荷風さんと「昭和」を歩く
序章 一筋縄ではいかぬ人
小さすぎた棺
同行二人
日記と日記の間
第一章 この憐れむべき狂愚の世――昭和三年~七年――
乱世にありて
陰謀の機密費
刺客ヲ論ズル
霞ヶ関の義挙
肥満豚の如く
一人一殺
一番槍の功名
第二章 女は慎むべし慎むべし
プラトニック・ラブ
姪の光代
円本ブーム
本間雅晴の妻
第三章「非常時」の声のみ高く――昭和八年~十年――
非常時日本
発売頒布の禁止処分
三縁山の鐘の音
東郷元帥の孫娘
殺したるは中佐某
第四章 ああ、なつかしい濹東の町
玉の井初見参の記
なぜ玉の井へ
どぶっ蚊の声
南風烈しく蒸暑し
銘酒屋のお茶
数字的な考察
第五章 大日本帝国となった年――昭和十一年――
二月二十六日
「兵ニ告グ」のおかしさ
寺内寿一元帥
ラジオは叫ぶ
国名は大日本帝国
第六章 浅草――群衆のなかの哀愁
浅草の哀愁
観音さまのお神籤
ひょうたん池
羽子板市
浄閑寺の筆塚
第七章 軍歌と万歳と旗の波と――昭和十二年~十四年――
盧溝橋事件のあとで
千人針のこと
隅田川に捨てる
フランス万歳
第八章 文学的な話題のなかから
堀口大學先輩
一葉の写真から
終日電話の鈴鳴響く
夏目漱石
鷗外記念館にて
第九章 「八紘一宇」の名のもとに――昭和十五年~十六年――
臣道実践の正体
ナチス・ドイツ嫌い
薩長嫌い
南進だ南進だ
カントクエン
後世史家の資料
第十章 月すみだ川の秋暮れて
向島の雪見
墨堤の桜
乗合船
露伴「春の墨堤」
吾妻橋・再説
亀田鵬斎のこと
つばたれ下る古帽子
第十一章 ”すべて狂気”の中の正気――昭和十六年~二十年――
十二月八日のこと
戦時下において
吾が事に非ず
繊月凄然
終章 どこまでもつづく「正午浅草」
観音堂の鬼瓦
《陰。正午浅草》
あとがき
主な参考文献