図書目録ムスウ ノ ヒトリ ガ ツムグ レキシ資料番号:000068589

無数のひとりが紡ぐ歴史

サブタイトル
日記文化から近現代日本を照射する
編著者名
田中 祐介 編
出版者
文学通信
出版年月
2022年(令和4年)3月
大きさ(縦×横)cm
21×
ページ
454p
ISBN
9784909658753
NDC(分類)
210.6
請求記号
210.6/Ta84
保管場所
閉架一般
内容注記
執筆者:田中祐介,柿本真代,河内聡子,鬼頭篤史,志良堂正史,竹内瑞穂,堤ひろゆき,徳山倫子,大木志門,西田昌之,大岡響子,大川史織,吉見義明,山田鮎美,島利栄子 科学研究費助成事業(課題番号15H03243,17K13397,20K00300)の成果 あとがきに『本書は2019年9月28、29日の二日間に開催した学際シンポジウム「近代日本を生きた『人々』の日記に向き合い、未来へ継承する」の成果に基づく研究書』とあり
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

総論 「日記文化」を掘り下げ、歴史を照射する(田中祐介)
1 はじめに
2 モノとしての日記・家計簿・手帳の文化史を紐解く
3 行為としての日記─虚飾のない自己を綴るという制度
4 自己表象に働く規範化と逸脱の力学
5 史料としての日記にいかに向きあうか
6 おわりに─無数のひとりに出会うために
 
Ⅰ モノとしての日記・家計簿・手帳の文化史
1章 夏休みの日記の成立と展開―「夏季休暇日誌」から「なつやすみの友」へ(柿本真代)
1 はじめに
2 夏季休暇をめぐって
3 市販の夏季休暇日誌
4 謄写版から共同購入へ
5 夏季休暇日誌の役割
6 おわりに
2章 家計簿と女性の近代―モノとしての成立と展開に見る(河内聡子)
1 はじめに
2 近代における家計簿の展開─行為からモノへ
3 「中流家庭」の必需品としての家計簿─羽仁もと子編纂『家計簿』に見る
4 女性のモノとしての家計簿─『婦人之友』の記事に見る効能
5 おわりに
3章 昭和戦後期のサラリーマンの手帳文化―一九六〇年代末から一九八〇年代の手帳をめぐる言説を中心に(鬼頭篤史)
1 はじめに
2 サラリーマン向けの言説への手帳文化の登場
3 情報整理の文脈における手帳文化
4 「知的○○」の文脈における手帳文化
5 おわりに
4章 手帳類プロジェクトの設計と実践―私的なプレイヤーのためのプラットフォームへ向けて(志良堂正史)
1 はじめに
2 手帳類というプロジェクト
3 手帳類というモノ
4 手帳類というプラットフォーム
5 おわりに
 
Ⅱ 読者を意識した自己の真実性
5章 自己を書き綴り、自己を〈調律〉する―中村古峡史料群の「日記」「相談書簡」「療養日誌」(竹内瑞穂)
1 はじめに
2 変容する古峡日記
3 自己を書き綴る書簡
4 療養日誌のメカニズム
5 おわりに
6章 戦場に行かない兵士としての経験を綴る―大正期師範学校卒業教員の「六週間現役兵日誌」における伝えるべき軍隊像の模索(堤ひろゆき)
1 はじめに
2 大正期の六週間現役兵教育における日誌指導の内容
3 兵営における六週間現役兵へのまなざし
4 学校・地域に伝えるべき軍隊像を模索する場としての日誌
5 おわりに
7章 飢える戦場の自己を綴りぬく―佐藤冨五郎日記における書くことの意思(田中祐介)
1 問題設定
2 軍人の文体を貫き通す─佐藤冨五郎の日記から
3 軍人の文体を脱ぎ捨てる─佐藤正太郎日記における文体の変遷
4 冨五郎の「書くことの意思」に接近する
5 結論
8章 昭和初期農村の「模範処女」たちの自己語り―県農会立女学校の生徒・卒業生作文に見る規範意識と「少女文化」(徳山倫子)
1 はじめに─近代日本における農村の未婚女性の書記行為をめぐって
2 学校・生徒・読者を媒介する県農会報
3 農村の「模範処女」としての自己語り
4 県農会報を彩る「少女」たち
5 おわりに
 
Ⅲ 自己を語り直す―日記・私小説・自伝・回想録
9章 水上勉文学における自己語りの諸相―「私小説」のプロトタイプ的理解の一例として(大木志門)
1 はじめに─「私小説」のプロトタイプ論的理解を目指して
2 「私小説」における「自己語り」─「虚構」と「真実」の手法
3 社会派推理小説・中間小説における「自己語り」─「接続」と「分身」の手法
4 評伝文学における「自己語り」─「同一化」と「偽書」の手法
5 おわりに─「日記」と「歴史」
10章 物語化する自己記述―漆芸家生駒弘のタイ滞在日記と自伝の比較から(西田昌之)
1 はじめに
2 自己記述の物語化─日記と自伝の違い
3 自伝─自己を形成する物語
4 日記との比較─語りえなかった出来事
5 変容する事実─真摯なる虚構(フィクション)
6 おわりに─物語が紡ぐ自己の物語
11章 芦田恵之助の回想録と日記の比較から見る台湾表象と「国語」教育観(大岡響子)
1 はじめに
2 芦田恵之助の台湾訪問と二つのテクスト
3 回想録における原住民族表象と「国語」教育観
4 教壇日記にみる台湾経験と回想録との比較
5 おわりに
 
Ⅳ 無数のひとりに出会う
12章 映画『タリナイ』上映から一年(講演記録)(大川史織)
1 制作背景
2 残された手帳とノート
3 映画と書籍のつくりかた
4 誰のために日記を書いた?
5 日記をめぐる歴史実践
6 マーシャル諸島を再訪
13章―1 吉見義明氏インタビュー(聞き手 田中祐介・大川史織)
1 史料としての日記との出会い
2 ある女性の日記を追い求めて
3 「女性の日記から学ぶ会」の四原則
4 青木祥子日記との出会い
5 書かれなかったことをどう想像するか
6 日記に書かれている体験をたどる
7 コロナ禍における日記研究
8 今後の日記研究の展望
13章―2 戦争体験から高度成長期体験へ―「青木祥子日記」の検討から(吉見義明)
1 はじめに
2 青木祥子における戦争体験と敗戦の意味
3 青木祥子と安保闘争
4 青木祥子と高度成長期体験
5 おわりに
14章 特別展示 花の日記に私注をつける(山田鮎美)
15章 個人の記録を未来へ継承する(対談記録)(島利栄子/志良堂正史/田中祐介(司会))
1 それぞれの活動紹介
2 お互いの印象
3 活動の共通点・ちがい
4 活動のこれから
 
シンポジウム開催記録
執筆者一覧
あとがき

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