日本軍兵士
- サブタイトル
- アジア・太平洋戦争の現実
- 編著者名
- 吉田 裕 著者
- 出版者
- 中央公論新社
- 出版年月
- 2017年(平成29年)12月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- 228p
- ISBN
- NDC(分類)
- 392.1075
- 請求記号
- 392.1/Y86
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 文献あり 年表あり
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
序章 アジア・太平洋戦争の長期化
行き詰る日中戦争
長期戦への対応の不備-歯科治療の場合
開戦
第一・二期-戦略的攻勢と対峙の時期
第三期-戦略的守勢期
第四期-絶望的抗戦期
二〇〇〇万人を超えた犠牲者たち
一九四四年以降の犠牲者が九割か
第1章 死にゆく兵士たち-絶望的抗戦期の実態Ⅰ
1 膨大な戦病死と餓死
戦病死者の増大
餓死者-類を見ない異常な高率
マラリアと栄養失調
戦争栄養失調症-「生ける屍」の如く
精神神経症との強い関連
2 戦局悪化のなかの海没死と特攻
三五万人を超える海没死使者
「八ノット船団」-拍車をかけた貨物船の劣化
圧抵傷と水中爆弾
「とつぜん発狂者が続出」
特攻死-過大な期待と現実
特攻の破壊力
3 自殺と戦場での「処置」
自殺-世界で一番の高率
インパール作戦と硫黄島防衛戦
「処置」という名の殺害
ガダルカナル島の戦い
抵抗する兵士たち
愚にの複雑な思い-自傷者の摘発
強奪、襲撃・・・
第2章 身体から見た戦争-絶望的抗戦期の実態Ⅱ
1 兵士の体格・体力の低下
徴兵のシステム
現役徴集率の増大
「昔日の皇軍の面影はさらにない」
知的障害者の苦悩
結核の拡大-一個師団の兵力に相当
虫歯の蔓延、”荒療治”の対応
2 遅れる軍の対応-栄養不足と排除
給養の悪化と略奪の「手引き」
結核の温床-私的制裁と古参兵
レントゲン検査の「両刃の剣」
一九四四年に始まった「集団智能検査」
水準、機器、人数とも劣った歯科医療
3 病む兵士の心-恐怖・疲労・罪悪感
入隊前の環境
教育としての「刺突」
「戦争神経症」
精神医学者による調査
覚醒剤ヒロポンの多用
「いつまで生きとるつもりか」
陸軍が使った「戦力増強剤」
休暇なき日本軍
4 被服・装備の劣悪化
「これが皇軍かと思わせるような恰好」
鮫皮の軍靴の履き心地
無鉄軍靴の登場
孟宗竹による代用飯盒・代用水筒
背嚢から背負袋へ
第3章 無惨な死、その歴史的背景
1 異質な軍事思想
短期決戦、作戦至上主義
極端な精神主義
米英軍の過小評価
一九四三年中頃からの対米戦重視
戦車の脅威
体当たり戦法の採用
見直される検閲方針
2 日本軍の根本的欠陥
統帥権の独立と両総長の権限
多元的・分権的な政治システム
国務と統帥の統合の試み
軍内改革の挫折
罪とされない私的制裁
軍規の弛緩と退廃
「皇軍たるの実を失いたるもの」
3 後発の近代国家-資本主義の後進性
兵力と労働力の競合
未亡人の処遇と女性兵
少年兵への依存
遅れた機械化
体重の五割を超える装備
飛行場設営能力の格差
一〇年近く遅れた通信機器
軍需工業製品としての軍靴
終章 深く刻まれた「戦争の傷跡」
再発マラリア-三〇年以上続いた元兵士
半世紀にわたった水虫との闘い
夜間視力増強食と昼夜逆転訓練
覚醒剤の副作用との中毒
近年の「礼賛」と実際の「死の現場」
あとがき
参考文献
アジア・太平洋戦争 略年表
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