昭和二十年夏、子供たちが見た日本
- サブタイトル
- 編著者名
- 梯 久美子 著者
- 出版者
- 角川書店
- 出版年月
- 2011年(平成23年)7月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 314p
- ISBN
- 9784048850988
- NDC(分類)
- 916
- 請求記号
- 916/Ka24
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
私は疎開してみたかったのね。
違うところに行ったら、違う世界が見えるんじゃないか、
別の運命があるんじゃないか。そう思ったの。(角野栄子)
そうしたらね、入ってきたんですよ。ジープを先頭に。
ついこの前まで、鬼畜米英と思っていたんだけど、
目の前で見ると、やっぱり輝いて見えてしまう。(児玉清)
僕は、いい時代に育ったと思っているんです。
敗戦直後の、ものすごく自由で解放された雰囲気。
誰もが貧しかったけれど、活気があった。 (舘野泉)
原爆ドームに行ってみたら、ふっと出てきたんです。
ええ、みっちゃんが猫を抱いていて。
あの猫はね、冷たかった。死んでる猫だったのよ。
(辻村寿三郎)
あのころは女学生も来て、僕の見ている前で打っていた。
僕、聞いたんですよ。「なんでヒロポン打つの」って。
そしたら「痩せたいから」。 (梁石日)
出征した担任教師が戦死。これからまだまだ、
いろいろなことが起こるにちがいないと思いました。
とにかく憂鬱でした、世界が。 (福原義春)
ええ、私にはわかっていました。
この人たちはもうすぐ死んでいくんだって。
一度飛び立ったら還ってきてはいけないということも。
(中村メイコ)
終戦後の大連ではコックリさんが大流行しました。
大の大人が「コックリさん、コックリさん、
私たちはいつ帰れますでしょうか」とやる。(山田洋次)
僕はあのとき、心底怖かったんだと思います。
もしかしたら僕があの浮浪児になっていたかもしれない。
何かが間違ったら、あの少年は僕だったかもしれない、と。
(倉本總)
少なくとも兵士は銃を持って戦場に出た。
でも一般の市民は、誰も守ってくれない無法地帯の中に
丸腰のまま放り出されたのです。 (五木寛之)
あとがき
関連年表
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