戦後日本の食料・農業・農村 第2巻2
はしがき
第6章 農地改革
第1節 はじめに
第2節 第1次農地改革
1 戦後食糧危機と農地改革の立案
2 第1次農地改革法の制定とその内容
第3節 第2次農地改革
1 GHQの第1次農地改革法否認とその後の経緯
2 第2次農地改革法の内容
3 農地改革の実績
第4節 占領政策としての農地改革
1 占領政策の枠組み
2 アメリカにおける対日農業政策の立案過程
3 対日農業・農地改革構想
第5節 農地改革をめぐる「連続」と「断絶」――ムラ規範との関連で――
1 農地改革とムラ規範――「連続性」――
2 農地改革の「断絶性」
3 農地改革の理念
第6節 農地改革の効果
1 経済的効果
2 生産力的効果
3 政治的効果
第7節 農地改革後の農地法制――農地所有への公共的規制の解除――
第7章 農業団体の再編と農業協同組合の発足
第1節 はじめに
第2節 農業会の民主化と農協法の制定
1 敗戦と農業会の民主化
2 農協法の立案と制定
第3節 農協組織の発足と初期の事業
1 農業会の解散と農協の組織化
2 戦後経済期における農協経営と農協事業
3 総合農業と専門農業
第4節 戦後復興と農協の組織・事業再編
1 経営不振と再建整備・整備促進
2 団体再編問題と中央会の設立
3 組合員の組織化と農協の農政・広報活動
◆別編◆
Ⅰ 戦後林業史
序章 戦後林業史概説
第1節 「戦後林業史」編纂の意義
第2節 本章のねらい
第3節 時期区分
第4節 戦後復興期:~1954年
第5節 高度成長期:1955~1973年
第6節 中位成長期:1974~1991年
第7節 低成長期:1992~2010年
第1章 森林資源政策と公共性
第1節 森林法の展開と公益性
1 はじめに
2 「近代森林法」の成立と「公益」概念の強化
3 既発展国における近代森林法の展開と公益
4 日本における近代森林法の展開と公益
第2節 営林の監督と森林計画制度
1 前史
2 第3次森林法の成立と展開(1945~1967年)
3 林業基本法下の旋回(1968~1982年)
4 地域と環境の時代の煩悶(1983年~)
第3節 保安林制度
1 前史
2 敗戦から低成長期まで(1945~1984年)
3 バブル期の規制緩和と地方分権改革への対応(1985年~)
4 まとめにかえて
第4節 森林資源の助長
1 前史
2 占領政策下の胎動(1945~1951年)
3 戦後経済発展と政策形成(1952~1961年)
4 混迷への予兆(1962~1972年)
5 「森林整備」という隘路(1973年~)
第2章 基本法林政と日本林業の変遷
第1節 林業の国民経済への貢献
1 基本法とそのねらい
2 戦後日本経済への林業部門の寄与
第2節 林産物需要の構造変化
1 高度経済成長期:1955~1973年
2 低経済成長期:1974~1985年
3 円後進期:1986~1995年
4 経済不況期:1996~2001年
5 いざなみ景気期以降:2002年~
第3節 木材価格の関係
1 国産材価格
2 輸入材価格
第4節 森林資源の造成と偏り
1 資源の変遷と拡大造林
2 人工林資源の地域性
第5節 素材生産と木材産業の展開
1 素材生産
2 木材産業
第6節 林産物貿易の構造変化
1 高度経済成長期~低経済成長期
2 円高進行期~いざなみ景気期
第7節 むすび
第3章 国有林の展開過程
第1節 はじめに
第2節 戦後の体制確立期
1 林政統一と国有林管理制度の確立
2 地元対策
第3節 木材増産期
1 風倒処理と生産力増強計画・木材増産計画の策定
2 木材生産の本格的展開
3 林政協力事業の開始
第4節 転換期
1 木材増産への避難と自然保護運動の展開
2 経営悪化の始まりと「新たな森林施業」
第5節 国有林野事業改善特別措置法の下での管理経営
1 経営改善への取り組み
2 原生林伐採問題と保護林制度の改革
3 森林の総合的利用――地元との関係の変容――
第6節 「抜本的改革」と開かれた国有林に向けて
1 国有林野事業の抜本的改革
2 抜本的改革のもとでの「開かれた」国有林にむけた新たな動き
3 国有林野事業の一般会計化
第7節 おわりに
第4章 山村の変容と林業労働力の変遷
第1節 戦後の家族経営的林業の展開と挫折
1 日本経済の助走期と山村
2 家庭経営的林家の展開と挫折
3 林政における林業の担い手像の変容
第2節 基本法林政と森林組合協業
1 高度経済成長と基本法林政
2 基本法林政における林業の担い手=森林組合協業
第3節 低成長期の林政
1 地域林業政策
2 地域林業政策における林業の担い手
