大衆操作の系譜
Ⅰ 広告史の研究
一 昭和初期における「広告外交」の位置
1 「外交」の置かれた背景
2 広告外交の雇用条件
3 「外交」営業スタイル
4 「広告外交」への非難・批判
<付論>昭和初期における「サラリーマン」層の位置と意識
二 昭和初期における「性」の表現の展開――いわゆる「性広告」の場合について――
1 花柳病広告出稿の背景
2 花柳病広告における〈真実化〉操作
3 〈性享楽広告〉の論理
三 「広告取り引き」の近代化の道程
1 混沌期における取り引きの〈乱れ〉
2 増頁体制と「持ち単価」の復活――取り引きの「あいまい性」
3 広告取り引きの近代化へ――あいまいさの排除
4 広告の「量」の増大への反発――広告税の主張
四 広告の送り手と受けての実態分析
1 広告の送り手(広告主)分析
2 広告業界の動向分析
3 広告マンの意識分析
4 広告の受け手(消費者)分析
五 PRの形成―理論史的観点から
1 導入期の”とまどい”と”取り組み方”
2 PRの「熱意」とその日本化
3 PRの理念と現実と停滞
六 行政広報担当者の「広報」意識分析
1 広報の意識
2 広報活動の意識
3 広聴活動の意識
Ⅱ 戦時宣伝の研究
一 戦時宣伝の系譜
1 戦時宣伝の発生
2 昭和十五年代の戦時宣伝機関
3 戦時宣伝における「デマ」と「真実」
二 大衆操作としての「防諜」の役割
1 操作拒否要因
2 流言への〈悪の性格つけ〉
3 〈不言〉による操作
4 〈心構えづくり〉のキャンペーン
三 「思想戦」の論理と操作性
1 思想戦の必要性――「宣伝戦」としての思想戦
2 「敵国思想」の侵入――敵国思想擊滅のための思想戦
3 「皇道思想」の発生基盤――天皇神格化による思想戦
4 国民意識統合のための「皇道思想」
5 むすび――「戦い」なき「思想戦」主張の意味
四 「戦時スローガン」の発生と役割
1 戦時スローガンの発生
2 キイ・ワードの創出と意味合い
3 「標語」研究紙と「標語作家」の存在
4 戦時スローガンへの批判
あとがき
あとがき