検閲と発禁
はじめに
第一部 近代文学と検閲の攻防
自由民権運動
明治中期横浜の出版人吉永良延と発行禁止
問題児川上音二郎 脱法的表現活動からの転身
鷗外の戦い
森鷗外と検閲 「イタ・セクスアリス」発禁に始まる戦い
森鷗外「蛇」の検閲と読者の身体
森鷗外「山椒大夫」の治者
森鷗外の歴史小説と検閲の抑圧
反骨とレジスタンス
芥川龍之介「影」の反骨精神 検閲官を愚弄する小説
近代小説としての「赤い蠟燭と人魚」
雑誌『農民闘争』の発禁と埴谷雄高の収監
昭和維新運動と新官僚
岡本綺堂「経帷子の秘密」の鎮魂
佐藤春夫「律義者」、江戸川乱歩「芋虫」の検閲
検閲官生悦住求馬小伝
第二部 検閲原本の探求
概説
一九一六年(大正五) 『日支併合論』
一九一九年(大正八) 『新社会』二月号/『新社会』七月号
一九二三年(大正一二) 『若人』一一月
一九二四年(大正一三) 『文芸と宗教』二月創刊号/『社会主義研究』五月創刊号/『急進』一〇月号
一九二五年(大正一四) 『急進』二月号/『原始』一〇月号/『文学界』一月号
一九二六年(大正一五・昭和元) 『労農文化』四月号/『労農文化』五月号
一九二七年(昭和二) 『原始』三月号
一九二八年(昭和三) 『矛盾』九月
一九二九年(昭和四) 『童話運動』二月号/『労働芸術家』三月/『少年戦旗』一〇月号(独立創刊号)
一九三〇年(昭和五) 『十二番街』四月/『産児制限評論』五月号/『世界の動き』六月号/『国鉄時報』一一月号
一九三一年(昭和六) 『社会思想研究』一〇月/『財界時報』一一月号
一九三二年(昭和七) 『芸備之友』二月/『働く婦人』六七八月合併号/『働く婦人』八月号(改訂版)/『バツト』一〇月創刊号/『湘友会誌』一一月創刊号
一九三三年(昭和八) 『農民の旗』三月号/『コツプ神奈川地方協議会パンフレツト』三月/『映画クラブ』一二月
一九三四年(昭和九) 『霊化』二月号/『月刊維新』一二月号
一九三五年(昭和一〇) 『財界彙報』一月号/『るねつさんす』二月創刊号
一九三六年(昭和一一) 『維新』六月号/『週刊日独通信』六月八日/『日本歌人』九月号
一九三七年(昭和一二) 『法の流』一月号/『鳰の巣』六月/『他山の石』一〇月
一九三八年(昭和一三) 『土木』一月号/『経済マガジン』三月号
一九三九年(昭和一四) 『槐』五月/『新風土』六月号
一九四〇年(昭和一五) 『躍進』八月号/『学友』一〇月号/『南湖院一覧』一九三九年(昭和一四)度版
第三部資料編
資料概説
内務省警保局編「禁止項目」
「検閲基準」 一九三〇年(昭和五)
「北支事変ニ関スル一般安寧禁止標準」 一九三七年(昭和一二)八月一三日
山形県特高課「出版警察執務要綱」
初出一覧
あとがき
索引