アジア太平洋戦争と収容所
はじめに: 閉塞感が漂う時代に対峙して
凡例
*地図「重慶政権下の収容所分布図(1940年代前半)」
*本書読み取り表「各収容所に関する本書の論述箇所」
序論 対象と視角/意義と方法/基礎資料
コラム1 WPA(YMCA国際戦俘福利会)
コラム2 ICRC(赤十字国際委員会)
第Ⅰ部 戦時中国における日本人捕虜
第1章 日中戦争前期における日本人捕虜収容所の概況(1937-1941)
1 軍政部の収容所と試行錯誤の捕虜教育
2 「在華日本人民反戦革命同盟」の成立から解散へ
第2章 アジア太平洋戦争勃発による日本人捕虜の境遇の変化(1941-1944)
1 第二捕虜収容所(鎮遠)内部の矛盾
2 軍政部捕虜集中営(重慶)をめぐる思惑
第Ⅱ部 国際的な救済活動: YMCA国際戦俘福利会(WPA)と赤十字国際委員会(ICRC)
第3章 中央アジアを超えたヨーロッパ系被収容者の証言(1937-1941)
1 ベンツ、YMCAのWPA事業に参画
2 1930年代末中国西北部で起こった逮捕劇
3 逮捕劇の背景にあったソ連の影響
第4章 ベンツによるWPAの救済事業記録Ⅰ(1943)
1 初めての敵国人収容所訪問
2 次に戦争捕虜収容所へ
3 続いて宣教師たちの布教指定区へ
4 疲労と病で倒れたベンツ
第5章 ベンツによるWPAの救済事業記録Ⅱ(1944)
1 甘粛省の収容施設に集められたドイツ系コミュニティ
2 重慶の軍政部捕虜集中営の改革
3 第二捕虜収容所でも立ち上げられた聖書教室
4 雲南と重慶のドイツ人たちを見て
第6章 センによるICRC救済事業記録(1943-1945)
1 初年度の活動報告書から(1943)
2 2年目の活動報告書から(1944)
3 センによる最後の報告書(1945)
第III部 アジア太平洋戦争後の捕虜たちの処遇
第7章 「終戦」直前の捕虜たちの姿(1945)
1 重慶にいた日本人捕虜の立場の変化
2 日本人捕虜も聞いた「日本降伏」のニュース
第8章 「終戦」直後の状況の変化(1945-1947)
1 追いつめられる日本人捕虜
2 国民党イデオロギーの強化
3 解放されない人びと
4 戦後に続く捕虜政策
コラム3 UCR(米国援華聯合会)
コラム4 FAUチャイナコンボイ(1941-1946)
結論: 本書の成果と課題
1 国際法に準拠する人道的措置の対象とは?
2 収容されなかった人びとの存在
3 「敵僑」=「捕虜」か?
4 「異邦人」としてのベンツ、センの存在
注
あとがき
付表
表1 各省における敵国籍宣教師指定布教地点一覧表(1943年6月)
表2 中国各省の敵国人・敵国籍宣教師たちの状況(ドイツ人、イタリア人)(1943年1月1日)
表3 「敵国人」人名簿1~7
人名簿1 戦時亡命者(甘粛省蘭州、1944年1月)
人名簿2 新疆の外国人(1944年1月)
人名簿3 第一敵国人収容所(四川省北碚、1943年2月)
人名簿4 第三敵国人収容所(広西省陽朔、1943年3月)
人名簿5 集中営1号のイタリア人宣教師(河南省内郷、1943年1月)
人名簿6 集中営2号のドイツ人宣教師(河南省内郷、1944年1月)
人名簿7 集中営のイタリア人宣教師(河南省淅川、1943年1月)
表4 略年表(1937-1947)
索引(人名、地名、事項名)
略語一覧 A-Z
著者紹介