民衆対陸軍
- サブタイトル
- 太平洋戦争の原因は「民衆の台頭」だ!
- 編著者名
- 前田 啓一 著
- 出版者
- 学術研究出版
- 出版年月
- 2023年(令和5年)7月
- 大きさ(縦×横)cm
- 19×
- ページ
- 185p
- ISBN
- 9784883387113
- NDC(分類)
- 210.6
- 請求記号
- 210.6/Ma26
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 参考文献:p182-185
- 昭和館デジタルアーカイブ
まえがき
序章 「神がかり」と「民衆の台頭」
竹山道雄の「神がかり」と「痴呆」
「民衆の台頭」も太平洋戦争の開戦を後押しした
民主主義や民族自決による「民衆の台頭」
一章 日比谷焼き打ち事件
日露戦争の講和に国民的な反対
「日比谷焼き打ち事件」で戒厳令が敷かれた
陸軍の継戦能力は限界に達していた
新聞は筆をそろえて講和条約に反対した
「日比谷焼き打ち事件」は権利意識の芽生えだった
二章 ロシアの「一九五〇年革命」
ロシアには反乱の伝統があった
ロシアは日露開戦前から火種を抱えていた
「一九五〇年革命」で黒海に赤旗が翻った
二〇世紀は「民衆の台頭」の時代だった
三章 社会主義の浸透と弾圧
マルクス主義が社会主義の主流となった
わが国にも社会主義が導入された
横山源之助の『日本の下層社会』
戦前と戦後の政治体制
山県派と伊藤派による政権運営
西園寺内閣発足による自由の嵐
「東京市内電車値上げ反対運動」と赤旗事件
幸徳秋水による帝国主義批判
大逆事件により社会主義は「冬の時代」へ
四章 韓国併合と辛亥革命
三次の日韓協約による朝鮮支配の拡大
義兵運動による朝鮮の人々の抵抗
伊藤博文の暗殺と韓国併合
長州軍閥は「民衆の台頭」を食い止めた
「情意投合」による第二次西園寺内閣の誕生
辛亥革命は天皇制の危機でもあった
五章 大正政変とシーメンス事件
陸軍大臣不在による内閣崩壊
民衆の怒りが桂首相を退陣に追い込んだ
海軍大将山本権兵衛が総理大臣に就任
軍事費の使途に疑惑の目が向けられた
シーメンス事件に起こった群衆が国会議事堂を取り囲んだ
山本首相の後任に大衆的人気の大隈重信
六章 大隈内閣と「二十一ヵ条の要求」
大隈内閣は元老の影響下にあった
南洋諸島と山東半島を支配
二個師団増設の実現と大戦景気
「二十一ヵ条の要求」による日中関係の悪化
朝鮮総督の寺内正毅が総理に就任
七章 第一次世界大戦による「民衆の台頭」
ロシア革命によるロシア帝国の崩壊
ドイツ、オーストリアでも革命勃発
ウィルソン米大統領の「十四ヵ条」
国際連盟の発足と東欧諸国の独立
朝鮮の三・一運動は「民衆の台頭」の一つだった
中国の五・四運動も「民衆の台頭」の一つだった
八章 米騒動と原内閣
革命後のシベリアに大軍を出兵
シベリア出兵が米騒動を引き起こした
米騒動が寺内「非立憲」内閣を倒した
原敬は華族でも士族でもない平民宰相だった
九章 「残された帝国」とワシントン体制
第一次世界大戦により四つの帝国が崩壊
わが国は「残された帝国」となった
ワシントン海軍軍縮条約による軍備抑制
九ヵ国条約による中国での行動抑制
ワシントン海軍軍縮条約による軍艦の処分
軍人軽視の風潮が広まった
十章 社会主義の復活と革命の悪夢
ロシア革命により労働争議が増えた
日本共産党の結成と皇太子狙撃事件
清浦「貴族院」内閣と政友会の分裂
共和制や社会主義は指導層にとり「悪夢」だった
『細雪』にみる亡命ロシア人の困窮
普通選挙は山県らに「革命」を連想させた
十一章 普通選挙と社会主義の退場
護憲三派による第二次護憲運動
男子普通選挙の実現
ソ連との国交樹立が治安維持法を後押し
多難だった加藤高明と第一次若槻内閣
在郷軍人会を率いて田中義一内閣が誕生
宇垣一成によると政党は営利目的だった
治安維持法により「社会主義」が退場
十二章 政党内閣の多難と満州事変
「軍国主義」は地方に根を張っていた
浜口内閣の時代に汚職事件が相次いで発覚
浜口内閣の「金解禁」は失敗に終わった
ロンドン海軍軍縮条約による補助艦の削減
統帥権干犯問題が浜口首相の命を縮めた
満州の特殊性と日露講和への不満
張作霖爆殺事件は満州制圧を目指した
関東軍内で満州事変の計画が練られた
万宝山事件と中村大尉事件による日中間の緊張
満州事変の勃発と統帥権干犯
豊臣秀吉の大明国制覇の夢に近づいた
十三章 五・一五事件と議会主義の後退
血盟団事件が暗殺の時代を開いた
五・一五事件で犬養首相が死亡
「軍国主義」が「議会主義」を葬り去った
五・一五事件の減刑嘆願運動が広がった
動機への理解から軽い判決が下された
犬養は総選挙で国民の信任を得ていた
教育勅語が戦前の社会構造を決めた
教育勅語による国家規模の「家族」
政党も総理大臣も今日より小さな存在だった
国民は満州事変の戦果に狂喜した
戦争は絶対的な「悪」ではなかった
「赤子」の立場から犯行
十四章 陸軍の影響力の増大
日本の「民衆の台頭」は「軍国主義」に導かれた
国際連盟脱退による国際社会からの離反
陸軍は中国で外交当局のようにふるまった
「陸パン」による陸軍の政治干渉
天皇機関説と君権絶体主義の対立
国体明徴声明は二度行われた
「国軍」から「皇軍」へ
二・二六事件の趣意書に「八紘一宇」
二・二六事件後に軍部のさらなる勢力拡大
十五章 『国体の本義』と日中戦争
『国体の本義』の発行
「個人主義の行き詰まり」の打開
帝国議会は「天皇親政」の「補佐機関」となった
「皇運」の扶翼」が国民の使命となった
真相不明の発砲が日中戦争の引き金となった
石原莞爾は日中戦争の拡大に反対した
日中戦争での支配地に「赤子」が移り住んだ
蔣介石の抗戦決意
十六章 日中戦争の泥沼化
赤子たちが南京占領を祝った
「民衆の台頭」が日中戦争を泥沼化した
英米は植民地の自立を許容した
コスト意識が植民地の放棄を促した
日中戦争による国民生活の切り下げ
「基本国策要綱」は世界制覇を目指した
終章 「残された帝国」の滅亡
米国の経済力はわが国の十二倍だった
『臣民の道』は国家への奉仕を国民に求めた
国民の多くが戦争や統制を支持した
人びとは催眠状態に陥った
共産主義への恐怖が軍国主義を呼んだ
「民衆の台頭」が「残された帝国」を葬り去った
参考文献一覧
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