昭和立憲制の再建
序章
1 立憲政治と戦時体制
2 分析と視角-研究史の検討
第一章 危機の時代 一九三二~一九三六年
1 政党不信-老総裁と新党構想
政党政治の隆盛と批判の高まり/凋楽期の政党の課題
「政党政治」批判と「議会政治」批判-混同と峻別/民政党「反ファシズム=憲政擁護運動」
政友会-鈴木喜三郎総裁後継問題/民政党-町田忠治総裁の下での安定と亀裂
新党構想-二大政党の融解と再編
2 立憲制の危機-国体明徴と立憲政治
既成政党批判に対して/政党による美濃部批判とその周辺
3 社会改革要求と馬場税制
第二章 再編の時代 一九三七~一九四〇年
1 政界再編-模索と闘争
軍の後退と軍人内閣の意義-林銑十郎内閣・阿部信行内閣/日中戦争と議会・政党
政界再編問題/「政党総裁」の重要性/二大政党の解党-近衛新党の模索/大政翼賛会の成立
石橋湛山と戦時体制-挙国一致と一国一党/政界再編と新党運動の意義
2 立憲制の確認-日本独特の立憲政治
立憲政治への回帰/立憲政治の確認-陸軍の議会制度改革案/「日本独特の立憲政治」
「日本独特の立憲政治」は「天皇の支配」を強めるものか?
3 戦時体制と税制改革
石橋湛山の増税論/戦時増税の諸条件/生産拡大と増税/一九四〇年税制改正
利潤統制・配当制限-資本主義-反資本主義/小括
第三章 債権の時代 一九四一~一九四五年
1 体制再建-戦時体制と議会政治
議会内の状況/一九四二年衆議院総選挙/翼賛政治と議会政治
2 立憲制の再建-基軸としての帝国憲法
戦時体制と憲政論/基軸としての帝国憲法/危機を越えて-鎮静化の試み
立憲政治の再建と近代日本の新党/再建への思索
3 戦時経済運営と国内の安定
平時体制と戦時体制/戦時増税と議会/戦時体制における資本主義-民営事業国会借上経営案
「戦争」と「改革」の矛盾-国内の包摂と妥協/変化の収束-戦時体制という秩序
結
あとがき
参考文献一覧
関連年表
主要人名索引
主要事項索引