あの日、あの味
まえがき
「食うこと」が大変な時代があった-戦前・戦中の記憶から(昭和元年~20年)-
ツンと鼻をつく刺激臭(作家・井出孫六)
塩鮭と糟汁(作家・常盤新平)
シャーベットの魅惑(作家・三木卓)
日本の味の美学(GKデザイン機構会長・栄久庵憲司)
兵隊と食べもの(作家・伊藤桂一)
大和煮(俳優、エッセイスト・池部良)
飢えはおふくろより強し(評論家・樋口恵子)
ガルボの唐揚げ(作家・中野孝次)
玉子とニワトリ(エッセイスト・山川静夫)
全ての子どもに母の手料理を(JT生命誌研究館館長・中村桂子)
バター・シュガー・コーン(俳優・エッセイスト・児玉清)
一皿の五目飯(詩人・松永伍一)
ジャガイモとグラマンと(食文化史研究家・永山久夫)
手まり唄と梅干し(作家・林京子)
紅いコーリャン(作家・小野耕世)
復興を支えたそれぞれの食事情-敗戦後の困難の中で(昭和20年~30年)-
黄色い夏ミカン(映画評論家・白井佳夫)
運命のおでん(漫画家・やなせたかし)
母のキムチ(歌人・道浦母都子)
サハリンのいちご(評論家・吉武輝子)
飢餓と屈辱(作家・古川薫)
フナの甘露煮と納豆(ジャーナリスト・増田れい子)
クジラやコロッケが御馳走だった(評論家・川本三郎)
憧れのごちそう(作家・岩橋邦枝)
母の団子汁(ノンフィクション作家・松下竜一)
ソーメン(ドイツ文学者・池内紀)
仲間と食べた“さくら鍋”(報道写真家・石川文洋)
ばっばの握り飯(ノンフィクション作家・今井美沙子)
イワシとメダカ(詩人・高橋順子)
やさしいアイスクリーム(ノンフィクション作家・鎌田慧)
スパム・アンド・ライス(作家・片岡義男)
記憶に残る「食の場面」(気象エッセイスト・倉嶋厚)
「生活」が変わったあの時期に…-高度経済成長前後を挟んで(昭和30年~40年)-
卵とマーガリンの頃(作家・村田喜代子)
パンにバター(作家・赤瀬川原平)
母のいなりずし(童話作家・立原えりか)
子牛と別れた日に(『望星』編集長・岡村隆)
おにぎりと台風(作家・下重暁子)
友と囲んだ牛鍋(講談師・宝井馬琴)
ブリと菊酒(随筆家・佐々木久子)
うなだれ定食(農民作家・山下惣一)
美味しくて懐かしい味(フォーク歌手・作家・なぎら健壱)
山奥の村で(エッセイスト・熊井明子)
贅沢な記憶(作家・村松友視)
富士山のとうもろこし(作家・中沢けい)
豊かな国の「表」と「裏」で-「食うには困らぬ時代」だったが(昭和40年~64年)-
池袋の原宿ドッグ(コラムニスト・泉麻人)
はじめはフランスパン(女優、作家・高橋洋子)
ほうれん草と馬鈴薯(ノンフィクション作家・林えいだい)
普天間警察署の弁当(作家・佐木隆三)
そばと恩師の教え(女優・大浦みずき)
母の手料理(作家・出久根達郎)
甘露のおにぎり(作家・僧侶・玄侑宗久)
バンシロー(ノンフィクション作家・高山文彦)
原始の蕎麦(詩人・平出隆)
商人の優先順位(詩人・ねじめ正一)
猫の缶詰(落語家・三遊亭圓窓)
されど、母の味(音楽家・森ミドリ)
似合う姿(作家・神津カンナ)
十四年目の野菜ショック(画家・宮迫千鶴)
正しい氷水(イラストレーター・南伸坊)
わが胃の自己主張(ジャーナリスト・むのたけじ)
忘れられない“異文化の味”-食の世界の広がりを知って-
サゴ椰子の味(写真家・大石芳野)
カイバル峠の羊肉バーベキュー(フォットジャーナリスト・吉田ルイ子)
飢餓の島で(絵本作家・田島征三)
鰐と駝鳥と結婚と(詩人・白石かずこ)
冷凍白身魚の鉋屑(作家・エッセイスト・米原万里)
よその家の御馳走(作家・絲山秋子)
南海の孤島で想う(ノンフィクション作家・工藤美代子)
あとがき
初出一覧