「戦記もの」を読む
まえがき
1 「戦記もの」の読み方
史料としての「戦記もの」
「戦記もの」と人間性研究
「戦記もの」と戦後社会
ミリタリー・カルチャー
「戦記もの」の定義
「戦争文学」と「戦記もの」
「戦記もの」文献目録
「戦記もの」の分類
「戦記もの」の時期的区分
2 昭和二〇年代
雑誌『丸』
占領下の「戦記もの」
暴露と告発
『きけわだつみのこえ』
「戦記もの」解禁
サクセス・ストーリー
「戦犯もの」と「シベリアもの」
「戦記もの」の二つの流れ
3 昭和三〇年代
ジャンルの拡大
マス・カルチャーの登場
雑誌ブームと「戦記もの」
読者としての「遺族」
「戦記もの」のタブー
「生き残った人たち」
4 昭和四〇年代
ヒロシマ・ナガサキ
『海軍主計大慰小泉信吉』と『山本五十六』
ノンフィクション
「事実」への関心
「凄み」の変化
「戦記もの」リバイバル
戦争と青春
防衛庁『戦史叢書』
沖縄戦の記録
空襲の記録
敗戦処理の記録
生き残ったことに対する罪責官
「陸軍もの」と「海軍もの」
『レイテ戦記』
5 昭和五〇年代
「戦記もの」の新しい展開
「戦記もの」と「現在」
「戦記もの」の増加
タブーの弱化
告発と告白
「戦記もの」と「現在」共有体験
部隊史遺族会史
遺骨収集と慰霊団の記録
市民の戦争体験記録
イラスト入り戦記
女性ノンフィクション作家の進出
ノンフィクションの大流行経営書としての「戦記もの」
6 昭和六〇年代その後
「戦記もの」の行方
7 「戦記もの」の意味
第一次世界大戦研究
慰霊と顕彰
「戦記もの」と「戦友会」
「戦友会」とは
戦友会への「偏見」
結合への絆
自己確認の場
戦友会の非政治性
戦後社会への暗黙の批判
戦争体験者のジレンマ
今後の研究課題
註
資料
あとがき