図書ショウワシ コウギ000068918

昭和史講義 3

サブタイトル1~10
ちくま新書;1266 リーダーを通して見る戦争への道
編著者名
筒井 清忠 編
出版者
筑摩書房
出版年月
2017年(平成29年)7月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
302p
ISBN
9784480069771
NDC(分類)
210.7
請求記号
210.7/Ts93/3
保管場所
閉架一般
内容注記
さらに詳しく知るための参考文献:各講末
和書
目次

まえがき(筒井清忠)
 
第1講 加藤高明―二大政党政治の扉(奈良岡聰智)
二大政党政治形成の立役者/普通選挙の実現/ウェストミンスター型の統治機構改革/国際協調外交
 
第2講 若槻礼次郎―世論を説得しようとした政治家の悲劇(今津敏晃)
立身伝の出発点/頭脳で頭角を現す―大蔵官僚へ/桂太郎との出会いと政党入り/首相として/金融恐慌/ロンドン海軍軍縮会議/再度の組閣/満州事変と内閣総辞職/重臣として
 
第3講 田中義一―政党内閣期の軍人宰相(小山俊樹)
「おらが宰相」の生い立ち/ロシア通軍人として/「軍略」の独立をめざす/原敬への接近と転換―政友会総裁へ/田中義一内閣の構想―内政と外交/田中内閣の動揺―リーダーシップの喪失/天皇・宮中との対立―張作霖爆殺事件の真相公表をめぐって
 
第4講 幣原喜重郎―戦前期日本の国際協調外交の象徴(西田敏宏)
幣原外交とは何だったのか/外交官としての幣原の初期のキャリア/第一次世界大戦後の国際環境の変化と幣原の台頭/第一次幣原外交(一九二四~二七)と中国の安定化の追求/田中外交と日中関係の暗転/第二次幣原外交(一九二九~三一)と国際協調外交の挫折/
戦前期の国際協調外交の遺産
 
第5講 浜口雄幸―調整型指導者と立憲民政党(井上敬介)
官僚から代議士へ/立憲民政党総裁就任、首相へ/浜口内閣の政策①―金解禁政策/浜口内閣の政策②―ロンドン海軍軍縮条約/狙撃事件以後の浜口雄幸
 
第6講 犬養毅―野党指導者の奇遇(五百旗頭薫)
恵まれた出自と困窮の生い立ち/出世と性格/基本戦略①―民党の糾合/基本戦略②―苦節と豹変/憲政の神/世論への背信/復活と死と復活
 
第7講 岡田啓介―「国を思う狸」の功罪(村井良太)
一海軍青年と帝国の成長/政党内閣制下の軍政指導者―ロンドン海軍軍縮条約批准に向けた周旋/非常時暫定内閣での再登板/危機の時代の国政指導と二・二六事件/余生における政治家としての成長―重臣の実質化と終戦工作
 
第8講 広田弘毅―「協和外交」の破綻から日中戦争へ(渡邉公太)
広田外交の登場/満州事変後の対外関係の調整/華北分離工作をめぐる広田外交/広田内閣の諸政策/第一次近衛内閣下の広田外交/終戦工作と敗戦
 
第9講 宇垣一成―「大正デモクラシー」が生んだ軍人(髙杉洋平)
昭和史の「イフ」/陸軍大臣になるまで/「宇垣軍縮」の成功/「第二次宇垣軍縮」の失敗/政党内閣時代の陸軍大臣/宇垣内閣「流産」事件①―政党との決別/宇垣内閣「流産」事件②―陸軍との対立/宇垣をいかに評価すべきか
 
第10講 近衛文麿―アメリカという「幻」に賭けた政治家(庄司潤一郎)
生い立ちと「英米本位の平和主義を排す」/二度の訪米体験―期待と憧れ/中国という難問―日中戦争の長期化/幻の日米頂上会談/戦中の近衛―早期和平の模索/戦後の近衛―「国体護持」への献身と自殺
 
第11講 米内光政―天皇の絶対的な信頼を得た海軍軍人(畑野勇)
はじめに―海相就任から首相時代における三つの疑問/米内の経歴と海軍大臣就任のプロセス/第二次上海事変における米内の「姿勢転換」/天皇の意向による「二度の姿勢転換」/軍政家としての米内光政の出発/防共協定強化交渉―天皇の意向を理解しての反対姿勢/
短命に終わった米内内閣
 
第12講 松岡洋右―ポピュリストの誤算(森山優)
人間松岡/松岡外交とは何か/なぜ南部仏印進駐は実行されたのか/松岡の統御ツール―大本営政府連絡懇談会と「国策」/南部仏印進駐と松岡/日米交渉と松岡/おわりに
 
第13講 東条英機―ヴィジョンなき戦争指導者(戸部良一)
A級戦犯/陸軍の派閥対立/「カミソリ東条」/「白紙還元」/戦時宰相/天皇への依存/東京裁判
 
第14講 鈴木貫太郎―選択としての「聖断」(波多野澄雄)
「一介の武弁」として/宮中入り/昭和天皇とともに/政治の混迷と大命降下/閣議運営―徹底抗戦論を排除せず/「黙殺」メッセージ/米国の「善意」への期待/聖断の「活用」/終戦後の鈴木と天皇
 
第15講 重光葵―対中外交の可能性とその限界(武田知己)
はじめに―満州危機における現地責任者として/駐華公使時代の情勢判断と戦略/満州事変と第一次上海事変下の重光/次官時代の情勢判断と戦略/実践の穏健さと困難/国外転出と外交意見書の執筆/外交の継続性/おわりに―外交の可能性と限界
 
編・執筆者紹介