戦火の中の受刑者たち
第一章 戦雲急をつげる沖縄
1 敵機の大空襲
遂に舎房が開き受刑者が出される
2 「国に報いることが更生の道である」
日本軍の陣地造りに受刑者も総動員
3 疎開命令
対受刑者で正しかった所長判断
4 受刑者は連日壕生活
所長不在で機能を失った刑務所
第二章 米軍上陸は迫る
1 受刑者が裁判所職員らと同壕
炊事版で食糧運びも引き受ける
2 米軍、目前に上陸!
再び壕を移動、受刑者と職員は戦友の心境
3 さあ持久体制だ
受刑者を含め七つの行動班を編成
4 遂に米軍上陸
沖縄本島に鉄の暴風
第三章 西森の壕生活40日間
1 西森の壕生活はじまる
毎日が死の恐怖と不安
2 砲爆撃下の検事調べ
受刑者が「戦争は負ける」と言明
3 職員の家族壕に集まる
報われない受刑者の苦労
4 ついに死傷者でる
職員を守り自ら命を絶った受刑者
5 日本軍の総攻撃失敗
撤退命令で受刑者は元の壕へ
第四章 決死の逃避行
1 砲弾の中を受刑者らが子ども達を背負う
2 沖縄刑務所が事実上解散
日本軍に壕を奪われて途方にくれる
3 本部、医療、担架班の行動
死体が散在、負傷者を受刑者が担架で運ぶ
日本軍は壕深く安全に、民間人は砲弾の中に追いやられる
4 受刑者が職員を勇気づける
刑務所の重要書類を握る文書班の行動
受刑者に解散宣言
5 戦場の馬は受刑者に従った
食糧班、領置班は最早、思い思いの行動
6 与那嶺看守一家の悲劇
猛然と火を吹く父親の拳銃
末っ子の首がとばされる
7 最後に降伏した男
終戦で始まった自分史の中の戦
日本は昨年八月に降伏した
第五章 砲火がやんで日は暮れて
1 戦火は消えて
米軍の情報員に化けた日本兵
日本軍の中尉が米軍の手先とは
第六章 著者対談
あとがき
戦火は消え顧みつ
軍隊の任務を忘れただらしない日本軍