図書センゴ ニホン ノ キズアト000068551

戦後日本の傷跡

サブタイトル1~10
編著者名
坪井 秀人 編
出版者
臨川書店
出版年月
2022年(令和4年)2月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
368,iiip
ISBN
9784653045175
NDC(分類)
210.76
請求記号
210.76/Ts15
保管場所
閉架一般
内容注記
2020-21年度の2年間、国際日本文化研究センター(日文研)で編者が大阪大学大学院文学研究科の宇野田尚哉とともに研究代表者として主宰した共同研究会「戦後日本の傷跡」におけるパネル・ディスカッションの報告と議論の成果の1つ 参考文献あり
和書
目次

序論 身体としての戦後日本そしてその傷跡 坪井秀人
第一部 戦争の傷跡とアジアの中の戦後
傷痍軍人の語る「傷跡」-直井潔の作品とケアの様相をめぐって 市川遥
生者を傷つける死者との回路-川端康成『虹いくたび』 葉暁瑶
宮尾登美子の満州体験と帝国の傷跡-語られる引揚げ、想起する苦しみ ニコラス・ランブレクト
台湾先住民を日本人にさせる殖民暴力とその傷跡の分有-日本のおかげと恩という語りとの出会い 中村平
移住者たちの「在日朝鮮人文学」-「密航」と収容所、そしてアメリカ 宋恵媛
「留用」と「引揚げ」-加藤幸子『夢の壁』にみる少女の記憶 解放
在韓被爆者支援と文学-深川宗俊と御庄博美 川口隆行
 
第二部 傷の記憶と表象
脚本家水木洋子と戦後社会派映画再考 キツニック・ラウリ
母の死とオリンピック-吉田幸『おかあさんのばか』のメディア展開をめぐって 鳥羽耕史
レイプの位相と男性セクシュアリティ-大城立裕『カクテル・パーティー』と大島渚『絞死刑』のあいだから 高榮蘭
戦争記憶を民話として継承するということ-松谷みよ子等による第二次民話運動の頃を中心に 高畑早希
完結する物語、完結しない声-崎山多美「ピンギヒラ坂夜行」から考える 田村美由紀
 
第三部 戦後民主主義-運動と傷跡
中野重治「雨の降る品川駅」の同時代史 黒川伊織
カスバ“とよばれた街-一九六〇年代の雑誌メディアにおける<釜ヶ崎>の表象 石川巧
<無力なイエス>と戦後キリスト教界-遠藤周作『イエスの生涯』批判をめぐって 増田斎
全共闘運動の傷跡-東大闘争参加者の「その後」から 小杉亮子
日本特殊論とトランプ政治-一九八〇年代の傷 辛島理人
 
第四部 ジェンダー、生政治と傷跡
傷を重ねる-森崎和江の聞き書きにみる語り/沈黙/無言 奥村華子
森崎和江『からゆきさん』-傷跡のインターセクショナリティ 佐藤泉
敗戦のトラウマと性的不能、あるいはエロティックな戦争 光石亜由美
サリドマイド事件の傷跡 ホワニシャン・アストギク
妻の崩壊-傷跡としての『成熟と喪失』 坪井秀人
戦後日本の「ケアの危機」-津島佑子「ある誕生」「壜のなかの子ども」にみる子殺しと障害の交差 飯田祐子
社会距離という傷跡-COVID-19の風景 美馬達哉
あとがき 坪井秀人
執筆者紹介