庶民の歴史家松島榮一

まえがき　（山口義夫）
榮一の思い出　（松島富子）
第一章　未刊行の自叙伝他
大正の残映－デモクラシーは死んだか
古い子守唄の地
四天王寺をめぐって
勝山通りの家
両親のこと（松島と安井）
真法院の前の家
就学前の思い出
真法院の門前で－就学直前のできごと－
小学校へ入学
「大正」から「昭和」へ（一）
「大正」から「昭和」へ（二）
西宮での共同生活
始まった電車通学
通学の電車の中で（一）
通学の電車の中で（二）
通学の電車の中で（三）
市電の中から
天五と先生たち
校外学習など
今津津門（つと）の家（一）
今津津門の家（二）
新しい受験への目標
灘中受検
灘中入学
一九三〇年前後（一）
一九三〇年前後（二）
灘中での恩師や同級生
国勢調査と伊豆大地震
郷土研究室のこと
郷土研究と地歴研究会
淡路島縦走の旅
受験勉強
灘中の五年間を頼みて
六甲山
受験の頃の早稲田
原宿・代々木練兵場
浅草の歴史－そのなりたちと発展
田中正造を現代に活かす
勝海舟没後百年にあたって
　
第二章　家永教科書裁判
証言　（松島榮一）
証人の地位および経歴
戦前の歴史教育の歴史
明治維新から明治一九年まで
明治二〇年代から三〇年代にかけて－検定から国定への過程
教科書の国定化に至る経緯と歴史教科書の内容の変遷
戦前の歴史教育の特徴－歴史学と歴史教育
戦後における歴史教育の出発
昭和二十六年度学習指導要領社会科篇の作成経過とその内容
戦後歴史教育の変化－指導要領改定の影響
歴史教育の正しいあり方
反対尋問
再主尋問
対談　（杉本良吉／松島榮一）
家永教科書裁判と松島榮一先生　（下町人間の会副会長・藤原進）
　
第三章　松島榮一論
松島「社会科論」に学ぶ　（福島大学学長・臼井嘉一）
松島榮一先生と前進座　（前進座代表・中村梅之助）
人間が主人公となる社会をめざして　（下町人間の会会長・山口義夫）
松島榮一さんと日本近代史研究会　（日本近代史研究会・東京学芸大学講師・川村善二郎）
松島榮一さんの歴史学　（国立歴史民俗博物館館長・宮地正人）
　
第四章　弔辞（二〇〇二年十二月十七日・十八日通夜・告別式にて）
松島榮一先生の病歴と略歴　（下町人間の会会長・山口義夫）
歴史教育者協議会委員長として果された先生のお仕事　（歴史教育者協議会委員長・佐藤伸雄）
『画報近代百年史』の編集にかかわられていた頃の松島さんの思い出　（日本近代史研究会・東京学芸大学講師・川村善二郎）
先生が残された足跡に学ぶ　（日本共産党名誉役員•元衆議院議員・金子満広）
復員後、先生のお世話で東大史料編纂所へ　（一橋大学名誉教授・永原慶二）
広さと誠実さの学問－松島榮一さんを悼む　（劇作家・津上忠）
とてもやさしく何でも教えてくれた“大きいおにいちゃん”　（親族・松島貞）
　
第五章　偲ぶ言葉（二〇〇三年三月十六日偲ぶ会にて）
先生の論文集『歴史教育の歴史と社会科』の発刊　（歴史教育者協議会委員長・佐藤伸雄）
「日本近現代史を見直そう」という先生の最後の言葉　（下町人間の会会長・山口義夫）
一貫して貫かれた先生の国民思想の研究と成果　（一橘大学名誉教授・永原慶二）
いつも歴史劇の相談相手になってくれた先生を偲ぶ　（劇作家・津上忠）
「困難は人をきたえる」と私を励ましてくれた先生　（日本共産党名誉役員・元衆議院議員・金子満広）
浅草で先生と初めてのストリップ観劇　（皇族・三笠宮柴仁）
先生に学長になっていただきたかった私の夢　（大東文化大学学長・須藤敏昭）
「歴研」再建の力となられた先生のお人柄　（茨城大学名誉教授・駿河台大学名誉教授・荒井信一）
先生にかわいがられたうちの家内の思い出　（弁護士・鍛治利秀）
「歴史が人間を規定し、人間が歴史を形成する」という先生の言葉　（元富山国際大学教授・元国民教育研究所所長・伊ヶ崎暁生）
私の親父”小生夢坊＂から聞いていた先生の名声　（天狗講代表・小生富夫）
先生の民間教育運動への深い理解と適切な助言　（日本民間教育研究団体連絡会世話人代表・中原正木）
印象深い先生のお人柄とお話　（中央医療生協理事長・沖山明彦）
沖縄に心を寄せられた先生を偲んで　（沖繩歴教協・琉球大学名誉教授・田港朝昭）
灘中初代校長の本を編集された先生の才能　（灘中友人・濱田雄三）
学問研究や表現の自由の侵害と闘った先生のきびしい姿勢　（部落問題研究所理事長・成澤榮壽）
先生の「人民不敗の原則」に励まされ教壇復帰を果す　（元高校教師・福富文哉）
先生への追悼の思いをこめて”いい日旅立ち”　（トランペット奏者・松平晃）
戦時下の早大文学部の牧歌的雰囲気　（宇都宮大学名誉教授・田中正造を現代に活かす会代表委員・梅田欽治）
病床で私を待ってくれていた兄　（親族・松島貞）
　
終章　おもな著作・編著・年譜
あとがき　（下町人間総合研究所・高井統嗣）