激動の昭和を見る 3 高度経済成長編
政治対決から経済成長への転換(色川大吉)
テレビの時代
クローズアップ
力道山の雄姿に熱狂した街頭テレビの頃(三好徹)
論客・大宅壮一はテレビ時代の到来を
”一億総白痴化”と皮肉った
茶の間の人気を独占したテレビの黄金時代
もはや戦後ではない
衣食足りて、庶民の憧れのマイホームも様変わり
庶民の憧れの的は三種の神器から
カー、クーラー、カラーテレビの3Cへ
少女マンガのヒロインのようなリカちゃん人形はたちまち子供たちの人気ものになった
ネオン瞬く銀座の夜。
ハイカラな酒場は男女の笑い声で華やいだ
技術立国ニッポンの面目躍如。
トランジスタが輸出商品の花形に
ミッチー・ブーム
軽井沢で育まれたテニスの恋。
皇太子妃に正田美智子嬢決まる
記者会見で胸の内を告白。
「ご清潔でご誠実な方だと…」
結婚式後の馬車行列で国民の熱狂と興奮は頂点に達した
全国の女性がため息を洩らした
ミッチー・ルックの華麗さ
紛争・争乱・テロル
クローズアップ
六○年安保闘争では日本国民の政治エネルギーが一気に爆発した(保阪正康)
”人間機関車”浅沼稲次郎、右翼少年に刺殺さる
市民運動の先駆「ベトナムに平和を!市民連合」活躍す
”反戦””反体制”の若いパワーが爆発。
闘争の季節ふたたび
モータリゼーション
大衆車時代の到来により次々と誕生したマイカー族
ひばり絶唱
天才歌手・美空ひばりデビュー。
わずか十歳の少女は愛らしい笑顔で国民を魅了した
若者たち
社会現象となった太陽族ブーム。
『太陽の季節』によって火がついた若者たちの自由奔放な行動
創刊ラッシュ!若者のバイブルとなった新雑誌
バイクにまたがり、爆音とともに街中を疾走したカミナリ族
和製ロックンロールの草分け
ロカビリーの演奏に若者たちは酔い痴れた
ついに実現したビートルズ来日公演。
日本武道館は興奮の坩堝と化した
繁華街を徘徊する六本木族。少年・少女たちは深夜営業のバーで夜明かしした
銀座に群れたみゆき族は、ファッションで自己主張する
原宿族は、深夜になると”日本のシャンゼリゼ”表参道にたむろした
大きな荷物を背負い日本各地に出没したカニ族
ビッグ・イベント
クローズアップ
東京オリンピックは国際化と経済大国への道を切り拓いた(長部日出雄)
頂点に達した高度成長を謳歌した一八三日間。
日本万国博覧会
「ディスカバー・ジャパン」人々を国内旅行ブームに巻き込んだ”日本再発見”の魔術
サイエンス
人類初の月への第一歩を誰もが固唾をのんで見守った
量子力学の朝永振一郎博士、日本人で二人目のノーベル物理学賞受賞
東海発電所始動。
日本に初めて原子力の火が灯った日
ヒーローたち
長嶋茂雄がみせた野性味あふれるプレーに誰もが目を見張った
王貞治の一本足打法にはいつもホームランを期待した
金田正一、その左腕が生み出す剛速球は今も忘れられない
史上最強の五冠馬
シンザン号の劇的な追い込みに胸が震えた
植村直己、あなたなら必ず生きて帰ると思った
山口百恵、「青い果実」だった少女は一躍、国民的ヒロインになった
キャンディーズの三人はやっぱり普通の女の子じゃなかった
ピンクレディー、「UFO」の振り付けをみんなが真似した
二二○○米の高地で行われたメキシコ五輪
日本人の健闘に拍手を送った
ジャンボ尾崎、プロ野球選手から転向した文字通りの大型ゴルファー
激動の昭和年表(原田勝正)
【1954(昭和29年)~1971(昭和46年)】