石川・富山昭和あのとき
発刊にあたって(北國新聞社・富山新聞社社長 髙澤基)
凡例
第1章 戦中・昭和20年代
未明の空襲 富山市街が焦土に
【エッセー】
出征する私に住職は「無惨だな」と涙した(加賀乙彦)
明日ありと思う心の仇桜B29に〈もう終わりだ…〉(藤子不二雄A)
わが家の団らんに加わった特攻の「お兄ちゃん」たち(矢原珠美子)
学徒出陣の壮行式に校旗を持って行進(敷波澄子)
学びを奪われた勤労動員工場の隅で読書に救われ(平泉迪雄)
農地を強制収用された立野ヶ原陸軍演習場の村(奥野達夫)
敗けるなど夢にも思わず耐えた銃後の小国民(米田憲三)
真珠湾攻撃の記憶留めるアリゾナ記念館の海(森井道男)
敗戦を告げる玉音放送に涙
【エッセー】
終戦の日、最後の空襲遺体が川を埋めた(森村誠一)
終戦後の小学校で放った一言が忘れられない(金美齢)
中国の内戦、焼け跡の東京 引っ越した高岡は別世界(木崎さと子)
線路沿いの道草が招いた占領軍巻き込む大騒動(青木新門)
弟がいると思える魚津 戦災孤児のきずなと誇り(海老名香葉子)
シベリア帰還兵に「戦争」を感じた少年期(上田正行)
戦後わずか60日 現代美術展が開幕
【エッセー】
『少年探偵団』に夢中 飯も食わず一晩で読んだ(嵐山光三郎)
孤独癒やした喜劇映画が「てなもんや」制作の原点(澤田隆治)
戦後の文化活動を支えた富山市公会堂と吹奏楽(加藤淳)
終戦の2年後にできた兼六園球場
第2回国体で「若い力」初披露
M7.1の福井地震 加賀も甚大な被害
学徒のシンボル 赤レンガの四高
【エッセー】
手塚漫画に出会った4歳 夢中になりマンガ家へ(永井豪)
県政揺るがした天狗橋事件
【エッセー】
内灘闘争、苦悩語る中山村長の卓上メモ(米田満)
金沢市編入か野々市町か 押野村、合併めぐり分裂(徳田寿秋)
3階建てビル 富山駅が完成
第2章 昭和30年代
交通拠点の役割高まった金沢駅
チンドンマン 全国から集結
狭い道が得意なボンネットバス
川は自然のプール 夏の遊び場だった
【エッセー】
川遊びで学んだ社会性 自然は大きな先生だった(米原寛)
平日も繁盛した中心商店街
露店や夕涼みで夏の夜を楽しく
卯辰山の娯楽場ヘルスセンター
列島沸かせたプロレスの熱闘
【エッセー】
”英雄”を演じた力道山 唐突な死で翳りに幕引き(村松友視)
魚津高の「蜃気楼旋風」メンバーだった父の誇り(沢樹舞)
大衆娯楽の筆頭 映画黄金期築く
【エッセー】
みんな憧れた裕次郎 若者に新風を吹き込む(中尾彬)
テレビが普及 街頭から家庭へ
【エッセー】
東京タワーの建設風景は戦後成長の象徴だった(水野一郎)
「聴く笑い」に想像を広げる楽しさがあった(桂文珍)
皇太子ご成婚 奉祝行事に沸く
【エッセー】
貧しい時代だったがみんな清潔でおしゃれ(フランソワーズ・モレシャン)
60年安保反対デモ 政党の枠超え拡大
【エッセー】
池田総理の高度成長政策 戦後の繁栄を引っ張る(俵孝太郎)
「永仁の壺」贋作事件 人間らしさ示した当事者(中島誠之助)
お城の中にあった金大キャンパス
【エッセー】
コンパのさなか教養部校舎が火事に(松田章一)
ダッコちゃん 若い女性に流行
電話の普及進み りくつな生活に
消えていった炭のストーブ
【エッセー】
全焼した東別院の再建に見た民衆の信力(熊谷宗恵)
「陸の王者」SL 夢と憧れ乗せ走る
【エッセー】
中学生たちの笑顔があふれた修学旅行列車(荒川義清)
コールタールの匂いで思い出される故郷の駅舎(織作峰子)
家は埋まり交通まひ 三八豪雪大わらわ
【エッセー】
大変だった三八豪雪 だが暗い記憶はない(唯川恵)
豪雪の選挙制し 中西県政始まる
黒部ダム完成 秘境に万歳響く
【エッセー】
完成直前の黒部ダム 地底の発電所に感激(堺屋太一)
ケネディ大統領暗殺 号外を全戸に配達(山本一力)
車の大衆化到来 新車発表会次々
キャバレー盛況 夢、元気を運ぶ
成人式晴れやか 経済成長背景に
五輪聖火リレー 沿道に日の丸の列
東京オリンピック 全国民が熱狂
【エッセー】
珠洲までの能登線開通 式に2万人が出て祝う(西山郷史)
アプレゲールな3代目と呼ばれしが(中村錦平)
第3章 昭和40年代
金沢の市電 48年の歴史に幕
【エッセー】
「電車通り」と呼んでいた金沢のメーンストリート(篠井英介)
