戦後昭和行刑史
序論
歴史を学ぶ意味
日本行刑の現状
日本行刑の問題
歴史の流れ
前史としての戦前昭和期行刑の概略
昭和期行刑の各時代区分
第一編 昭和二〇年代行刑(昭和二〇年から二九年まで)-戦後の混乱と「戦後行刑」の出発の時代-
「昭和二〇年代行刑」序説
過剰収容時代の到来
被収容者の激増
被収容者の大量死
保安事故の激発
逃走事故
暴動・騒擾事故
施設侵害・攻撃事故
私的制裁
新時代の幕開け
戦後行刑の出発点
戦時行刑の清算
「戦後行刑」の出発
教誨制度の変革
刑務作業の変遷
処遇の科学化の推進
教育的処遇の拡充
関連法制の改正と行刑
矯正組織の成立
新少年保護法制の成立と少年行刑
その他の関連法制の改正
監獄法改正作業の経緯
第二編 昭和三〇年代行刑 (昭和三〇年から四一年まで)-社会変動と被収容者の法的地位確認の時代
「昭和三〇年代行刑」序説
昭和史における昭和三〇年の意義
行刑史における昭和三〇年
「作業」と「保安」の時代
被収容者人権の確認
実力強制の適正化
私的制裁禁止から実力強制 (戒具)の適正化へ
戒具使用に関する刑事事件
行刑関係訴訟と新しいタイプの処遇困難者たち
行刑史上初の行政訴訟
新しいタイプの処遇困難者たちの出現
死刑囚T・Sの法律闘争
不服申立による行刑法律関係化の進行
行刑法律関係化の思想
行刑実務における法律関係化の進行
激化する被収容者の不服申立攻勢
社会変動と行刑運営
刑務作業の変貌
職業訓練の充実
矯正処遇の進展
保安にみる新しい変化
収容状況の量的変化
被収容者の質的変化
保安の混迷とその打開策
職員士気の後退と執行力の低下
保安管理体制の再構築
暴力団関係被収容者処遇の破綻
暴力団関係被収容者の累増と処遇の困難化
暴力団関係被収容者による不祥事件
終章 事件以後
付録 昭和行刑小史-日本行刑運営における人道化、社会化、科学化の系譜