図書ショウワシ コウギ000068919

昭和史講義 戦後篇上

サブタイトル1~10
ちくま新書;1508
編著者名
筒井 清忠 編
出版者
筑摩書房
出版年月
2020年(令和2年)8月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
382p
ISBN
9784480073402
NDC(分類)
210.7
請求記号
210.7/Ts93/1
保管場所
閉架一般
内容注記
さらに詳しく知るための参考文献:各講末
和書
目次

まえがき(筒井清忠)
 
第1講 天皇・マッカーサー会談から象徴天皇まで(福永文夫)
 
 
第2講 戦後改革(福永文夫)
はじめに―戦後改革か、占領改革か/占領改革の三類型―先取り改革/日本国憲法の誕生―民主化最大のモニュメント/民主化改革の加速/改革の終結に向けて―内務省解体/「逆コース」のはじまり―吉田茂の占領政策是正の要求/おわりに―戦後改革の遺産
 
第3講 シベリア抑留(長勢了治)
ヤルタ会談と日ソ戦/抑留者数と死亡者数/「ダモイ(帰国)」の嘘と苛酷な移送/ソ連の収容所管理体制、収容所管理総局(グラーグ)と捕虜抑留者管理総局(グプヴィ)/シベリア三重苦(飢餓、重労働、酷寒)/重労働、奴隷労働/暁に祈る事件/酷寒(マロース)/
思想教育とシベリア「民主運動」/ドイツ人と日本人/国際法と帰国(ダモイ)の遅れ/無実の囚人、長期抑留者
 
第4講 復員と引揚げ―戦争終結後の人の国際移動(浜井和史)
国境線の変更にともなう人の移動/軍人・軍属の復員プロセス/一般邦人の引揚げプロセス/「非日本人」の送還/残留日本兵と残留日本人/復員兵と引揚者の戦後/「死者」の残留と送還
 
第5講 東京裁判―被告東条英機のケースから(高杉洋平)
勝者の裁き/誰が「責任」を被るのか/東条の自殺未遂/国家弁護と天皇免責/米国のジレンマ/東条への工作/東条の「失言」/刑死とその意味
 
第6講 日本国憲法(大石眞)
ポツダム宣言の受諾と降伏文書への署名/占領管理体制と憲法改正問題/舞台の転換―GHQの「憲法制定会議」/マッカーサー草案から憲法改正案の確定へ/憲法制定議会(制憲議会)としての第九〇回帝国議会/
憲法制定史上の問題―「自主性を以てやったと云ふ自己欺瞞」の意味/現行憲法体制の成立―主権の回復と最高法規性の獲得
 
第7講 新憲法と世論の変遷(境家史郎)
日本人の憲法観をめぐる虚実/新憲法はなぜ受け入れられたのか/逆コース期の改憲運動と世論/高度成長期における憲法意識の変化/革新主義者の改憲論、保守主義者の護憲論/保守回帰と消極的護憲意識の高まり
 
第8講 吉田茂内閣―時代で変化する吉田路線とワンマン宰相(村井哲也)
はじめに―吉田路線の歴史評価/戦後政界への登場/移行期としての第一次内閣/政権下野から吉田復権へ/講和条約への権力基盤/ワンマン宰相の盛衰/総辞職後の再評価/おわりに―吉田路線の行方
 
第9講 戦後共産党史―レッドパージから六全協まで(福家崇洋)
コミンフォルム批判とレッドパージ/四全協から五全協へ/日本共産党三〇周年記念/六全協の「統一」
 
第10講 朝鮮戦争と日本(庄司潤一郎)
「アジア」からの離脱/伝統的安全保障環境の変化と国民の安全保障認識の欠如/日本の貢献/犠牲と避難/貢献に対する評価と要因/対照的な日米・日韓関係への影響/見直されるべき朝鮮戦争の意味
 
第11講 再軍備から自衛隊創設まで(佐道明広)
初期占領方針/冷戦と占領方針の変化/朝鮮戦争と警察予備隊/講和と再軍備問題/「スモール・ネービー構想」と米海軍/自衛隊創設へ/五五年体制と自衛隊
 
第12講 サンフランシスコ講和条約・日米安保条約(楠綾子)
「ヴェルサイユの教訓」/冷戦と対日講和/吉田茂の選択/サンフランシスコ講和条約/日米安保条約/「講和と安保」の射程
 
第13講 李承晩ラインと漁業問題(永島広紀)
突如の宣言/マ・ラインと李ライン/平和線と李ライン/二人のプランナー/竹島問題とは?/日韓会談と漁業問題/久保田発言の波紋/刑余者の送還問題と北朝鮮の影/李承晩の退陣と軍事クーデター/妥結する漁業問題、棚上げされる竹島
 
第14講 ラストボロフ事件―日本を舞台とした米ソ情報戦(進藤翔大郎)
事件の概要/アメリカにおける資料公開とラストボロフ事件/ラストボロフとイギリス/ラストボロフを巡るCICとCIAの縄張り争い/CICによるプロジェクト・スティッチ作戦/ラストボロフが用いた日本人エージェントたち―志位正二を例に/
アメリカが用いたダブルエージェント―細川直知を例に/戦前の活動に向けられた疑惑の目―エコノミストを例に
 
第15講 鳩山一郎内閣(武田知己)
鳩山一郎という人物/戦後の復活と悲劇/「鳩山ブーム」の虚実と第一次・第二次鳩山内閣/保守合同の機運/第三次鳩山内閣の成立/激突国会/鳩山内閣が残したもの
 
第16講 砂川闘争・基地問題(川名晋史)
戦後の基地問題/砂川事件/内灘事件/ジラード事件/地上部隊の撤退と小康状態/六八年問題/九大墜落事故/ジョンソン=マケイン計画/国防総省の再編計画/議会の懸念/関東計画
 
第17講 五五年体制の成立と展開(小宮京)
「五五年体制」とは何か/戦後政党の出発と再編/公職追放解除と政党再編/社会党の分裂と中道の終焉/重光首班工作と第五次吉田政権/吉田政権の終焉と鳩山一郎政権の樹立/参議院における五五年体制/五五年体制の展開
 
第18講 自民党抗争史(池田慎太郎)
派閥抗争の始まり/一九六〇年総裁選/「実力者内閣」から「秘書官内閣」へ/一九六四年総裁選/政界を覆う「黒い霧」/「佐藤四選」から「角福戦争」へ
 
第19講 戦後賠償問題(波多野澄雄)
「賠償」の登場/ポーレー賠償計画/マッコイ声明の波紋/対日講和と賠償問題/「二つの中国」と賠償問題/日韓「賠償」問題/「経済協力」の功罪
 
第20講 日ソ共同宣言(武田知己)
敗戦・講和・冷戦と日ソ関係/平和攻勢への転換/対日接近の開始/吉田から鳩山へ/ドムニツキー書簡をめぐって/交渉の四段階と三つの対立/幻の合意/休会中のかけ引き/漁業交渉という転機/豹変と恫喝/第二次モスクワ交渉と日ソ共同宣言の調印/おわりに
 
編・執筆者紹介