日本軍兵士 続
- サブタイトル
- 中公新書;2838 帝国陸海軍の現実
- 編著者名
- 吉田 裕 著
- 出版者
- 中央公論新社
- 出版年月
- 2025年(令和7年)1月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- ix,240p
- ISBN
- 9784121028389
- NDC(分類)
- 391.2
- 請求記号
- 391.2/Y86/2
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 参考文献:p226-237 近代日本の戦争略年表:p238-240
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
序章 近代日本の戦死者と戦病死者――日清戦争からアジア・太平洋戦争まで
疾病との戦いだった日清戦争/戦病死者が激減した日露戦争/第一次世界大戦の戦病死者/シベリア干渉戦争の戦没者数/伝染病による死者の激減/軍事衛生の改善・改良と満州事変/退行する軍事衛生――日中戦争の長期化/アジア・太平洋戦争の開戦/陸海軍の戦没者数/
日露戦争以前に戻った戦病死者の割合
第1章 明治から満州事変まで――兵士たちの「食」と体格
1 徴兵制の導入――忌避者と現役徴収率
徴兵令の布告/現役徴収率二〇%の実態/徴兵忌避の方法/沖縄の現実、徴兵忌避者の減少/軍医の裁量権――高学歴者への配慮と同情
2 優良な体格と脚気の問題――明治・大正期
明治の兵士――身長一六五センチ、体重六〇キロ/脚気――総人員三割から四割の罹患/兵士たちを魅了した白米
3 「梅干主義」の克服、パン食の採用へ
栄養学の発展――第一次世界大戦後の日本/陸軍の兵食改善/一九二〇年のパン食導入/冷凍食品の導入と大型給量艦/洋食の普及と充実――満州事変期/壮丁と兵士の体格
4 給養改革の限界――低タンパク質、過剰炭水化物
シベリア干渉戦争の失敗/飯盒炊さん方式による給養/兵食における質の問題/陸軍でのパン食のその後/揺れる海軍のパン食――「皇軍兵食論」の登場
第2章 日中全面戦争下――拡大する兵力動員
1 疲労困憊の前線――長距離行軍と睡眠の欠乏
苦闘を強いられる日本軍/萎縮し「奮迅」できない兵士たち/多発する戦争栄養失調症/「殆ど老衰病の如く」
2 増大する中年兵士、生涯を持つ兵士
低水準の動員兵力/軍隊生活未経験者の召集/召集が原因の出生率低下/国民兵役までも/知的障害の兵士/吃音の兵士/野戦衛生長官部による批判/攻撃一辺倒の作戦思想
3 統制経済へ――体格の劣化、軍服の粗悪化
総力戦の本格化、国民生活の悪化/軍隊の給養――副食の品種減少、米麦食偏重/劣化する軍服――絨製から綿製へ/向上しない体格、弱兵の増加
4 日独伊三国同盟締結と対米じり貧
ドイツの大攻勢による政策転換/資源の米英依存による新たな困難/石油禁輸とジリ貧論――アジア・太平洋戦争の開戦へ/中国戦線にくぎ付けにされ続けた陸軍
第3章 アジア・太平洋戦争末期――飢える前線
1 根こそぎ動員へ――植民地兵、防衛召集、障害者
植民地から日本軍兵士へ――朝鮮・台湾から/防衛召集による大量召集/視覚障害者たちの動員開始/強制動員されるマッサージ師たち
2 伝染病と「詐病」の蔓延
戦争末期の戦没者急増/栄養失調の深刻化/マラリアの多発/「現場」での非現実的な予防対策/精神病の「素因」重視/詐病の摘発/詐病の増大/戦力を大きく削ぐ皮膚感染症
3 離党守備隊の惨状
「自給自足の態勢」強化の指示/不十分なままの海軍の給養/兵員の体格劣化、栄養失調による死者/違法な軍法会議と抗争/食糧をめぐる陸海軍の対立
4 かけ声ばかりの本土決戦準備――日米の対格差
野草、貝類、昆虫……/「こんな軍隊で勝てるのだろうか」/兵士たちによる盗み/体格・体力のさらなる低下/アメリカ軍の給養と体格
第4章 人間軽視――日本軍の構造的問題
1 機械化の立ち遅れ――軍馬と代用燃料者
「悲惨なというべき状態」――国産車の劣悪な性能/代用燃料者の現実/軍機械化の主張とその限界/断ち切れない「馬力」への依存
2 劣悪な装備と過重負担――体重40%超の装備と装具
過重負担の装備/戦闘の「現場」、兵士の限界点/一〇〇日間、二〇〇〇キロを超える行軍/中国人から掠奪した布製の靴、草履/一六六名の凍死者/粗悪な雨外套
3 海軍先進性の幻想――造船技術と居住性軽視
造船技術は先進的だったか/居住性の軽視/一般の兵員にたいする差別/「松型駆逐艦」の居住性/「世界に類のない非常対策」/高カロリー食の失敗/特殊環境下の乗員の健康/アメリカ海軍の潜水艦との比較/ドイツ海軍Uボートの徹底検証
4 犠牲の不平等――兵士ほど死亡率が高いのか
兵役負担の軽重/大学生の戦没率/召集をめぐる贈収賄/食糧の分配をめぐる不平等/戦死をめぐる不平等/メレヨン島とパラオ本島/長台関での階級間格差/正規将校の戦病率
おわりに
日中全面戦争下、野放図な軍拡
宇垣一成の陸軍上層部批判
騎兵監・吉田悳の意見書
日本陸軍機械化の限界
追いつかなかった軍備の充実
コラム
①戦史の編纂――日清戦争からアジア・太平洋戦争まで
②戦場における「歯」の問題再び
➂軍人たちの遺骨
➃戦争の呼称を考える――揺れ続ける評価
➄軍歴証明と国の責任
あとがき
参考文献
近代日本の戦争 略年表
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