敗者としての東京
- サブタイトル
- 巨大都市の隠れた地層を読む 筑摩選書;0248
- 編著者名
- 吉見 俊哉 著
- 出版者
- 筑摩書房
- 出版年月
- 2023年(令和5年)2月
- 大きさ(縦×横)cm
- 19×
- ページ
- 341p
- ISBN
- 9784480017680
- NDC(分類)
- 213.6
- 請求記号
- 213.6/Y91
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 筑摩書房PR誌『ちくま』での連載(2021年6月-2022年7月)を単行本化にあたり加筆したもの
- 昭和館デジタルアーカイブ
序章 東京都は何か-勝者と敗者のあいだ
パンデミックのなかの東京離れ?/「勝者」としての東京/東京集中の臨界はどこにあるのか/少なくとも三度占領された都市・東京/歴史の遠近法を導入する
第Ⅰ部 多島海としての江戸-遠景
第1章 クレオール的在地秩序
縄文の多島海と渡来人文明/関東平野を遡上する渡来人たち/クレオール化する渡来人たち/秩父平氏が支配した利根川流域/武家政権により周縁化される在地勢力
第2章 死者の江戸、そして荘厳化する外縁
巨大都市・江戸のインフラ基盤/「戦乱の時代」の終わりと死の管理/江戸における寺院のトポグラフィー/上野・浅草の寺町化と東叡山寛永寺の荘厳化/海人たちの時代の終わり
第Ⅱ部 薩長の占領と敗者たち-中景
第3章 彰義隊の怨念とメモリー・ランドスケープ
三度の占領で反復されたパターン/戊辰戦争における「賊軍」の近代/彰義隊士たちの死骸と記憶/メモリー・ランドスケープの変容/戦場から博覧会場へ-上野の近代
第4章 博徒と流民-周縁で蠢く敗者たち
博徒次郎長と咸臨丸兵士の遺体/天田愚庵による「清水次郎長」の創造/天変地異の中で増殖する無宿人/体制の緩みと博徒の水平ネットワーク/幕末江戸における博徒と遊女
第5章 占領軍と貧民窟の不穏-流民の近代をめぐる眼差し
1 東京と都市下層
2 貧民を語る眼差し
第6章 女工たちは語ることができるか
1 周縁化される紡績女工
2 闘争と争議、そして馴致
3 女工たちは語る
第Ⅲ部 最後の占領とファミリーヒストリー-近景
第7章 ニューヨーク、ソウル・東京・銀座-母の軌跡
三度目の占領と歴史の遠近法/母、ニューヨークで生まれる/祖父母の離婚とソウルでの女学校時代/ソウル出奔と日本本土への引き揚げ/焼け野原の東京と木挽町の「旅館」/ふたつの文化の狭間で
第8章 学生ヤクザと戦後闇市-安藤昇と戦後東京
1 東大久保の不良児
2 愚連隊たちの東京-ヤクザというエートス
第9章 「造花」の女学校と水中花の謎-山田興松とアメリカ進出
曾祖父・山田興松とは誰か?/女子教育と手芸としての「造花」/山田興松の日本美術女学校/対米進出と「造花」という輸出産業
第10章 原風景の向こう側-『都市のドラマトゥルギー』再考
再び、都市のドラマトゥルギーへ/渋谷裏街としての神泉・円山町/新宿裏街としての東大久保/モザイク都市としての新宿
終章 敗者としての東京とは何か-ポストコロニアル的思考
1 敗者への意志-山口昌男と鶴見俊輔
2 敗者としての戦後-加藤典洋・中村秀之・長谷正人
3 近代と敗者の思考-シヴェルブシュとワシュテル
4 東京における敗者の想像力とは何か
註
あとがき
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