戦後史入門
はじめに―歴史って何だろう?
日本人は歴史を知らない?
歴史は決まってしまったこと、ではない
身近な歴史を具体的に見てみよう
第1章 戦争に負けてどうなった? 占領の話
あの戦争を何と呼ぶ?
敗戦? 終戦?
8月15日という特別な日
日本はアメリカに占領された?
ポイントは「非軍事化」と「民主化」
その出来事を大事だと見なしたのは誰?
戦争は8月15日に終わったのではない?
玉音放送はどこまで届いた?
「東京裁判」のここが重要
教科書に書かれていない「占領」
民主化がスムーズに進んだわけではない
地味な出来事に深い意味があるかも
視点をずらすと見え方が変わる
教科書がひとつではない理由
第2章 知ってる?「55年体制」って何?
君は『三丁目の夕日』を観たか
1958年―失われゆく記憶の世界
社会運動がさかんだったころ
これがいわゆる「政治の季節」
もはや戦後ではない
占領は終わったけれど
覚えておこう!「保守」と「革新」
1955年に何があった?
冷戦体制が終わり、55年体制も終わる
なぜか政治の話になってしまう
記憶といってもいろいろなレベルがある
歴史と記憶はどうちがう?
歴史は生きるための知恵だった
その歴史は誰が書いた?
歴史と記憶の深い関係
何が描かれていないか
第3章 経済大国? それっていつのこと?
あのころの経済の話をしよう
日本を改造?
東京オリンピックは経済大国のあかし
専業主婦・三種の神器・団地族
急な成長にはマイナス面もある
オイルとニクソン、ふたつのショック
産業のかたちが変わってゆく
そして、バブルがやってきた
ようするに、バブルって何?
いったん、まとめましょう
「右肩上がり」って、ほんとう?
グラフをよーく見てみよう
みんなが同じ経験をしたわけではない
置かれた立場によって歴史は異なる
人生の選択肢はたしかに増えた
みな夢をもち、可能性に賭けた
都会のぎすぎすした眼差しのなかで
不況だと高度成長がバラ色に見える
歴史はあとから語られる
歴史は「いま」から逃がれられない
第4章 「もうひとつの」戦後日本を見てみよう
「沖縄」の歴史から戦後を見てみよう
年表のつくられ方からちがう
基地問題はこうして始まった
復帰までの道のり
沖縄はないがしろにされてきた
「から」の歴史、「にとって」の歴史
「女性」の歴史から戦後を見てみよう
「女らしさ」って何?
「在日コリアン」の歴史から戦後を見てみよう
「誕生の瞬間から割れていた」
「われわれ」の歴史、「かれら」の歴史
これまでの歴史の「狭まさ」を知ろう
ふだんは見えない深いところへ入りこむ
第5章 歴史は生きている これからの日本
戦後が終わらない?
「ベルリンの壁」崩壊が意味するもの
何と何が対立しているのか、わからない
戦後日本の変わり目が来た
自分で年表をつくってみる
1995年に何があった?
記憶している人がまだ生きている
出来事の意味はすぐにはわからない
大きな事件でイメージをつかむ
「当たり前」になる前を想像する
これからを生きていく人たちのために
第6章 歴史はひとつではないが、なんでもありでもない
歴史になるまで
歴史になってから
8月15日と3月11日
あらためて、歴史とは何だろう?
補章 「戦後」も70年たった……
「戦後70年」……
何が問われている?
「戦後」のどこに軸をおくか
あたらしい世代の戦後史
またまた、歴史とは何か
「戦後」の遺産を整理する
あとがき
文庫版あとがき
参考文献
解説(池上彰)