十七歳の硫黄島
はじめに
第一章 米軍上陸は近い
昭和二十年一月二十四日、ついに米軍接近
一月二十五日、空と海からの攻撃が始まった
一月二十六日朝、外の景色は一変していた
親友“影”のこと
硫黄島への旅
硫黄島、初めての戦地
汗で消える暗号本
硫黄島を巡った日
転任、そしてまた転任
第二章 情報収集
二月一日の任務
南地区の現況を報告
日本本土への攻撃開始を知る
サイパン沖に数百隻終結
大量の爆撃で、豪の崩壊
上陸作戦の幕開け
二月十七日、摺鉢山砲台の反撃
二月十八日、敵は眼前に無数にいる
第三章 米軍上陸
反撃はまだか
日本軍はただただ撃った
司令部塔跡からは、戦況がよく見える
夜明けの陸揚げ
次の飛行機で帰るという飛行兵
二月二十日、頭から焼夷弾を浴びる
十時間に及ぶ戦闘で、米軍さらに上陸・進行
わが方の戦車が敵の大型戦車を倒す
決死の挺身斬り込み攻撃
拳銃を押しつけ「これで撃ってくれ」と
わが送信所へ戻る
友軍飛行機が来た
送信所の上を戦車が往復する
第四章 摺鉢山の日章旗
摺鉢山が奪われた
摺鉢山奪還
二月二十四日、朝から摺鉢山に反撃を受ける
再び摺鉢山の日章旗は奪われた
その後の局地的応酬
戦車七両を破壊した阿部さんの話
与えられるのは一口の雨水のみ
本部に増援依頼するも「持久戦を」
東の玉名山、西の各陣地から応戦
今日の戦闘は引き分けかもしれない
暗くなって壕の外に出る
攻撃は人間爾地雷
確実に侵攻してきた米軍
日本の残存兵が地下から最後の出撃
二つの缶詰
ついに送信所の機能は停止した
第五章 砲撃と負傷
送信所が火災放射を浴びる
送信所壊滅を報告するために南方空本部へ
右の腕はある。その先の指がない
ここにいるんだ。助けてくれ
左足大腿部は貫通破片創。右手は-
第六章 玉名山からの総攻撃
影に伝言できなかったことが口惜しい
郵便局員として派遣されてきた軍属の人
通信科の残存兵は八日突撃と決まる
北地区と南地区との分断
玉名山地区隊、総攻撃の日
第七章 壕内彷徨
通信科室に火を放ち、総攻撃に出て行った
新しい“指揮官”が現われる
六根洗浄、南無阿弥陀仏
一発の銃声は一命の終わり
米軍が投げ入れた缶から煙が
水攻めのあとに火攻めがきた
第八章 一瓶のサイダー
汚泥と強烈な臭気の壕を脱出
壕の外に出て食べ物を
鳴子で気づかれる
威嚇射撃から逃れる
誰もいるはずのない南に向かう
投降を呼びかける日本兵
やっと入れてもらった壕内には
反抗できない、出発の決定
軍属の人たちは、一人も戻らなかった
第九章 石棺
投降した飛行兵たち
投降を拒否して散華した熊倉
投降の呼びかけと抵抗と
飲まず食わずの果てに
兵団司令部の最期を知る
いのちの炭
おわりに
謝辞