知られざる佐藤春夫の軌跡
はじめに
第一章 闘志みなぎる怠け者
記スベキヿ(コト)ナシ―佐藤春夫日記(一九〇四年)
志士を以て自任―「同時代私議」草稿(一九一二年)
春夫の結婚問題―佐藤夏樹・秋雄日記(一九一二~一四年)
第二章 一作で世を動かす
行きづまりから、文壇の寵児に―「田園の憂鬱」の誕生(一九一八年)
ライバルに励まされて―佐藤春夫宛 芥川龍之介書簡(一九一七年)
私の好きな男―島田訥郎挿絵稿
第三章 自分を見つめる旅
スランプ到来―「私の日常生活」草稿断片(一九一九年末)
熱帯の土地を行く―台湾・福建旅行関連資料
得難いアドバイザー―森丑之助『台湾蕃族図譜(織物ノ部)』図案集
第四章 恋する詩人の真剣勝負
絶交しても、僕の心の中にある君を思ふ―佐藤春夫宛 谷崎潤一郎書簡(一九二一年)
さんま苦いか塩つぱいか―詩稿ほか
第五章 苦悩と模索
そのネクタイは三十何本目だい?―「剪られた花」草稿(一九二一~二二年)
ブックデザイナー・春夫―『剪られた花』装丁案
失恋だけが本当の恋だ―「紫陽花」「薔薇と真珠」稿(一九二一~二二年)
第六章 惜別、よきライバルへ
目下海辺の憂ウツ中―佐藤春夫宛 芥川龍之介書簡(一九二六年)
芥川龍之介がよき霊に捧ぐ―『車塵集』草稿綴(一九二八年)
第七章 結実のとき
世の中は常なきものを―「細君譲渡事件」の蔭で(一九三〇年)
小説は噂話の終つたところから始まる―『維納の殺人容疑者』装丁資料(一九三三年)
第八章 戦雲せまる
活動の多様化から「非常時」の表現へ―翻訳・随筆・戦争詩の時代
おれもさう思ふ―谷中安規装画『FOU』(一九三六年)
先生、私を厳正叱咜、いまはいけませぬ―佐藤春夫宛 太宰治書簡(一九三五~三六年)
第九章 疎開先からの再起
秋風や時に古城にのぼる人―佐久スケッチノート(一九四五~四六年)
ありがたさなみだながれて―『佐久の草笛』自筆稿(一九四六年)
第十章 春の日の主
「門弟三千人」伝説―佐藤春夫宛 檀一雄書簡(一九四六年)
「小説」への挑戦―少々は事実を曲げても真実を書きたい
「私は幸いに・・・」―書かれなかった手帖(一九六四年)
新資料 翻刻篇
【新資料1】 佐藤春夫談話 速記稿(全集未収録)
【新資料2】 佐藤春夫書簡 佐藤豊太郎宛(第一章参照)
【新資料3】 芥川龍之介書簡 佐藤春夫宛(第二章参照)
【新資料4】 谷崎潤一郎書簡 佐藤春夫宛(第四章参照)
【新資料5】 芥川龍之介書簡 佐藤春夫宛(第六章参照)
【新資料6】 芥川龍之介葉書 佐藤春夫宛(第六章参照)
【新資料7】 芥川龍之介書簡 佐藤春夫宛(第六章参照)
【新資料8】 室生犀星書簡 佐藤春夫宛(第六章参照)
【新資料9】 太宰治書簡 佐藤春夫宛(第八章参照)
【新資料10】 檀一雄書簡 佐藤春夫宛(第十章参照)
佐藤春夫略年譜 新宮市立佐藤春夫記念館作成