図書カミガタ ゲイニン ジブンシ ヒロク060005829

上方芸人自分史秘録

サブタイトル1~10
日経ビジネス人文庫;592
編著者名
古川 綾子 著者
出版者
日本経済新聞出版社
出版年月
2011年(平成23年)8月
大きさ(縦×横)cm
15×
ページ
407
ISBN
NDC(分類)
779.058
請求記号
779/F93
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
和書
目次

六代目三笑亭松鶴
松鶴は六代目が最高やった-「うちのおやっさん」伝説うらおもて。
うちのおやっさんをしのんで
三歳で覚えた酒の味
仕事もそこそこに芝居見物
プロの落語家へ
「ええおやじ」五代目松鶴
臨終の床での稽古
父・松鶴の遺志を継いで
伝説となった遊びぶり
「上方落語協会」発足
六代目松鶴を襲名
定席「島之内寄席」スタート
創意工夫で芸を磨く

岡八郎
奥目の八ちゃん、ドタバタ人生の陰と陽。
芸人の栄光と苦悩と
憧れた二枚目スター
吉本興業第一回研究生
芸人・岡八郎誕生
吉本新喜劇座長に抜擢
ギャグは笑いを取る“武器”
アルコール依存症から脱出
朗らかに、晴れやかに

木川かえる
漫画で描いた、ユーモアと人生と。
サングラスとベレー帽
「日乾しの蛙」が出合った漫画
悲壮な戦争を乗り越えて
手塚治虫との出会い
舞台で好きな漫画を描く
ステージ漫画の醍醐味

曾我廼家五郎
笑わせて泣かせる-上方喜劇の創始者。
自伝と聞き書きをもとに
ドタバタコメディ「無筆の号外」
永遠のライバル・曾我廼家十郎
褒められたり、けなされたり
チャップリンと交わした握手

横山エンタツ
しゃべくり漫才のパイオニア。
エンタツ・アチャコの革命的漫才
芸人らしくない芸人
関東大震災に遭遇
四年四か月のコンビ
それでも共演は続いた

四代目桂米団治
不肖の弟子の詫び状。
名文家の評判高く
天下りたる弟子への免許状
人格者でインジャもん
桂四季の助の遊蕩
おやぢと姐貴の困却
受け継がれる名跡

ミヤコ蝶々
おもろうて、やがて哀しき80年。
男も女も、人間みな一人ぼっち
七歳の座長さんから娘へ、女へ
夫であり弟子である南都雄二とともに
視聴者参加番組「夫婦善哉」での泣き笑い
離婚を隠し、夫婦を演じて
つきまとう「女ひとり」のイメージ
雄二の幻を消し去り、舞台活動へ
大阪に育てられた「浪花のおかん」
自分の中に同居する二人の女

梅中軒鶯童
浪曲とともに、流れ雲のごとく。
旅回りの一匹狼
浮かれ節を子守歌に
名付け親は見知らぬ紳士
御難の旅の始まり
自由の中にこそ芸あり

初代桂小春団治
落語家のち舞踊家。
花開いた文才芸才
六歳で踏んだ初高座
踊りと、芝居話と
初代春団治の愛弟子
情熱を傾けた新作落語
吉本脱退を機に東京へ
落語家を廃業して舞踏家に
「素人名人会」の名審査員

曾我廼家五郎八
楽しいてしゃあない、ごくどう人生。
トコトン遊ばな気がすまん
野球選手として新国劇へ
研究を重ねた女性と、舞台と
曾我廼家五郎一座に入団
師匠が見抜いた弟子の才能
松竹新喜劇を旗揚げ
芝居もゴルフもやりたい

横山やすし
負けたらアカン、勝たなアカン。漫才で「男」になったる!
やっさんが語る「芸人」人生
父とともに芝居、映画、漫才へ
素人漫才コンビでラジオ出演
少年漫才師「伸スケ・正スケ」デビュー
横山ノックへ弟子入りして再スタート
新コンビ「やすし・きよし」誕生
涙なみだの新人賞獲得
すごい新人「コント55号」対策
父ちゃんの目はぬくかった
追い風が一気に逆風に
花開き散るのが漫才
最強のライバルは相方
責任をもって漫才を死守したい
負ける相手は息子と娘だけ

