幻のレコード

はじめに――発禁禁止とは

第１章　レコードというメディア
１　音声にかける網
２　舞台と映画からヒット曲が
３　「公序良俗」の波
第２章　レコードにも検閲を！
１　売り上げは右肩上がり
２　取り締まろうにも法がない
３　五・一五事件とレコード
第３章　出版法改正
１　検閲の想像力
２　取り締まるべきは文字にあらず
３　不問、注意、製作停止、そして発禁
第４章　レコード検閲係・小川近五郎
１　レコード大国ニッポン
２　夢想家にして実務家
３　流行を統制する矛盾のなかで
第５章　〈忘れちゃいやョ〉と〈あゝそれなのに〉
１　罪は万死に値する
２　「ねェ小唄」の憂鬱
３　洪水の前
第６章　昭和十二年の転機
１　模倣盤問題
２　コロムビアと当局
３　民意はどこに
第７章　便乗と動員
１　日中戦争というチャンス
２　見よ東海の空明けて
３　私的感情のゆくえ
第８章　戦時体制下のレコード検閲
１　だってひどいわ、あんまりですわ
２　お蔵入りさまざま
３　ジャズをどうする？
第９章　夢去りぬ
１　ジャズはしぶとく
２　「音盤」の時代に
３　崩壊過程

むすびに――内なる発禁

註
あとがき
巻末表
表①　出版法改正前に取り締まられたレコード
表②　発売頒布禁止レコード
表③　検閲によって発売中止となったレコード