真相を訴える
序文(保阪正康)
はじめに
一、 戦犯裁判の始まる前夜
1 お訣れ演芸会の夜、特使来たる
2 軍の解体・戦犯の追及始まる
3 インド軍マンロー大尉の深き配慮
4 集団撤収・豪州軍との折衝
5 日本弁護団に入る
二、 戦犯裁判の苛烈さに直面する
1 Oh the Cnanges――Murder(訴因――殺人)
2 重高伍長決断す・裁判への疑惑
3 怒濤の死刑宣告と死刑囚の面影
4 毒のある不安と望郷の夢
5 大坪中尉、収容所に散華す
6 ある死刑囚の手配
7 死刑囚の心の旅路
三、 戦犯法廷内外の種々相
1 尼さん邑爆撃さる――戦争と平和の姿
2 ある日曜日に――アプソン収容所長の肖像画
3 公判廷の明暗・ドイツ降伏記念日
4 東洋の恥と悔いと悲しみ
5 中国人集団と台湾義勇兵
6 日・中の隠れたる武士たち
四、 続けざまの死刑執行――人々はいかに死んでいったか
1 最後の独房「白亜牢」
2 うち続く刑の執行・同囚の憂悶
3 人は何故、毅然と死ねるのか
4 光教会と奥座牧師・片山大尉
五、 戦犯の坩堝の中で
1 弁護団騒然・血腥い朝
2 ニューギニア一兵士の訴因
3 敗戦下の人と馬の挿話
4 絞首台を検分してきた男――相沢伍長
5 飛ぶや三途の花吹雪
6 再審事件の後遺症
7 平石伍長、無心に砂文字を描く
六、 今村将軍の苦衷とさむらいたちの願い
1 今村将軍の自裁
2 地獄の底の万華鏡
3 鮮烈な愛のかけ橋
4 ある豪軍の准将と少佐と伍長
5 さむらいたちの死と鮮血の抗議
6 悲願の不死鳥・恩讐を越えて
7 刑の執行やまず
8 重労働旋風・今村大将の述懐
9 原爆で母を、今戦犯で父を
七、 ラバウルの自然と豪将軍との交流
1 監督将校・シールズ大尉
2 弁護団の閑日・好日
3 軍需品調査・ガーク大尉との交流
4 第二次調査・その自然と人物
5 国際赤十字社代表来たる
6 ラバウルの地震・心なき人間模様
7 タバコ欠乏の悲喜劇・巨大な龍巻
八、 逝くもの還るもの
1 復員船の最終便来たる
2 山本大尉、最後の碁を楽しむ
3 山口・土池遺書と李琳彩の血書
4 伊東中将ら一転無罪となる
5 内地に潜入したM中佐の苦難行
6 復員船還る朝、平石伍長散華す
九、 ラバウル戦犯裁判情勢転換の兆し
1 豪陸軍省マックベン少佐来たる
2 私の担当最後の裁判
3 最後の裁判終了後の所感
十、 戦犯裁判初期の酷烈さ
1 ボルネオ方面の暗い嵐
2 モロタイ・豪北方面の惨状
3 ラバウルの早期受刑者
十一、 帰国の決意と最期の責務
1 ガーク情報・足止め部隊解放
2 新弁護団、内地より来たる
3 白亜牢に描かれた最後の絶叫
4 詩人工藤少佐の遺したもの
5 遺書工作と戦犯埋葬地の確認
6 帰還準備完了・収容者とのお訣れ
十二、 筑紫丸入港す・復員航路
十三、 その後の戦犯事情
1 残っていた今村・安達将軍たちはどう部下に殉じたか
2 その後のラバウルの戦犯事情
3 マヌス島の戦犯事情
あとがき