二代目渋谷天外
涙あり笑いあり、わが喜劇人生。
舞台人生六十年の悲喜
天涯孤独からの出発
脚本家という天職
離婚と、我が子の誕生と
「桂春団治」で得た名声
喜劇の本質を探り続けて

一輪亭花咲
にわかに茶化して、にわかに笑わせて八十年。
芸歴八十年、最後の大阪仁和加師
奉公先の主人は仁和加の師匠
昼は奉公、夜は稽古
義務づけられたボテ
曾我廼家喜劇に駆逐された仁和加
遊び心にあふれた落語家と旦那衆
軽口のレコードが大ヒット
仁和加の復活を夢見て

花菱アチャコ
近代漫才の元祖、泣き笑い遊芸人生。
「新派」より「喜劇」向き
「ア」「チョン」で知った演劇の基本
エンタツ・アチャコの漫才初舞台
「早慶戦」でしゃべくり漫才大ブレーク
コンビではなくライバルとして
唯一の専属芸人の矜持

五代目笑福亭松鶴
上方落語の復興に生涯を捧げて。
上方落語の盛衰たどる通史
十五歳で素人連に参加
ひたすら持ちネタを増やした光鶴時代
出る杭は打たれる枝鶴時代
五代目松鶴襲名、その後

浪花千栄子
静かにして強く、たゆたう水のように。
大阪弁に情を託した演技派
どぶ川の泥水のような半生
のぞき見た舞台への憧憬
カフェーの女給から女優へ
死を意味した離婚を経て
水の流れのたどりついた先

広澤瓢右衛門
ものすごくおもしろい、放浪の浪花節。
発掘された老齢の浪曲師
散髪屋なんかやってられるかい
ノホホンと浮き草暮らしの巡業
芸を取ったり取られたり
あんな下手なやつがおる
浪曲界の生き地引として

橘ノ円都
見せた、聴かせた、上方落語の心意気。
けんかと、女遊びと、芸人と
神戸のマッチ職人から大阪の噺家へ
度胸にふるまわれた祝儀
家族のために噺家から堅気へ
十五年のブランクを経て
命脈を保った大ネタ「立ち切れ」

砂川捨丸
骨董品にこそ宿った、漫才の心。
鼓・紋付・ちょび髭
聞きかじりの音曲に光る才能
兄からたたき込まれた諸芸
下品な芸からの脱却
全国に名を広めたレコード
道頓堀で万歳初上演
ジャパンチャップリンのアメリカ巡業
生涯現役を貫いて

五代目桂文枝
なんとはなしに始まった噺家人生。
噺家五十周年記念の自伝
少年兵から交通局へ
桂あやめ誕生
五代目松鶴の芸に酔って
寄席の楽屋で学んだこと
五代目から受け継ぐ「天王寺詣り」
不良患者の闘病生活
小文枝、上方落語復興へ
東西交流で出合った師匠連
一番弟子の三枝入門
ハメモノへのこだわり
初の独演会は大入り満員
東京で初の独演会開催
チャレンジこそ活力の源
五代文枝襲名

三代目旭堂南陵
上方講談の復興、叶う。
三代目が語る遠い日の講談界
なんとなしに悪ない商売
覚え方をおぼえる前座修行
小南陵、落語家らと研鑽を積む
たったひとりの上方講談の後継者
筋と芸とを併せ持つ南陵流
講談の水脈を枯らすなかれ

藤山寛美
拍手のない芝居人生を演じきった、新喜劇のプリンス。
アホ役の悲しい自著
役者の子は役者
母にたたき込まれた役者魂
道頓堀に越境入学
涙の新派より笑いの家庭劇
凄惨を窮めた戦争体験
渋谷天外相手のアドリブ
アホ役でスターダムへ
プリンスブームのプリンス
「おやじ」天外、病に倒れる
劇団からクビを宣告されて
人気を見せつけた舞台への復帰
新喜劇の座長として

人生幸朗・生恵幸子
不器用人生に惚れた、妻の恋心うらおもて。
失って知った「恋心」を伝えたい
終生変わらぬ信念を貫いた幸朗
幸せを求めて新たな航路へ
ついにつかんだトリの座
生まれ変わっても二人で漫才

おわりに