図書エ スゴロク060005770

絵双六

サブタイトル1~10
その起源と庶民文化
編著者名
枡田 静代 著
出版者
京阪奈情報教育出版
出版年月
2014年(平成26年)11月
大きさ(縦×横)cm
30×
ページ
370p
ISBN
9784878068089
NDC(分類)
798
請求記号
798/Ma66
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
和書
目次



第一章 絵双六の表現と構造に曼荼羅的世界を見る 浄土双六から一般的な双六まで
一、はじめに
二、絵双六の根本 浄土双六
(一)随筆『還魂紙料』の浄土双六
(二)浄土双六の要素
1 浄土双六
2 地獄に妖怪を描いた「十界双六」
3 子どもも遊んだ浄土双六
(三)浄土双六 双六遊び
1 振り出しで悪い目が出た場合
2 地獄から抜け出して極楽浄土に行く方法
3 振り出しで良い目が出た場合
4 双六遊びで体験させる
三、浄土双六の起源説 その一 選佛図を写した説
(一)選佛図とは
(二)選佛図と『選佛譜』の内容比較
1 選佛図第四層(外周)と『選佛譜』の階梯
2 選佛図第三層と『選佛譜』の階梯
3 選佛図第二層から上りまでと『選佛譜』の階梯
(三)選佛図のもとの図 陞官図
1 陞官図とは
2 出世双六「蓮中三元」
3 「選格」の遊び
(四)絵双六と中国年画
1 中国佛教の発展と木版印刷
2 中国の絵双六と年画の図柄
a 中国の絵双六「葫蘆分運」
b 中国の年画「葫蘆問図」
c 中国の絵双六「水晶官図」の人物の描かれ方
3 絵双六に似た異なる遊び
四、絵双六の起源説 その二 佛法双六を引き直した説
(一)佛法双六とは
1 現存する佛法双六
2 佛法双六の内容
(二)佛法双六の特徴
1 佛法双六(証果増進之図)の遊戯法
2 絵双六で学ばせる
五、浄土双六の起源説 その三 異説熊野比丘尼が作った説
(一)熊野比丘尼とは
1 熊野比丘尼 勧進活動
2 市街地の熊野比丘尼の姿
3 流浪した熊野比丘尼の姿
(二)熊野比丘尼末裔宅の遺品
1 遺品「熊野十界曼荼羅」
2 地獄と浄土
3 古代インドの世界観 須弥山世界
(三)熊野比丘尼遺品の「浄土双六」
1 「浄土双六」の内容
2 熊野比丘尼「浄土双六」双六遊び
(四)生死論
1 一枚刷り「十界の図」
2 絵双六「善悪雙六極楽道中図絵」
六、新たな起源説 チベット「再生のゲーム」
(一)佛教的な宇宙空間
1 インドとチベット
2 日本
3 外と内の曼荼羅
4 サキャ派様式
5 チベットの生死観と絵解き
(二)チベット「再生のゲーム」
1 佛教とゲーム
2 チベット「再生のゲーム」オリジナル
3 「再生のゲーム」序文と第一節から第四節
4 第五節 遊び方
5 ゲームの倫理
(三)チベットの「再生のゲーム」現代版
1 特徴
2 内容と木庭
(四)ゲームの表現と形の変化
七、まとめ


第二章 「名古屋版双六集」考 シリーズ化して絵双六の世界観を楽しんだ蒐集家
一、はじめに
二、「名古屋版双六集」
(一)特徴
(二)考察意義
三、天理大学附属図書館蔵「名古屋版双六集」の概容
1 形態
2 版元・画人(絵師)
①豊田棄三郎
②井筒屋文助(皓月堂文助)
③枩屋善兵衛
④森高雅(菊亭主人玉仙・玉僊)
3 所蔵印
四、「名古屋版双六集」の出版状況
(一)国際日本文化研究センター所蔵「宗田文庫」の概容
(二)名古屋市鶴舞中央図書館所蔵の概容
(三)西尾市岩瀬文庫所蔵の概容
(四)その他所蔵機関の名古屋版絵双六
1 国立国会図書館蔵
2 東京都立中央図書館蔵
3 東京国立博物館蔵
4 コープこうべ生活センター蔵
5 兵庫県立歴史博物館蔵
6 山本正勝氏所蔵
(五)名古屋版と京都版との関わり
五、佛教系双六の形態と名古屋版絵双六
(一)横長の選佛図・陞官図の形態と名古屋版「新版尾張ヨリ伊勢参宮巡双六」
(二)佛教系絵双六の妖怪を描いた名古屋版絵双六
(三)曼荼羅の画面構成を模した名古屋版の絵双六
六、「名古屋版絵双六集」(豊田昌夫氏所蔵)の図版と解説
七、まとめ


