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彼女たちは、なぜ、死を選んだのか?

サブタイトル1~10
敗戦直後の樺太ソ連軍侵攻と女性たちの集団自決
編著者名
川嶋 康男 著
出版者
敬文舎
出版年月
2022年(令和4年)8月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
407p,図版 [1] 枚
ISBN
9784906822379
NDC(分類)
210.75
請求記号
210.75/Ka97
保管場所
閉架一般
内容注記
主要参考文献:p407
和書
目次

まえがき
 
第一部 楡の丘に「山桜の歌」が聴こえる―大平炭鉱病院看護婦集団自決―
序章 手首の疵痕
第一章 切り裂かれた風景
樺太で助産婦・看護婦をめざして 大平炭鉱病院 八月九日、ソ連軍の影 戦禍のなかの病院に
第二章 燃える恵須取町
悲劇のはじまり 恵須取の日本軍 避難する看護婦も 佐野造材部 戦時下の斜陽 塔路・恵須取へのソ連軍上陸 死の避難路 峠を行く人びと
第三章 逃避行の果てに
防空壕への退避 桜沢へ 看護婦千葉操の朝 看護婦集団の逃避行 防空壕から 武道沢へ 楡の大木
第四章 八月一七日 夜明けのまどろみのなかで
夜明けとともに 鳴海竹太郎の救助 死ねなかった看護婦たち 救助の思い 佐野農場の存在
第五章 死ねなかった!
六人の亡骸 一夜明けて 病院へ 六柱の墓標 戦禍後の大平炭鉱病院 失意の片山寿美 寿美と竹太郎
終章 日はまた昇る
デマか情報か 仮説・高橋婦長のメッセージ? 一七人の生存者 坂本きみえの想い 武道沢を訪ねて 二五年目の「山桜の歌」 殉職看護婦慰霊「鎮魂」の碑 片山きみえの証言
 
第二部 こちら交換室 ただいま九人亡くなりました―真岡郵便局電話交換手集団自決―
「九人の乙女の碑」から―プロローグとして
第一章 引き揚げ組と残留組と「決死隊」
元真岡郵便局電話主事補、斎藤春子の秘密 職務命令としての「残留」 「逓信乙女」と「決死隊」はなぜ準備されたか 乙女たちの八月一五日 残留交換手を募る 衝突する姉妹 各局で出された残留命令
第二章 非常体制の夜
非常体制に入る 持ち込まれた青酸カリ 吉田八重子と赤飯 沢田キミとバリカン 電信係のサヨナラパーティー
第三章 八月二〇日 一二人の電話交換手の朝
八月二〇日の朝 ソ連艦隊 志賀晴代の決意 そのとき、電信係では 傷心の高石ミキ 一階電信係で見たソ連艦隊 ソ連軍の艦砲射撃 日本軍の発砲
第四章 銃撃にさらされたのは電信係
銃弾が飛び込む電信係 〝決死の助走〟 白旗を掲げる 最初の自決者 豊原郵便局との交信 泊居郵便局との交信 泊居郵便局との二回目の交信
第五章 他局と最後の交信
泊居局との三度目の交信 伊藤千枝の面影 志賀晴代の死 蘭泊局への最後の連絡 伊藤千枝の行動 電話交換室からの電話 飯塚保房の見た伊藤千枝 各人各様の真実 電信係の宿直室で 境サツエと川島キミ ソ連兵が入ってきた 岡田恵美子の場合
第六章 占領下の真岡町で
崩壊した町 家族の集団自決 それぞれの哀しみ 遺体の埋葬 電信係の守山弘と阿部宏 泊居郵便局、榊ナセの思い 日本人引き揚げ開始 「約束」それぞれの思い 「小笠原丸」回航 幻の「約束」 ソ連潜水艦に襲撃される
第七章 用意された青酸カリ
青酸カリと宇田正勝の証言 宇田証言の意味するところ 電話主事大山一男も知っていた 〝護身用〟としての青酸カリ なぜ乙女だけが孤立したのか 避けられた集団自決
第八章 「九人の乙女」の偶像と捏造
元局長の「手記」 「一二人」を「九人」に捏造 では、局長はどこに? 「血書嘆願」のうそ 不在の泊居局「所局長」を、なぜ登場させたのか 固執した元局長
ラストメッセージの真意―エピローグとして
鮮烈なるいさぎよさ 選択された証言 はじめて見せた乙女心 戦陣訓の持つ重み 伊藤千枝の余韻 なぜ自決したんだろう
 
あとがき