激動十五年
第一章 日中戦争と国家総動員体制の推進
第一節 日中開戦と銃後国民
一 郷土部隊第六師団第四七連隊の出兵
盧溝橋事件 召集令状と兵役法 郷土部隊出動
二 軍部独裁と戦争への道
戦争への不安 二・二六事件と軍部独裁 暴支打倒市民大会 非常時下の言論統制
三 兵士を送った町や村
出征家族の生活苦 遺族の思い 軍事扶助と銃後後援会 増え始めた小作地返還 出征軍人慰問控 商店街の貸家札
第二節 国民精神総動員運動から翼賛運動へ
一 国家主義と倫理観
戦火は消えず 国民精神総動員週間 難解だった精神の総動員 形成された倫理観 建国神話と国体明徴 天皇機関説排撃大会 ついえ去った人民戦線 現人神と宗教界
二 皇国思想と祝祭典
非常時下の村の記録 広瀬神社と七生報国 斉唱された一億一心 実働部隊隣組 盟邦ドイツと欧州大戦 生活粛清興亜奉公日 東亜新秩序の建設 紀元は二千六百年 宇佐神宮遷座祭 国民精神総動員運動の総決算
三 大政翼賛会と全体主義
みんなが乗った新体制 翼賛会祝賀と宣誓文 県民を縛った翼賛運動 国策支える翼賛組織
第三節 国家総動員体制と戦時生活
一 経済統制の進展と生活必需品
国家総動員法 軍需と民需 鉄統制と金物商 金属類の初回収運動 ガソリン不足とバス路線 運転手泣かせの木炭バス 木炭配給統制規則 統制される衣食住 綿製品とスフ製品 姿を消した洋タオル 切符制十品目 公定価格と経済警察 戦時生活新体制 パーマネントとモンペ 愛国婦人会と国防婦人会 勤勉険素の美風 不振になった商工業 戦時生活相談所
二 供出制度と食糧報国
節米運動と日の丸弁当 米国配給統制法 資材不足の農業報国 食糧管理法と供出制度 農家を苦しめた低米価
三 軍事費の膨張と国民貯蓄
国民一丸百億貯蓄 給与に重い貯蓄率
四 国民徴用と学徒勤労動員
国民徴用令 県下の無産・労働運動 動員令下の労働時間 登録された職業能力 勤労体験と勤労動員 有事の学校報国隊
第二章 太平洋戦争と県民生活の破たん
第一節 真珠湾からミッドウエーまで
一 対米英開戦と二豊の世論
第二次世界大戦への道 大詔奉戴と知事告諭 悲観と楽観 県民に根づいた国体観念 大国主義と優越感 抗議のあかし反戦落書 貫き通した神の意思
二 緒戦の勝利と大東亜共栄圏
勝どきあがる太平洋 必勝誓う隣保班 戦争の大義大東亜共栄圏 運命分けたミッドウエー
第二節 戦局の転換と戦時県民生活
一 戦力増強と民需の切り捨て
家庭用金属製品初回収 持てる国と持たざる国 激戦ガダルカナルと米軍の反攻 戦力増強企業整備 商工会議所から商工経済会へ 邪魔ものになった商業者 督促された企業合同 市民生活世論調査 贅沢追放時代 全県各地に軍需工場 まだある金属出せ今だ ダイヤモンドも総回収 無用になった鯛生金山 巨木も消えた木材報国 児童も担った坑木搬出
二 食糧増産と農山漁村
疲弊する農村 減少止まらぬ耕地面積 配給減の農用作業衣 賃労働と小作農業 八割女性の農業要員 農業統制と農業会 引き上げられた供出目標 ガソリン不足と甘藷栽培 甘藷が飛ばす特攻機 食糧農作物と作付制限 大分県と護国イモ 保戸島・臼杵の遠洋漁業 出漁できない沿岸漁業
第三章 本土決戦と終戦への道
第一節 欠乏・耐乏・決戦生活
一 資源の枯渇と家庭鉱脈
神風特別攻撃隊 アルミ回収と航空戦力 徴用された関西汽船 掘り尽くされた家庭鉱脈
二 食糧難と欠乏生活
耐乏生活と国民貯蓄 代用食と配給米 二合一勺の生命線 実践「決戦食生活」 垣と植木と薪不足 野草もイナゴも食卓に 落ちた道義
第二節 戦地も銃後も根こそぎ動員
一 徴用動員と女子挺身隊
県下十一万の総動員 女子挺身勤労令 女子防空監視隊 月月火水木金金
二 学徒通年動員と学校教育
学徒戦時動員体制 学徒勤労令と通年動員 動員生活ある回想 女子に課された県外動員 散った命 国民学校児童も総動員 送辞と出陣歌と 仮卒業して学徒出陣 募集急いだ飛行予科練生
三 長期戦と結婚報国
五万五千人の戦没者 激戦昭和二十年 出征五人=七六家庭 戦時と人口 産めよ殖やせよ 死別も覚悟の結婚報国
第三節 米軍機空襲と大分県
一 米軍進行と大分県の軍事基地
佐伯海軍航空隊 人間魚雷「回天」基地 豊予要塞と鶴見崎 特攻基地宇佐・大分航空隊 使われなかった秘密基地 航空廠や造兵廠
二 沖縄戦と大分空襲
サイパン島から沖縄へ 五万機により無差別爆撃 ねらわれた航空基地 戦争前から防空演習 防空法と警防団 防空防火実践日 引き倒された家屋疎開 少なかった学童疎開 七千人の沖縄疎開者 焦土と化した大分県 被災者救済と復興作業 保戸島国民学校空襲記録 県下空襲の総被害
第四節 戦争の終わりに
一 最後のとりで国民義勇戦闘隊
激戦支えた壮・少年 一億動員国民勤労令 捨身護国の義勇戦闘隊
二 終戦の詔と最後の特攻
戦争終結の詔 堪エ難キヲ堪エ 自刃・特攻・一発の銃声