紀元二千六百年
日本の読者に向けて
謝辞
序章
本書の構成
皇室関連史跡に観光客が殺到
植民地観光の促進
海外日本人社会の経験
文書と映像による記録
近代日本の天皇崇拝
一九四〇年の日本をどう見るか
西洋世界秩序への挑戦
モダニティとは何か
第1章 国史ブーム
紀元二千六百年のタイムカプセル
少国民の誕生
教育関係の商業出版物
絵本で皇国史
聖地をめぐる争い
認定された二一の神武天皇聖蹟
学者と国史出版ブーム
三冊の人気国史
もちこまれた「混合民族論」
国史の操作
第2章 大衆参加と大衆消費
国民的結束の強化
定時の大衆儀礼
溥儀の訪日
勤労奉仕
天皇崇拝を補強
寄付と寄進
懸賞募集
新聞と記念行事
百貨店の催事
忠順な消費と反動的モダニズム
第3章 聖蹟観光
役所が観光に力
観光と紀元二千六百年
肇国の聖地、宮崎
神武天皇船出の地
作家も観光に一役
ガイドブックなどで大宣伝
国史の故郷、奈良
つくられた聖蹟
記念品に人気
聖蹟観光とは何だったのか
第4章 朝鮮観光
同化と差異のジレンマ
絵葉書が物語ること
交通手段の広がり
京城のバス観光
観光客の別の楽しみ
本物の朝鮮とは
植民地時代の朝鮮観光をどう理解するか
第5章 満洲聖蹟観光
皇軍慰問
正当化される日本の特殊権益
日本の勝利を強調
スペインの聖蹟ツアー
特急「あじあ」で途中下車
新京のバス観光
満洲ならではの場所
帝国観光と近代日本
第6章 海外日本人と祖国-海外同胞大会-
帝国外に二五〇万人
日本人移民の背景
ブラジルから満洲へ
海外同胞大会の参加者
モデルとしての神武天皇
厳かな開会式
血統か文化か
二世の問題
アルゼンチンでの暮らし
日本魂を吹き込む
海外日本人にとっての紀元二千六百年
国をまたがる難しい状況
民族の壁と戸籍制度
破綻した間国民性
結び
米国人の日系人問題
定刻日本の両義性
ゴム人形から国民へ
何をもって「建国」を祝うのか
解説 昭和史の見直しを迫る(原武史)
注
索引(人名・事項)