戦争と流行歌
1章 軍歌の成立 1890年代~1900年代
日清戦争以前-「道は680里」「元寇」
日本の軍歌第一号-「抜刀隊」
日清戦争中の歌-「婦人従軍歌」「勇敢なる水兵」「雪の進軍」
唱歌と軍歌は姉妹関係
民衆の戦争歌-“めんごくさいや とっかん攻撃”
日露戦争のころの歌-「軍艦行進曲」「戦友」
反戦歌の誕生-「母ちゃんごらんよ」
社会主義運動と軍歌-「社会主義の歌」
「ラッパ節」の転変-“可愛い兵士のしゃれこうべ”
「士気の歌」から「四季の歌」へ-“人、人を殺すべき義務ありや”
2章 第一次世界大戦前後 1910年代~1920年代
第一次世界大戦と流行歌-「ティッペラリーの歌」「ダブリンベー」
演歌師の唄った戦時歌-「青島節」「どこいやせぬ」
ミュージカル・コメディ「女軍出征」
マス文化の成立-メディアの大衆化
映画と流行歌-「船頭小唄」「籠の鳥」
ラジオの出現
レコードの普及-「東京行進曲」
3章 日中戦争期は軍国歌謡の量産期 1930年代
古賀メロディーの登場-「酒は涙か溜息か」「影を慕いて」
満州事変、上海事変の歌-「満州行進曲」「爆弾三勇士の歌」「討匪行」
レコード検閲開始-「忘れちゃいやよ」
<国民歌謡>スタート-「海ゆかば」「愛国の花」
軍歌の代表作「露営の歌」-“勝ってくるぞと勇ましく”
<軍国歌謡>の誕生-「軍国の母」「軍国子守歌」
懸賞入選歌の花ざかり-「愛国行進曲」
大ヒット“前戦歌謡”-「麦と兵隊」「上海だより」
大陸の歌-「支那の夜」「蘇州夜曲」
中国の“リリー・マルレーン”-「何日君再来」
植民地朝鮮の悲哀-「木浦の涙」
4章 太平洋戦争と流行歌 1940年代
奉祝ムード“純粋”流行歌のご難-「紀元2600百年」「湖畔の宿」
太平洋戦争勃発-「空の神兵」「ジャワのマンゴ売り」
戦争中の音楽規制
戦時中の替え歌
歌手灰田勝彦の運命-「新雪」「鈴懸の径」
敗色と特攻隊-「同期の桜」
敗戦後の流行歌-「リンゴの歌」
戦争の傷跡-「星の流れに」「とんがり帽子」「異国の丘」
5章 朝鮮戦争の影響 1950年代
ジャズ、ラテン、アメリカものの流行-「ボタンとリボン」「ベサメ・ムーチョ」
小畑実の「涙のチャング」
太平洋戦争戦犯囚の声-「ああモンンテルパの夜は更けて」
原水爆禁止運動の盛り上がり-「原爆すまじ」
流行歌をめぐる環境の変化
6章 わが国における“ベトナム戦争” 1960年代
リバイバルブーム-「人生劇場」「君恋し」
軍歌復活と東京オリンピック-「戦友」
ベトナム戦争と日本の音楽界
フォークソング運動-「ウィ・シャル・オーバーカム」
「坊や大きくならないで」
「消えない顔」「ベトナムの赤い月」
新宿西口フォーク集会-「戦車は動けない」
平和のためにわれ歌う-美空ひばり
おわりに-1980年代そして今
CD-君死にたまふことなかれ 曲目解説(長田暁ニ)
あとがき
曲目索引