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戦争の値段

サブタイトル1~10
教養として身につけておきたい戦争と経済の本質 祥伝社黄金文庫
編著者名
加谷 珪一 著
出版者
祥伝社
出版年月
2022年(令和4年)5月
大きさ(縦×横)cm
16×
ページ
273p
ISBN
9784396318239
NDC(分類)
333
請求記号
333/Ka98
保管場所
閉架一般
内容注記
「戦争と経済の本質」(総合法令出版 2016年刊)の改題,加筆修正
和書
目次

文庫化にあたって
はじめに―戦争が起こるか否かは、経済力が左右する
 
第1章 戦争にはどのくらいお金がかかるのか
1 戦争とお金の切っても切り離せない関係性
結局のところ軍事費は経済水準で決まってくる
日本の軍事支出が相対的に減っている理由
2 国家予算の280倍のお金をつぎこんだ戦争
比較的安上がりだった日清戦争と日露戦争の戦費
占領地で通貨を乱発して何とか戦費を調達
3 米国の戦争負担は思いのほか軽い
財政の維持が厳しい日本、余裕の米国
経済が強い国は着実に戦争を実施できる
4 戦争に必要なお金は何に使っているのか?
軍事費で人件費より燃料や資材費の割合が多い理由
防衛費は予算の仕組みも特殊
5 空母のトータルコストは4兆円
空母は、世界戦略の中核となる装備
空母は50年かけてコストを支払っていく
原子力空母は1年のうち半分程度しか稼働できない
中国の空母が実用的になるまでにはもう少し時間がかかる
 
第2章 世界から見た戦争とお金
1 グローバルな金融システムと戦争の関係性
日露戦争の費用はニューヨークとロンドンで調達した
英国から大量のハイテク兵器を導入
2 太平洋戦争の敗北理由は「お金」と「技術」
満鉄自慢の情報処理システムは米IBM製だった
日本の国債を米国の投資家が積極的に引き受けた理由とは
3 TPPを「戦争」という視点で見ると
日本はパートナーシップの構築が下手
4 敵国を支援してでも金融市場を守れ
ロシアはなぜ戦線を拡大しないのか?
クリミア戦争で英国が取った驚くべき行動
5 原油市場の力は核兵器級
原油価格の下落でロシア経済は大混乱
ベネズエラの独裁政権は瓦解寸前に
日本がロシアに近づいてもよい結果をもたらさない
 
第3章 戦争と経済にはどんな関係があるのか
1 GDPを理解すればお金の流れが見えてくる
GDPの中身は、消費・投資・政府支出
人口増加と資本蓄積、イノベーションのバランスが重要
人口が減っていてもイノベーションがあればカバーできる
2 戦争はGDPにどんな影響を与えるか
大量の国債発行が投資に影響
体力を超えた戦争をすると確実にインフレになる
心理面の影響も無視できない
3 過去の戦争で経済はどう動いたか
開戦で経済は上向くが、戦後に反動不況がやってくる
米国では目立った戦後不況はないが
4 戦争の副産物「インフレ」の実態
太平洋戦争によるインフレで物価は180倍に
同じ期間、米国のインフレは約2倍
5 テロは経済に悪影響を与えない
テロと経済成長率の相関はほとんどゼロ
米国が軍事費を減らすとテロが増える
実は日本は隠れたテロ大国
 
第4章 戦時の株価に見る現在と未来
1 株価はどのようにして決まるのか
経済規模が拡大すれば、株価も上昇する
株価の基礎となるのは「将来の利益」
多くの人が将来に期待すると、株価は上がる
2 バブルとなった日清戦争と日露戦争
株価が上昇した時には戦後不況が始まっていた
株価と経済の動きが真逆だった日清・日露戦争
投資家の視線はいつも厳しい
3 意外に堅調だった太平洋戦争当時の株価
情報統制があっても市場は戦局を見抜いていた
最後は政府が無尽蔵の資金を投入して株を買い支え
4 戦後を襲った準ハイパーインフレとドッジライン
取引所はなくても市場は生き延びる
インフレでも最初は株価の動きが鈍かった
戦後の証券民主化運動で株主は大損をした
5 空前絶後の朝鮮戦争特需
断っても断っても注文がやってくる
杞憂に終わったスターリン暴落
 
第5章 地政学を理解すれば世界の動きが見えてくる
1 地政学の創始者マッキンダー
地政学の根底にあるのは地理的条件
世界は「ハートランド」を中心に形成されている
海軍力が武器のシーパワー、陸軍力が武器のランドパワー
2 地政学的にアジアを見ると
なぜ中国はチベットとウイグルを弾圧するのか?
ロシアと中国が日本を邪魔だと思う理由
朝鮮半島をめぐる情勢は昔も今も同じ
なぜ中国はそこまで尖閣諸島にこだわるのか?
3 なぜアフガニスタンで紛争が多発するのか?
アフガニスタンをめぐるグレートゲーム
ドイツはなぜ日本を差し置いて、ソ連と条約を結んだのか?
EUは経済問題として考えない方がよい
4 ビットコイン・LINEと地政学
テクノロジーの発達は地政学的条件を変化させる
世界の輸送インフラの中心は2000年以上同じ
LINEというサービスを地政学的に見ると
ビットコインは日本にとって強力な兵器となるはずだった
5 地政学を日米関係、日中関係に応用すると
米国の経済・外交戦略は常に地政学的に決定される
中国はランドパワーからシーパワーになった
6 米国は新モンロー主義の時代に入った
米国はもはや中東の石油に頼る必要がない
中国のことを考える際には、米国からの視点を意識することが重要
 
第6章 戦争が起きた時、ビジネスはどうなるか
1 米国の軍需企業はほとんどが専門特化型
欧米の軍需企業は、事業に占める軍事部門の割合が高い
株価のパフォーマンスは高いが、上下変動が激しい
2 日本の軍需企業は旧財閥系の総合企業が多い
軍需部門の売上げは全体のごくわずか
株価の動きは基本的に民間と同じ
3 戦時統制経済の実態
日本の伝統と思われているものの多くが、実は戦争の遺物
軍需企業には先にお金が支払われた
情報オープンにできた米国と、隠蔽するしかなかった日本の違い
4 戦時統制経済をチャンスに変えた人
公務員に賄賂を送り、有利な取引をした小佐野氏
山本七平氏が見たフィリピンでの光景
統制経済は形を変えて現在も続いている
5 預金封鎖と財産税の実態
国民の預金を強制徴収して財源化
預金封鎖には抜け道があった
 
第7章 これからの戦争の勝敗はITで決まる
1 ITは戦争の現場に深く浸透している
オバマ政権で無人機攻撃は激増した
ITの根幹となるのは階層化とモジュール化
2 3Dプリンタが戦争の光景を変える
戦車は立派な道路がないと運用できない
兵站(ロジスティクス)の概念が激変する
3 ITがわからない兵士は無用
志望者の7割が入隊できない理由
グローバルに人材を受け入れる国にならないと戦争には勝てない
 
おわりに