺の建設現場ロガス
ロガス鉄道－「この鉄道」の呼称
ロームシャと麻薬（アヘン・ヒロポン）－問題の責任追及
兵補（ヘイホ）
遺骨収集の旅・「九四会」のスマトラ横断鉄道再訪の旅
C５６型SL靖国神社奉納
ロームシャと捕虜－カンチャナブリ・タンビュザヤの慰霊碑
「キンロウホウシ」「ソウゴフジョ」という名の強制労働
「解放史観」のまやかし
文学作品のなかのロームシャ

第七章\t現地で村の古老・二世・三世に聞く
インタビューの概要
Danoes （ダヌス）　元スマトラ義勇軍
Hasan Basri （ハサン・バスリ）　叔父がロームシャ
Aman Pakih Sanggi （アマン・パギー・サンギ）　叔父がロームシャ
Adjis Gelar Sutan Sati （アジス・グラール・スタン・サティ）　元スマトラ義勇軍
故 Suman （スマン）一家　ロームシャの長女・孫たち
スマトラ横断鉄道建設とスマンの独白－インドネシアの動画から
Ilyas Kian （イルヤス・キアン）　ロームシャ二世
Fauzi （ファウジ）　ロームシャ三世
シロケ―ムコムコ峡―ルシカ　クワンタン渓谷を踏査する
第八章\t犠牲になった捕虜
鉄道第九連隊第四大隊の記録
パレンバンから移動した捕虜
捕虜とジュネーブ条約
ジュネーブ条約の「準用」
スマトラにおける「準用」の実態
捕虜に対する虐待と拷問
捕虜虐待の原因
オランダ初の情報
オランダの出版物とウェブサイト
霊山観音の連合国軍捕虜死亡者名簿
オランダ国立公文書館の捕虜検索サイト
第八連隊による捕虜の使役について
第九章\tオランダ裁判・東京裁判から見たスマトラ横断鉄道建設
オランダ裁判メダン法廷
起訴された将兵・軍属は二四人
起訴された朝鮮人軍属は十一人
起訴対象外のインドネシア人
「ラングーン協定」下、日本軍とインドネシア独立軍との衝突
ホーランディア法廷
捕虜の人数と犠牲者数
順陽丸撃沈事件
使役捕虜が「少なかった」理由
スマトラ横断鉄道建設関係への追求が「緩やかだった」理由
軍用鉄道と民用鉄道
マレー半島における製鉄所の役割の変化－「大東亜共栄圏」の分断
埋もれてしまったスマトラ横断鉄道建設問題
「スマトラ新聞」の発掘とスマトラ横断鉄道撮影隊
苦力病院長への聴取
第十章\t民間人抑留者と「慰安婦」
民間人抑留者の苦難
スマトラの軍抑留所
スマトラ横断鉄道の「慰安婦」
第十一章　「大東亜共栄圏」の崩壊と敗戦後のスマトラ横断鉄道
「玉音放送の日」の開通式・最後の運行
インドネシア独立後のスマトラ横断鉄道
敗戦後の日本人とスマトラ横断鉄道との関わり

あとがき
謝辞
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索引