環境史年表
まえがき
凡例
昭和元年 ヒ素を対象に日本初の残留農薬の研究
昭和2年 警視庁が有毒ひな菓子、有毒アンズを摘発
川崎の粉じん公害で農民が直接行動
東京の汚水処理場で活性汚泥法の実験開始
昭和3年 大阪でゴミの海中投棄によりハマグリ死滅
野口英世、黄熱病研究の犠牲となる
利根川にクジラの大群、120余頭捕獲
昭和4年 酒・タバコ飲み男への拒婚同盟広がる
ばい煙汚染の多発で「空気の衛生展覧会」
鉱毒水防止に沈殿池の改良・拡大盛ん
昭和5年 江戸最古の名木「御行の松」が伐採される
名古屋で下水処理場稼動、し尿の海中投棄廃止
大阪で自動車の排ガスの測定が始まる
昭和6年 明40着工、信濃川の大河津分水工事完成
捕鯨取り締まりの国際条約、日本は調印せず
東北・北海道で凶作、欠食児童が半数超える
昭和7年 水俣湾への工場廃水の無処理排出始まる。
大阪・東京でばい煙取り締まり始まる
防風林・屋敷林・水源林などの造成促進
昭和8年 名古屋で交通巡査の公害病が深刻化
東京の水道で工場廃水による塩分混入発生
タバコ・排ガス中の発ガン性物質が実証される
昭和9年 警視庁が道路交通標識を8種に統一
大阪で水質汚染の主因がし尿から工場廃水に移行
大阪で地盤沈下や地下水位の測定を開始
昭和10年 東京の貯水池に桜の苗木1万本植樹
東京・丸の内で砂利吸い上げによる地盤沈下
千葉県が地域制自然公園条例を制定
昭和11年 汲み取りから水洗便所への動きが本格化
東京のハエ取りデーで9871匹捕獲
クジラの追尾試験で速力14ノットと判明
昭和12年 大阪・御堂筋が幅5.5mから44mへ大拡大
日中戦争で早くもガソリンや銭湯の燃料不足
し尿投棄で多摩川の汚濁が慢性化
昭和13年 東京でし尿の海洋投棄量、1日1万石
漁民などにより東京湾水質保護協会設立
神通川流域に神岡鉱山防毒期成同盟会結成
昭和14年 軍用毛皮のため小学生にウサギ飼育奨励
大阪で、卵は戦病兵士や病人だけとなる
川崎で工場からの排ガスの影響が深刻化
昭和15年 発電所建設で、世界の珍魚クニマスが死滅
米不足が切迫し雑草パンなどが登場
宮城県で煙害、鉱毒水の農業被害が広がる
昭和16年 桑畑・果樹園をつぶして米麦増産へ
東京のゴミ処理場で廃紙からパルプ製造
1個で大勢食べられるとキャベツが普及
昭和17年 保温折衷苗代登場、寒冷地稲作が劇的に進展
コスモスを秋桜など草木花の名を日本語化
33年ぶりにオットセイの捕獲が解禁
昭和18年 エスカレーター・冷暖房装置の回収始まる
上野動物園、猛獣の絶食死、薬殺を実施
船舶燃料不足で、汚泥の海中投棄が中止
昭和19年 名古屋の建物疎開で1万戸を強制撤去
学童疎開で43万人が親と離れ離れに
レイテ沖海戦で連合艦隊破滅、特攻隊出撃
昭和20年 東京・下町大空襲、死者8万3793人
広島・長崎に原爆、日本が無条件降伏
GHQが上下水道、汚物処理施設の復旧を命令
昭和21年 シラミ除去のため全国の小学生にDDT散布
広島・長崎で白血病患者が出始める
赤痢9万弱、腸チフス4万突破など伝染病まん延
昭和22年 鯨肉340tが東京へ、都民に110gずつ配給
電力割り当てで50kWごとに炭俵1俵カット
教室には机・イスがなく、雨に日は傘さして
昭和23年 福井地震で死者3895人、初の公安条例
自然保護で国際協調へ、国際自然保護連合設立
群馬県の納豆行商人が考古学上の大発見
昭和24年 水道・塵芥処理場などの復旧が進む
名古屋・東京で道路の清掃が始まる
長野県でユリア樹脂食器の製造、販売禁止
昭和25年 甲府で第1回植樹行事、全国植樹祭の初め
横浜の小・中学生の73%が寄生虫を保有
福岡県で婦人会のばい煙追放運動が成果
昭和26年 ゴミ減量、不法投棄防止で全国運動
大阪で騒音公害に初の住民運動始まる
暖房の普及で北海道にゴキブリが広がる
昭和27年 学校給食の効果、身長や座高が2%アップ
農薬による中毒死・中毒事故が続発
諫早湾干拓の「大長崎干拓構想」発表
昭和28年 NHK、日本テレビがテレビ放送開始
札幌、小松、神奈川県で農薬の空中散布実験
工場廃水による異臭魚、奇形魚が続出
昭和29年 「第五福竜丸」が水爆被災、初の犠牲者も
台風で「洞爺丸」沈没、死者1361人
