「予科練」戦友会の社会学
- サブタイトル
- 戦争の記憶のかたち
- 編著者名
- 清水 亮 著
- 出版者
- 新曜社
- 出版年月
- 2022年(令和4年)3月
- 大きさ(縦×横)cm
- 22×
- ページ
- 254p
- ISBN
- 9784788517615
- NDC(分類)
- 397.8
- 請求記号
- 397.8/Sh49
- 保管場所
- 開架一般
- 内容注記
- 博士論文「戦争をめぐる記憶の「場」の社会学的研究」(東京大学,2020年)を大幅に加筆修正したもの 関連年表:p235-237 参考文献:p238-247
- 昭和館デジタルアーカイブ
凡例
序章 元兵士たちが遺した記憶のかたち
1 戦争体験者のつながりがつくりだしたもの
2 予科練の二人像という謎
3 戦友会は完全に孤立していかた?
4 研究目的と方法
5 本書の構成
第1章 戦争・集団・記憶-社会形態学へ向けて
1 準エリートの集団という研究対象の切り出し方
国民的想像力と集団的想像力
全体戦争を背景とした記念碑の大衆化
エリートと大衆の狭間にある予科練
準エリートから問い直す戦争・軍隊研究
2 集団と記憶への社会学的アプローチ
戦友会研究とその限界
戦争の記憶をめぐる政治力学から社会関係へ
集合的記憶論の社会形態学的展開
分析における三つの着眼点
第2章 準エリートたちの軌跡-学歴と予科練
1 戦前から戦後にかけての予科練出身者のあゆみ
入隊世代ごとの差異
社会的上昇異動のバイパスとその破綻
戦友会の全国規模化
懐古趣味から戦後社会へのアピールへ-形あるものを残そうではないか
2 学歴認定達成のインパクト
慰霊と親睦にとどまらない運動体
インテリの仲間入り-出身校は?予科練です
規模拡大の求心力-我々自身の事なのに協力出来なかったのが残念です
3 碑にみる「エリート」としての自己像
碑文に刻まれた選抜と教育
集団の鏡としての銅像-どうだ?東大卒にこんな芸当はできねえだろう!!
国民からの卓越を志向するエリーティズム-無名戦士の墓ではない
第3章 メディアを介した戦友会の統合
1 戦友会のメディア的形態
イベントの記憶を共有する会報の視覚的想像力
双方向的なメディアとしての会報
2 末期世代の包摂
死者の少ない大所帯-エリートなんかで、あるもんか
言葉とかたちによる包摂-二十四期生が居たればこそ
3 戦友会がつくりだす「予科練ブーム」
戦記出版と入隊世代-何か物足らなく感じます
映画製作への介入
一九六八年の「予科練ブーム」-俺たちは「与太練」ではない
4 会報を媒介とした集合的記憶の二重性
第4章 地域婦人会の記憶と行動-軍隊と地域の歴史的文脈から
1 なぜ地域住民は戦友会を支援したか
2 地域婦人会の構想と行動
母に対する子どもとしての予科練の記憶-観音像と裸像を併立するならば
現場における組織的な行動力
リーダーの政治力-皆さん甲も乙も無いでしょうよ
3 軍都を生きた四半世紀
地域社会に対する航空隊のインパクト-エプロンかけてお化粧しておしゃれして
地域住民からみた予科練習生-皆なかわいがってね
空襲による予科練の大量死と慰霊
4 かたちにならなかった記憶・構想
第5章 戦後社会の戦友会支援ネットワーク-元軍人・自衛隊から政財界まで
1 コンボイとしての元y他練教官たち
政治力とイデオロギー的な意味づけ
予科練出身者の人生への内在的な意味づけ-学歴は諸君らの全部ではない
コンボイたちによる承認
2 エリート軍人からの支援の弱さ
海軍兵学校出身の主要な支援者
海軍兵学校と予科練との軋轢-水交会か何か知らないが予科練をナメてやがる
3 財界・政界・自衛隊
財界からの巨額の寄付とエリート人間の人脈
政界ならびに防衛庁・自衛隊とのつながり
駐屯地と戦友会の互恵関係-自衛隊側が「用意周到」に考えていて頭が下がる
4 コンボイの橋渡しネットワークをその可視化
終章 戦争をめぐるつながりとかたち
1 アソシエーションとしての戦友会
2 戦後社会とつながる戦友会
3 戦争を介した階級横断的なつながりの形成
4 「伝統」化する戦争の記憶のかたち
あとがき
巻末図版
関連年表
参考文献
事項索引
人名索引
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