商店街はビル化しトイレは水洗になった(砂川公子)
景気と連動したミニスカート旋風
【エッセー】
「ひょうたん島」生んだテレビの純情青春期(西舘好子)
ウルトラマンに込められた大きなメッセージ(黒部進)
色の調節に家中が大騒ぎ 幸せ運んだカラーテレビ(水橋文美江)
給食にワクワク メニュー多彩に
金沢の住宅街に自衛隊機が墜落
富山大橋が沈下 通行止め、大混乱
【エッセー】
「連隊橋」の沈下乗り越え 知の財産の引っ越し作業(太田久夫)
夢売る百貨店 消費をけん引
【エッセー】
三花街支えた地場産業 日米繊維交渉の影(手嶋龍一)
遠くて近い月の上に人類が印した飛躍の一歩(石田寛人)
高校相撲の聖地 金石から100年刻む
【エッセー】
雨で流されないよう机を押さえて実況(陶山弘一)
白山、立山の登山大衆化進む
砂浜埋めた海水浴 夏一番のレジャー
【エッセー】
遠くに立山連峰望める美しい岩瀬浜で海水浴(高橋はるみ)
世代超えて盆踊り 夏の一大イベント
片町初のホコ天 大動脈を開放
【エッセー】
繁華街での歩行者天国 こみあげた「くやしさ」(童門冬二)
川端文学の本質が窺えたノーベル賞授賞式の講演(笠森勇)
驚天動地の三島自決事件 時代に突きつけた刃(宮崎正弘)
本州最後のトキ 能登で捕獲
角界のスター大鵬 最多優勝飾り引退
絶景の立山黒部観光ルート開通
フォークダンスでうれし恥ずかし
【エッセー】
初のグループ交際の日 札幌五輪で表彰台独占(西村雅彦)
公民館で結婚式 簡素でも温かさ
暴走サーキット族 土曜深夜に騒動
イタイイタイ病 住民側が全面勝訴
【エッセー】
イ病を我が問題とし継承 企業、国を動かした熱意(須山盛彰)
黒部の屋敷林調査で判明 大気汚染被害ベルト地帯(長井眞隆)
反公害、福祉優先を唱え岡革新市政が金沢に誕生(山出保)
浅間山荘事件に覚えた同世代の「共感」(花田紀凱)
北陸自動車道開通 高速交通の幕開け
【エッセー】
毎日朝方まで取り組んだ日本海博覧会の企画(大場吉美)
気丈に家計支えた漁師町の行商人
夏の行商が届けた涼しさと風情
【エッセー】
減反で消えた田んぼは村人の汗の結晶だった(安部龍太郎)
食料増産から減反へ転換 農家も集落も変容した(佐伯安一)
金沢競馬に大観衆 騎手、馬と一体感
【エッセー】
調教師祐ちゃんと迫ったルドルフ世界挑戦の夢(大橋巨泉)
オイルショック 物価高騰招く
【エッセー】
突然のオイル・ショック 予測は十分可能だった(孫崎享)
経済企画庁に入った年に「円高時代」幕開け(根本博)
映画きっかけに奥能登観光ブーム
【エッセー】
モナ・リザ展に150万人 わずかで貴重な美術体験
第4章 昭和50~60年代
富山西武の開業 都会の薫りを運ぶ
ボーナス現金支給 大黒柱の威厳示す
【エッセー】
「女は家庭」顕著な時代 婦人問題対策に第一歩(坂東眞理子)
ライブの感動を知ったカーペンターズ金沢公演(子母澤類)
映画関係者と作家だけが泊まれた旅館「和可菜」(竹山洋)
「愛のコリーダ」が問うた性愛と社会のかかわり(高樹のぶ子)
大雪で校庭が「スキー場」に
【エッセー】
待ち遠しかった夏休み 昆虫、貝とりに熱中(辻口博啓)
正蔵、小さん、圓生ら出演 5夜連続の名人寄席(岡部三郎)
七尾火電着工巡り海上で流血の惨事
くつろぎの場 喫茶店ブーム
【エッセー】
妖美な鏡花に魅かれ芝居にのめりこむ(秋山稔)
個性認めおおらかな時代 家族のような宝塚歌劇団(剣幸)
手取川ダム誕生 万歳と惜別の涙
輝く星稜-箕島戦 延長十八回の激闘
運動会盛り上げた棒倒しや騎馬戦
五六豪雪に苦慮 住民総出で除雪
【エッセー】
五六豪雪と共通1次試験 人生の節目、雪の記憶(本木克英)
バブルが生んだディスコの熱狂
【エッセー】
「影武者」の代役について勝さんと話がしたかった(仲代達矢)
憧れの美空ひばりさんとついに歌番組で共演(川中美由紀)
演歌の素晴らしさを知りバスガイドから歌手へ(島津悦子)
能登線で脱線転覆 豪雨が路盤緩める
選抜4強入り 新湊旋風に沸く
【エッセー】
男女雇用機会均等法成立時の苦い思い(上野千鶴子)
「安嶋、歌を作ってをるか」昭和天皇の言葉に真心(安嶋彌)
「昭和最後の日」を小渕氏の間近で見続けた(後藤謙次)
昭和時代略年表
主な参考文献
協力者一覧