東京、銀座は店で食事もできない騒音
昭和30年 東京で下水処理水を工業用水に再利用
岡山県から森永ヒ素ミルク事件が浮上
伊丹、名古屋、横須賀の小学校に防音教室
昭和31年 水俣保健所が「原因不明の奇病発生」と発表
三浦半島、房総半島に大量の汚物が漂着
国連が高齢化社会を「65歳以上7%超」と定義
昭和32年 東京にし尿収集のバキュームカーが登場
茨城県東海村で、日本初の”原子の火”ともる
西ドイツでダイオキシンが初めて問題化
昭和33年 大阪で町を静かにする運動、パチンコ店も自粛
沖縄で”甲子園の土”が植物防疫法違反に
工場排水の規制など日本初の公害立法
昭和34年 東京・下町でベンゾール中毒続出、死者も
東京の海岸や川は不潔で、水泳はダメ
伊勢湾台風で死者・行方不明5000人
昭和35年 各地で「臭くて食べられない魚」騒ぎ
農薬で二ホンキツネが減少、ウサギは増加
北米原産の魚ブルーギルが日本に移入
昭和36年 「地球は青かった」と人類初の宇宙飛行士
農薬散布で、小学生は防毒マスクで登校
日本のNGOの草分け「オイスカ」設立
昭和37年 さらなる成長へ、新産業都市建設促進法公布
農薬禍に警告の「沈黙の春」が大評判
スモッグで白クマ、ウサギの毛が灰色に
昭和38年 多摩川に青酸化合物、水道の取水停止
名神高速開通、日本もハイウエイ時代へ
三池炭鉱爆発で空前の死者・一酸化炭素中毒
昭和39年 20年計画で「日本特産植物図説」出版へ
沼津へのコンビナート進出を住民が阻止
日本でナショナルトラスト運動スタート
昭和40年 アンプル入りかぜ薬でショック死が続出
新潟大教授らが新潟水俣病を公式認定
スーパー林道の建設開始、自然破壊進む
昭和41年 新幹線騒音で、大垣・浜松の学校が移転
新型車への排気ガス規制がスタート
バス車掌が一人で始めた”桜街道”作り
昭和42年 病菌豚を食肉に、悪質密売事件が続出
東京湾の汚染で江戸前のノリが滅びる
原爆小頭症児を初めて「原爆の被害者」と認定
昭和43年 超高層時代の幕開け、霞が関ビル完成
札幌で日本初の心臓手術実施、疑惑も浮上
福岡県でカネミ・ライスオイル事件が勃発
昭和44年 米宇宙飛行士が初めて月に降り立つ
「うそつき食品」の横行に首相が追放を指示
気管支ぜん息など6病を公害病に指定
昭和45年 新潟で4歳少女が初の胎児性水俣病に認定
東京・杉並で日本初の光化学スモッグ発生
水質汚濁防止法など公害14法が制定・改正
家畜の出荷前5日は抗生物質投与を禁止
昭和46年 湿地・湿原保護の「ラムサール条約」採択
検査した母親全員の母乳が農薬に汚染
新潟水俣病裁判で工場廃水が原因と認定
1000年以上の屋久杉が1万1000本
昭和47年 横浜市が公害、ゴミなど「5大戦争」宣言
大気汚染防止法などに過失責任制導入
環境影響評価への取り組みはようやく始まる
福岡市で100万本植樹の市民運動スタート
昭和48年 「琵琶湖は昭60までにドブ」と学者が警告
荒川中流の魚は6匹に1匹が奇形と判明
大阪でトイレットペーパーの買いだめ起こる
チリ紙交換がブーム、都内で2000軒
昭和49年 ”100年鉱害”足尾鉱毒事件で和解成立
東京・渋谷、新宿駅などに「禁煙タイム」
漁獲規制の必要地域は全国で26か所
岡山県で史上最悪の海洋汚染事故発生
昭和50年 広島県が「低公害車に減税」の特典発表
米軍がベトナム撤退、ベトナム戦争終了
大気汚染の死者1000人で合同追悼会
大阪で初のリサイクル市民運動始まる
昭和51年 安楽死協会が誕生、国際会議も開催
広島で初のゴミの5種分別収集スタート
川崎市が環境アセスメント条例を制定
東京で集合住宅のトイレに工業用水道供給
昭和52年 厚生省のかび防止剤認可でボイコット運動
宅地のミニ開発などで住宅環境が悪化
水俣病で汚染魚の封じ込め作戦実施
鉱害犯罪のトップは産業廃棄物の不法投棄
昭和53年 東京で嫌煙権運動始まり、全国へ拡大
琵琶湖を守るための石けん運動が始まる
愛知県でベビーフードに大量の放射線照射
「人食いバクテリア症」が日本で始めて見つかる
昭和54年 北海道に野鳥の楽園の建設が決まる
政府が石油節減、原発強化の方針決定
北海道豊平川に25年ぶりにサケが回帰
