通信の世紀 情報技術と国家戦略の一五〇年史
- サブタイトル
- 編著者名
- 大野 哲弥 著者
- 出版者
- 新潮社
- 出版年月
- 2018年(平成30年)11月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 319p
- ISBN
- 9784106038341
- NDC(分類)
- 694
- 請求記号
- 694/O67
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 参考文献あり
- 昭和館デジタルアーカイブ
第1章 海底ケーブル四万キロ
(1)海底ケーブル網の誕生
岩倉使節団の国際電報
一二〇日間世界一周
電信とは何か
海底ケーブルの誕生
失敗が生み出した歴史
世界一周ケーブル網の完成
(2)グレートノーザン電信会社の日本進出
電信の父、寺島宗則
守り抜いた通信主権
技術と資金の引き換えに失った国際通信主権
高い通信料金と少ない通信量
(3)太平洋ケースルの開通
難航した太平洋ケーブル敷設計画
長崎-対馬ケーブルの買収
先行した米中間ケーブル
太平洋ケーブル敷設を提言した寺内正毅
無線とケーブルを活用した日露戦争
太平洋ケーブルの開通
拡大する軍部の要求
割高な国際電報料金
グレートノーザン電信会社との交渉結果
第2章 無線電信の興隆
(1)第一次世界大戦と無線通信
無線通信の普及と第一次世界大戦
ドイツケーブルを巡る列強諸国の思惑
幣原喜重郎VS.国務次官
(2)中国における無線電信問題
三井無線計画と高橋是清
米国通信会社の中国進出
もう一つのワシントン会議
難航する三井無線局工事
(3)民営化の推進
急増する通信量
日米通信株式会社設立計画
幻に終わった日本電信電話株式会社構想
日本無線電信株式会社の設立
主流となった短波無線
高橋財政と高騰する通信料金
(四)太平洋戦争前の通信施策
日本独自、無装荷ケーブルの登場
和文電報が使える日満電信と日華電信
グレートノーザン電信会社からの陸揚げ権回収
国際電話と海外ラジオ放送の開始
第3章 近代日本暗号小史
(1)近代暗号の誕生
暗号とは何か
暗号利用を提議した岩倉使節団
台湾出兵時の暗号電報
西南戦争と暗号電報
(2)日露戦争、第一次世界大戦の暗号利用
外務省暗号の改訂
バルチック艦隊を撃破した暗号
日英共同作戦はトーゴーとネルソン
暗号解読技術の進歩
(3)暗号解読を巡る日米の攻防
米国に解読された日本の外交電報
ヤードレーの暴露
機械式暗号の導入
米軍による暗号解読(マジック情報)
第4章 そして対米最終通告は遅れた
(1)論じ続けられる最終通告遅延問題
遅れた対米最終通告
定まらない「事実関係」
再燃した議論
新たなアプローチ
(2)日米交渉の迷走
日米諒解案への期待
機密情報漏洩の疑惑
(3)外務省と大使館
東条内閣の発足と甲案の提示
Very urgentと冒頭せらるることと致度し
外交電報の優先位
風暗号と隠語電報
外交を犠牲にせよ
(4)対米最終覚書の送付
暗号機破壊の命令
一四分割して送られた「対米最終覚書」
「大至急」指定改竄疑惑
(5)発着信記録が語るもの
対米通告関係電報の発着時刻
電文の乱れ
(6)開戦前夜の大使館
覚書一三本目までの解読
殺到した発着信電報
はかどらない浄書作業
(7)親電、隠語電報、風暗号
ルーズベルト大統領の親電
見落とされた隠語
混乱を招いた風暗号
(8)通告遅延の原因
コミュニケーション・ギャップ
未解明の三項目
対米通告遅延問題とは何だったのか
第5章 通信の「敗戦」と「復興」
(1)途絶えたケーブルと残された無線設備
解読され続けた外交電報
残された無線施設
短波無線による空中戰
通信で見る「ポツダム宣言」
(2)GHQ統制下の通信事業
連合国軍の進駐と検閲・傍受活動
苦難のITU再加入
電電公社の誕生
(3)そして国際舞台へ
寝耳に水の民営化計画
KDDの発足
KDDの重要課題
(4)通信の「五五年体制」
電電公社によるKDD株保有問題
「郵政共済組合」という奥の手
解任されたKDD役員
通信の五五年体制
第6章 高度成長を支えた二つの「新技術」
(1)海底同軸ケーブルの誕生
太平洋横断ケーブルの計画
社運をかけた一大事業
新技術の威力
(2)通信、宇宙へ飛ぶ
スプートニク・ショック
米国が主導したインテルサット
(3)続々と敷設された海底ケーブル
日本海ケーブルの開通
第二太平洋横断ケーブルの開通
もう一つの日中交渉
(4)新技術時代の国際通信と軋轢の火種
急増した国際テレックスと国際電話
KDDと電電公社の成果
日米通信摩擦の萌芽
(5)協調から競争へ
米英で進む通信の自由化
NTTの誕生
第二KDD問題の勃発
米英からの抗議
英国のグローバル・デジタル・ハイウェイ
携帯電話の登場と米国からの圧力
(6)米国主導の通信網と米国国家安全保障庁
理想の通信網と防諜活動の両立
第7章 光海底ケーブルの登場とインターネットの衝撃
(1)グローバル化を加速させた光海底ケーブル
太平洋域初の光ケーブル
太平洋ケーブル敷設競争
光ケーブルに敗れた衛星通信
インターネットの登場
(2)自由化施策と市場争奪戦
過激な値下げ競争
巨大通信会社の合従連衝
モトローラ末端を振りかざしたカンター代表
NTT分離分割問題の小田原評定
外資開放の理由
行き詰まった通信行政
取り払われた市場区分
(3)インターネットの衝撃と競争の顛末
ラストワンマイルを制する者
海外進出を図ったNTTの成果
新たな勢力図
ソフトバンクの台頭
(4)これからの通信主権と安全保障
インターネットと暗号
エシュロンへの疑惑
スノーデンの告発
インターネットと通信主権
(5)「新しい時代」の光と陰
躍進する米国のIT企業
監視社会か、暴露社会か
おわりに
(資料)対米最終覚書概略
註釈・参考文献
資料の利用については4階 図書室のご利用にあたってをご覧ください。
- 担当:
- 図書情報部 図書係
- 電話番号:
- 03-3222-2573
- FAX:
- 03-3222-2626

