戦後教育改革と女性の大学教育の成立
序章
一 研究目的・課題
二 先行研究と本研究の位置
三 本書の研究課題と構成
1 戦後旧学制下の改革とその実態
2 教育改革と女性の大学教育に関する政策・制度的枠組み
3 CI&Eの改革方針と女子大学設置の条件整備
4 女子大学とする論拠と学部組織等の実態
5 共学化の背景と共学大学での女子大生
四 本書の特色と意義
五 本書で用いる資料
第一章 戦後旧学制下の女性の高等教育改革をめぐる動向
第一節 一九四五年以前の女性の大学教育をめぐる展開と課題
一 敗戦直後における女性の教育の改革課題
二 戦前の女性の大学教育をめぐる展開
第二節 女子教育刷新要綱を中心とした政策形成過程
一 文部省の政策動向
二 女子教育刷新要綱の作成
三 刷新要綱に対するCI&Eの反応
第三節 既設大学の門戸開放とその特徴
一 門戸開放政策と大学規定の改正
二 一九四六年以降の門戸開放の実際
三 開放の理念と女性の入学資格規定
四 一九四六年度の女性の入学者
五 開放結果へのCI&E及び大学側の見解
六 開放大学の認識と女子学生
第四節 専門学校・大学予科・旧制高等学校の門戸開放
一 専門学校の門戸開放
二 大学予科の門戸開放
三 高等学校令の改正と女性の入学
第五節 女子医学専門学校の大学昇格
一 医学教育の改善と医専の大学化政策
二 医科大学への昇格の全体的動向
三 女子大学か共学大学かの選択
第六節 家政系・文学系女子大学の設立をめぐる動向
一 一九四五、四六年における女子大学設立をめぐる動向
二 個別の女子大学構想における教育理念と制度構想
第七節 敗戦後の女子専門学校の拡大
一 女子専門学校の急激な量的拡大
二 設立過程の事例
三 専門分野の特色
第二章 新学制の確立過程と女性の大学教育
第一節 アメリカ教育使節団による改革の提言
一 アメリカ教育使節団の来日と活動
二 『使節団報告書』における女性の教育改革
第二節 日本国憲法の制定と女性の教育改革
一 日本国憲法と女性の地位
二 憲法改正審議と文部省の改革案
三 帝国議会での改正論議における女性の教育
第三節 教育刷新委員会における女子高等教育論議
一 教育刷新委員会での論議
第四節 教育基本法・学校教育法の制定と女性の高等教育改革
一 教育基本法の制定過程と男女共学規定
二 第九二回帝国議会における教育基本法審議
三 学校教育法の制定過程
四 文部省による女性の教育改革の進捗状況
第五節 共学・別学についての方針とその数的概要
一 新学制下の共学をめぐる政策と大学の場合
二 大学における入学資格の平等化
三 女性の大学教育の数量的概観
第三章 CI&Eの改革方針と女子大学設置の条件整備
第一節 CI&Eの全体的な改革方針
一 CI&E教育課の女性の教育改革についての全体的方針
二 CI&E局員会議及び日本側女性指導者との協議
第二節 女子教育研究会・女子大学連盟の結成と活動
一 女子教育研究会の結成とその目的
二 女子教育研究会の活動
三 女子大学連盟結成の背景
四 連盟の結成準備
五 女子大学連盟の結成とその後の活動
第三節 女子大学設置関係基準の設定
一 大学設置基準の設定と女子大生
二 基準設定協議会への女子大学分科会の設置と審議経過
三 家政学部基準委員会による基準の制定
第四節 女子大学の設置時期をめぐる対立
一 一九四八年創設に向けた申請の背景
二 国立女子大学の一九四八年設置へ向けたCI&E教育課の関与
三 女性の教育改革に果たしたCI&Eの役割と意義
第四章 新制女子大学の設置とその特徴
第一節 一九四八年の五女子大学設置とその意義
一 専門学校を中心とした新学制への転換政策
二 神戸女学院などの一回目の認可申請
三 神戸女学院などの二回目の申請と設置認可
四 大学設置委員会の機能と女子大学の審査
五 一九四八年の入学者
六 一九四八年設置をめぐる評価
第二節 国立女子大学の設置過程
一 国立女子大学設置の背景
二 両国立女子大学の設置経過と女子大学必要論
三 両国立女子大学の学部・学科組織
四 国立女子大学設置と統合問題
第三節 公立女子大学の設置過程
一 公立女子大学の設置経過
二 全体的な公立女子大学の設置要因
第四節 一九四九年以降の私立女子大学の設置過程と女子大学の論拠
一 一九四九年以降の女子大学設置過程
二 女子大学か共学かをめぐる議論
三 私学における女子大学とする論拠
第五節 女子大学の教育目的とその特徴
一 教育目的の意義と認可申請上の位置
二 女子大学の教育目的
第六節 学部・学科組織の特徴と女子大生の諸相
一 女子大生の学部・学科組織とその特徴
二 国立女子大学の学部・学科組織
三 公立女子大学の学部・学科組織
四 私立女子大学の学部・学科組織
五 全体的特徴
六 その他の特徴
第七節 短期大学の制度化
一 女性の高等教育と修業年限
二 制度化以前の教育刷新委員会での議論
三 短期大学の制度化を前提とした議論
四 不認可校への対応
五 立法過程
六 短期大学設置基準の制定
第八節 個別短期大学設置の背景と実体的側面
一 個別女子短期大学設置の要因と女子高等教育論
二 女子短期大学の目的・専門領域
三 設置形態などにみる女子短期大学の特徴
四 共学大学での女子短大併設の背景
第五章 女子高等教育機関の共学大学化
第一節 広島女子高等師範学校の広島大学への統合
一 広島女高師による女子教育大学構想
二 女子高等教育機関の広島大学への統合
第二節 公立女子専門学校の共学化
一 個別女専の統合・再編過程
二 統合大学における旧女専の専門領域の位置
三 公立女専における共学・別学の選択
第三節 女子薬学専門学校の共学・別学の選択
一 薬科大学設置をめぐる動向と旧女子薬学専門学校
二 共学化した旧女子薬学専門学校とその背景
三 別学化した旧女子薬学専門学校とその背景
四 薬学系大学にみる共学・別学の選択
第四節 同志社大学・青山学院・明治大学での共学・別学の選択
一 同志社における共学大学・別学大学の成立
二 青山学院における共学・別学高等教育機関の成立
三 明治大学での男女別機関の並立
四 学部・学科組織にみる三大学の対応
五 私立高等教育機関における並立
第六章 共学大学の成立とその諸相
第一節 大学共学化の意義と大学側の論理
一 大学における共学の意義
二 大学共学化の論理
第二節 設置主体別・統合形態別にみる共学化の背景と数的実態
一 国立大学の共学化
二 公立大学の共学化
三 私立大学の共学化
四 専攻分野などからみた共学大学の意義
第三節 共学大学での女子学生
一 文部省視学官による「男女共学と女子学生」
二 女子学生の置かれた環境
三 大学・男子学生の対応や共学認識
終章
一 戦後旧学制下の女性の高等教育改革とその実態
二 教育改革と女性の大学教育に関する政策と法・制度
三 CI&Eの改革方針と女大学設置の条件整備
四 女子大学の設置とその実態的特徴
五 共学化の背景と共学大学での女子学生
六 連続と非連続
七 戦後教育改革が女性の大学教育にもたらしたもの
八 特性教育の行方
あとがき
女性の大学教育成立史年表(一九四五年八月~一九五二年)
初出論文一覧
資料調査機関一覧
資料調査協力者一覧
カバー・各章扉写真出典一覧
索引