第4節 バブル経済期前後の山村の変容と林業労働
1 バブル経済と山村
2 林業労働への梃子入れ
第5節 2000年代の林業労働対策――緑の雇用――
第6節 おわりに
第5章 地域森林管理と自治体・経営組織
第1節 森林管理問題と林業経営体
1 持続的森林管理と制度・政策
2 山林保有者の性格変化と受託経営
第2節 自治体における森林政策と費用負担
1 林業財政の特徴
2 財政支出の推移
3 自治体施策の展開と施策の費用負担
第3節 地域森林管理の分節化と管理主体
1 森林資源の構成と管理手法
2 中小規模私有林と利用間伐の推進
3 大規模社有林管理の転換
4 山梨県有林・東京都水道水源林の管理
Ⅱ 戦後漁業史
はじめに――出発点としての戦後漁業史――
第1章 戦後漁業政策の展開と軌跡
第1節 再建期――敗戦から講和条約締結まで――
1 「マッカーサー・ライン(マ・ライン)」
2 食料政策重視の中で達成された「漁業復興」
3 統制経済と食料インフレ下の漁業復興の特徴
4 「ドッジ・ライン」の影響と「漁業危機」対応
5 漁業制度改革
第2節 転換期――漁業転換政策と基本対策の提起――
1 沖合・遠洋漁業の再建の諸条件と沿岸漁業の停滞
2 「漁業転換政策」による遠洋化・大型化政策の先取り
3 基本問題と基本対策――構造政策の提起――
第3節 漁業における高度成長――1960年頃から1970年代まで――
1 漁業構造の変化と「スクラップ・アンド・ビルド政策」
2 中小漁業の経営合理化・近代化方策
3 漁業法、および水協法の改正
4 沿岸漁業等振興法の制定と構造改善事業の展開
5 沿岸域の環境悪化と公害被害対策
第4節 漁業大国の終焉と海洋新秩序形成期――1970年代後半から1990年代まで――
1 石油ショックと「海洋分割」=資源ナショナリズムへの対応
2 応急的な「漁業経営安定對策」の展開
3 既得権維持の漁業外交の展開――政策転換の体制的遅れ――
第5節 水産物市場・流通条件の施策をめぐる変遷と特質
1 国内購買力低迷期の動向と諸対策
2 消費の高度化時代の水産物市場形成の特徴
3 新たな市場動向から見た基本政策の方向
第2章 漁業生産力の展開
はじめに
第1節 戦後生産力の通観――その転換・拡大・縮小の概要――
1 1990年代・縮小再編期までの素描
2 「低成長期」への移行から1990年代までの動き
3 国際管理下におかれた遠洋漁業の態様
第2節 漁船漁業の技術展開と生産力再編
1 技術展開とその潮流
2 漁業大手と中小上層経営の動向
3 中小漁業における生産力再編
4 養殖生産の諸問題への対応
第3節 養殖業
1 生産力再編の概観
2 主要業種の産地対応の概要
3 養殖経営の大規模化の様相
4 養殖生産の諸問題への対応
第3章 漁業金融の展開と漁協系統金融の軌跡
第1節 課題
第2節 戦後復興期の漁業金融の状況
1 財政・一般金融の状況
2 創立期の系統金融の状況
第3節 高度成長期の漁業金融における特徴
1 漁場外延化施策と資金調達方法の諸形態
2 系統金融の躍進と資金循環の様態
第4節 低成長期から今日までの漁業金融
1 過剰投資問題と漁業金融の動向
2 今日に至る漁業金融の特徴
第4章 漁業就業および漁業労働力構造
第1節 漁業就業者の戦後動向の俯瞰
第2節 1970年代までの漁業就業者の動向
1 「水産業基本調査」および「第1次漁業センサス」の時期
2 「第2次漁業センサス」
3 「第3次漁業センサス」と就業構造の変化
第3節 1970年代以降の漁業技術変化と漁業就業者
1 漁業技術の変化と漁業労働過程
2 漁業就業者の動向――「200カイリ問題」による変容ー
第4節 漁船乗組員の動向
1 「200カイリ減船」と漁船員の動向
2 漁船員の需給の錯綜と船員の置かれた状況
第5節 外国人労働力の導入とその問題
1 日本漁船での外国人船員の「混乗」制度形成の経緯
2 外国人混乗の労使合意
3 外国人漁業研修制度
4 外国人労働力導入をめぐる問題点
第5章 漁村社会と漁家生活の変容と展望
第1節 視角と課題
第2節 戦後復興過程の漁村と漁家
1 過剰人口下の漁村
2 疲弊する漁村と制度による変化
3 漁村の生活
第3節 高度経済成長期の漁村と漁家
1 漁村の構造変化と漁家世帯員の流出
2 高度経済成長期の漁業生産の条件変化
3 漁業所得の上昇と漁家家計
4 地域開発と漁業者
第4節 低成長・国際化時代の漁村と漁家
1 漁家世帯の変化
2 漁協の機能変化と漁村の変化
3 漁村の機能と役割の変化
4 地域漁業の管理と漁村
第5節 21世紀以降の漁村社会と今後の展望
参考資料