図書目録ノコサレタ モノ タチ ノ センゴ ニホン ヒョウゲンシ資料番号:000069505

残されたものたちの戦後日本表現史

サブタイトル
編著者名
山本 昭宏 著
出版者
青土社
出版年月
2023年(令和5年)2月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
289p
ISBN
9784791775385
NDC(分類)
726
請求記号
726/Y31
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

はじめに 「残されたもの」としての世界
第1章 <異形>は語る-水木しげると「傷痍復員兵」
傷痍復員兵による廃墟ビル占拠 戦後社会と「傷痍軍人」 占拠事件の顛末 水木しげるの来歴 トーライ族との出会い 貧しい美大生から水木荘の管理人へ 紙芝居と貸本漫画 「異形なる者の帰還」という主題 貸本戦記漫画でのこだわり
「ルンペン」と鬼太郎の都市経験 幽霊・商品・安部公房 悪魔くんの「呪詛」と「革命」 社会変革の夢と現実 国家を「占拠」する子どもたち 石川三四郎との接点 夢想と現実
 
第2章 植民地主義と「亡霊」-加藤泰・大島渚・高倉健
「敗戦国の亡霊」 知ってはいるが受け止められない 映画『男の顔は履歴書』 復員兵と朝鮮人の「皇軍兵士」 民族性と敵対性 一九四八年八月という時間 関係の非対称性 亡霊的記憶への「外科手術」 高倉健と映画『ホタル』 異質な特攻隊映画
「イデオロギー過剰」との批判と九〇年代の保守論壇
 
第3章 回帰する被爆の記憶-中沢啓治の「怒り」のゆくえ
幽霊たちの場所 中沢の来歴と「ゲン」以前 母親の死と激しい怒り 「黒い」シリーズの定型 編集者・長野規の「戦争調査」 「平和」への違和と女性の怒り 「ゲン」の体験と中沢の体験 被爆直後の「見捨て体験」 顔の反復 身代わりの赤ん坊
『はだしのゲン』の現代的意義 歴史と疑似的なトラウマ
 
第4章 方法としての<ゆがみ>-別役実と大林宣彦
「ヒロシマ」へのふたつのアプローチ ケロイドを見せたがる男 社会化を拒む個性 モデルとしての吉川清 戦後思想批判-磯田光一と吉本隆明 「マクシミリアン」博士の微笑」 ケロイドの美しさとは何か? 別役実の「不条理空間」 大林宣彦の「反戦平和」
「記憶空間」と「シネマゲルニカ」 歴史と記憶の館 岡本喜八との接点 ふたつの空間と「居心地の悪さ」
 
第5章 残された者と共同体-高畑勲の「啓蒙的理性」
『太陽の王子 ホルスの大冒険』と共同体の理想 「民主的な英雄像」と脱色された「日本」 民衆史の同時性 転機としての『母をたずねて三千里』 『火垂るの墓』における演出と問題意識の乖離 死者のまなざしと「日本人」 <民族>と<抗日>
思い出のなかの共同体
 
第6章 経験を持たないものたちの戦争-こうの史代と共感のテクノロジー
現代における被爆の記憶 漫画『夕凪の街 桜の国』の「さりげなさ」 「共感」のテクノロジー 「さりげなさ」の要因 青年誌といメディア、表現の自主規制 映画『夕凪の街 桜の国』の「リアリティ」 「原爆映画」の系譜から 被爆地蔵の「リアリティ」
メディアの移行にみる継承と断絶 「桜の国」のラストシーンの比較から タイムスリップ演出と「昭和ノスタルジー」ブーム 戦争の語りを紡ぐ
 
おわりに 過去の作品を読むことの意味

あとがき
引用図版一覧

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