潜水艦西へ

序
原著者序

海を忘るる國は亡ぶ－海は運命と正義の具現－
海は常に無垢
独英の争いを外に
海洋の自由は口先ばかり
対独封鎖に答えて
千載の恨を残す
国民の決意あらば

海豹の如く－泡立つ巨浪をそとに－
Ｕボートに乗組んで
驚くあざらし
出航を前に
娑婆の風に別れて
いよいよ敵と接触
英弾に潜航
海中は極楽世界
海豹の如く

ボロ艇のかなしさ－九死に一生を得る－
危険を告げるベル
敵前に事故続出
海は吾れの味方
血気をつつしむ

隠密と奇襲が秘訣－沈没船に弔意を表わす－
葬式の記念日
捕虜奪回にＵ艇が
海底の日曜午餐
潜水艦長の資格
敵艦は蜃気楼
待てば海路の日和
忍耐だ！待機だ！
轟然！魚雷命中
想は昔に返へる

潜水艦の世界－秘められたる内部－
鋲釘の有難さ
鋼鉄魚に憧憬
潜水艦の秘訣
Ｕボートの心臓
潜水艦の意識
小説家の夢と現実
電気はＵ艇の血液
再び覚めざるＵ艇
二重生活の艇人