第三章 江戸後期出版文化における龍宮イメージ 絵双六「新板龍宮飛雙六」をめぐって
一、はじめに
二、絵双六と子どもの読み物
(一)上方子ども絵本
(二)御伽草子
三、絵双六の主人公たちと寺院の縁起
(一)浦嶋太郎 宇良神社「浦嶋明神縁起」
1 宇良神社の由来と所蔵品
2 縁起の絵解き
(二)俵藤太 雲住寺版「俵藤太略縁起」
1 雲住寺の由来と所蔵品
2 藤原秀郷
3 「俵藤太略縁起」
4 雲住寺板「俵藤太略縁起」
(三)玉取り説話
1 志度寺
2 志度寺縁起絵巻
四、読本『龍都朧夜話』が示すこと
(一)読本『龍都朧夜話』
1 糸井文庫
2 書誌
3 翻刻
4 図版掲載
五、絵双六とちらし類
六、上方子ども絵本『胎中国鱶の眠り』の示唆するもの
七、それぞれの龍宮
(一)上方版「新版龍宮飛双六」と名古屋版「大新版龍宮芝居飛双六」の龍宮
(二)三つの龍宮話とコマの位置
八、まとめ


第四章 江戸版「春興手習出精雙六」考 絵双六に俳諧一枚摺りの趣向を見出す
一、はじめに
二、寺子屋の学び
(一)寺子屋とは
1 発生
2 入門と費用
(二)教育内容
1 寺子屋の教科書 往来物
2 寺子屋師匠
3 行事と罰
三 江戸版絵双六「春興手習出精雙六」
(一)内容
1 下段 寺子屋入門と寺子屋の罰
2 寺子屋のカリキュラム 二段目 学習の基礎
3 寺子屋のカリキュラム 三段目 女子用 往来物
4 寺子屋のカリキュラム 四段目 専門知識
5 上段 上りと寺子屋の行事
(二)双六遊び
四、「春興手習出精雙六」版木と摺り
(一)再版に見られる違い
1 色の違い
2 彫りと摺りの違い
3 コマの絵と位置の違い
五、「春興手習出精雙六」版元と絵師の趣味的な交流
(一)絵師・広重と狂歌の世界
(二)俳諧一枚摺り
1 双六仕立ての俳諧一枚摺り
六、まとめ


第五章 江戸版「莟花江戸子数語録」考 描かれた子どもの姿に見る画題と写実性
一、はじめに
二、浮世絵に描かれた子どもたちの姿
(一)子ども絵の概容
(二)画題とは
三、江戸期 子どもを描いた絵本調査
(一)西尾市岩瀬文庫
(二)狩野文庫画像データベース
(三)絵本の中の子どもの姿
1 絵柄の類型化
2 中国の影響
3 絵本の出版状況
4 絵本に描かれた子どもの姿
四、絵双六と画題
(一)画題で描かれた絵
(二)画題とは異なる絵 いじめ
五、絵双六「莟花江戸子数語録」
(一)内容
1 下段の五コマ
2 二段目の四コマ
3 三段目以上のコマ
a 右端部の五コマ
b 上部中央の三コマ
c 上部左端の五コマ
(二)双六遊び 指示の工夫で子どもをしつける
六、「莟花江戸子数語録」の実写性
(一)随筆『飛鳥川』生意気になった子どもたち
(二)随筆『梵雲庵雑話』淡島寒月と「莟花江戸子数語録」の遊び
(三)随筆『明治世相百話』明治の遊びに江戸を見る
七、まとめ


第六章 振分双六「新販女庭訓振分雙六」考 幕末期の女性たち その多様な生き方
一、はじめに
二、振分双六「新販女庭訓振分雙六」
(一)二つの振分双六
(二)振分双六「新販女庭訓振分雙六」の概容
三、振分双六「新販女庭訓振分雙六」女性の多様な生き方
(一)A群 妻以外の女性たち
(二)B群 奥奉公や上層の女性たち
(三)C群 庶民の女性たち
(四)D群 経験や知識を活かして仕事をした女性たち
(五)E群 下層に生きる女性たち
(六)振り出しと上がり 踊り子娘から満福長者への道
四、双六遊び
五、当絵双六Aと類似双六BからEとの比較
(一)A「新販女庭訓振分雙六」とB「新板女庭訓振分雙六」
(二)A「新販女庭訓振分雙六」とC「女教訓出世双六」
(三)A「新販女庭訓振分雙六」とD[新板娘庭訓出世双六]
(四)A「新販女庭訓振分雙六」とE「新板娘庭訓出世双六」
六、変貌する娘の価値観
七、訪日記の著者とその国の女性たち
八、まとめ


終章

資料編
絵双六所蔵施設一覧と概容
拙稿一覽と絵双六資料一覧
所蔵館別絵双六一覧

あとがき