子どもの肥満ピーク、10~12歳で7%
昭和55年 昼間、駅周辺の放置自転車は全国で85万台
日本の放射性廃棄物投棄に南太平洋諸国反発
大阪に車締め出しのコミュニティ道路
ジャンボタニシ初輸入、水田の大敵へ
昭和56年 千葉で六価クロム検出、16年後も消えず
米高官が相次ぎ日本への核持ち込み証言
枯葉作戦の犠牲、ベトナムの二重体児報道
”第三の公害”歴史的風土や町並み破戒頻発
昭和57年 ホテル火災で死者33人、防災不備で社長逮捕
「健全な地球を次世代に」と国際会議で宣言
全国地下水汚染調査で発ガン性物質が続々
岡山県で出漁漁船がゴミ回収、1日11トンも
昭和58年 交通公害解消に「流通体系変えよ」と答申
「ごみゼロの日」に全国で124万人が参加
ゴミ焼却状残灰から猛毒ダイオキシン検出
「下北半島を原子力のメッカに」と首相言明
昭和59年 山野に埋めた除草剤による環境汚染が頻発
国の事業に環境アセスメントを義務づけ
寄生虫退治でキタキツネ1万匹狩猟開始
関東地方の山々に「緑のペスト」まん延
昭和60年 名水100選に長野「わさび田湧水郡」など
戦後40年、長崎の植物に今だ原爆の影響
群馬県で日航ジャンボ機墜落、死者520人
相撲の両国国技館に日本初の雨水利用施設
昭和61年 ソ連のチェルノブイリで空前の原発事故
地方でゴミたい肥化のコンポストが盛ん
血液製剤で小学生が初のエイズに感染
ディーゼル車排ガスで花粉症が大幅増加
昭和62年 東京地裁、タバコの間接喫煙の害を認める
トイレ革命で、デパートに超豪華トイレ
エイズ解剖拒否の医療機関が4分の1
塩素系と酸性洗浄剤の混用で主婦が死亡
昭和63年 日本医師会、脳死と臓器の摘出を承認
食品添加物347中300が表示義務の対象に
「ふるさと創生」で全国市町村に1億円配布
千葉県が全国初のゴルフ場の農薬規制
平成元年 124か国が今世紀中にフロン全廃を決議
小室等らが食品安全条例制定の請求運動
幹線道路沿いの騒音は10年間で最悪
は虫類の輸入ブームで日本のへの批判噴出
平成2年 居眠り防止のため”音の出る舗装”登場
マレーシアが熱帯林伐採の中止を要求
酸性雨でコンクリートのつらら化が続出
長崎に中を路面電車が通るビルが誕生
平成3年 温暖化防止のため牛のゲップの研究開始
普賢岳で大火砕流、死者・行方不明43人
「地球は大気汚染で紫色」と宇宙飛行士
15~19歳のぜん息死は10年前の3倍以上
平成4年 全国2万3000地点の85%で酸性雨
ブラジルで国連環境開発会議、NGOも参集
PCB生産中止後20年、魚介類にまだ蓄積
ブラックバスが北海道を除く全国で繁殖
平成5年 猿害対策でメスザルに電波発信機を装着
家具メーカーが熱帯雨林保護のため廃業
屋久島と白神山地が日本初の世界遺産に
環境基本法で環境行政がグローバル化
平成6年 酸性雨で鎌倉の大仏に多種類の錆
小・中学生のアレルゲンは卵・牛乳・そばなど
東京都が環境にやさしい低公害車を指定
長崎の樹木医が被爆柿の木の2世作り
平成7年 阪神・淡路大震災、死者・行方不明6308人
米軍弾薬庫跡に奇形のカエルが続々
青森-鹿児島間の高速縦貫道が全通
88年間続いたハンセン病患者隔離に終止符
平成8年 牛海綿状脳症防止で英などから牛肉製品輸入禁止
横浜市が「歩行中禁煙」の条例を制定
薬害エイズ事件で帝京大前副学長ら逮捕
運輸省が海の生物にやさしい海岸づくり
平成9年 ペットボトルとガラス瓶の再生が義務づけ
水俣湾が41年ぶり安全宣言、漁場も復活
魚の活き作りなどに外国で「動物虐待」の声
ダイオキシン対策で学校のゴミ焼却炉全廃
平成10年 国会で首都機能移転の3候補地が決まる
京都、北九州で学校のトイレ改修に着手
火山ガス噴出の危険地が全国で640か所
環境ホルモン問題でカップ麺の容器が紙製に
平成11年 高知で初の脳死移植、6人に臓器を提供
日・米・露共同で絶滅危ぐの野生ガン繁殖
日本の樹木医会がタイの古木保存に一役
ペットボトル再生の制服・作業服が流行
平成12年 大山鳴動、コンピュータの2000年問題
雪印乳業製品から国内最悪の食中毒事件発生
三宅島噴火、全島民の避難生活始まる
WHO、日本などでの小児マヒ根絶を宣言