図書ゼンコク スイヘイシャ 1922 1942000068347

全国水平社1922-1942

サブタイトル1~10
ちくま新書 1631 差別と解放の苦悩
編著者名
朝治 武 著
出版者
筑摩書房
出版年月
2022年(令和4年)2月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
314p
ISBN
9784480074539
NDC(分類)
361.86
請求記号
361.86/A83
保管場所
閉架一般
内容注記
参考文献:p292-310
和書
目次

はじめに――全国水平社創立一〇〇周年
全国水平社創立大会/綱領・宣言・則・決議/大きな社会的反響/本書の意図と構成
序章 近代の部落問題
部落問題の成立
封建的身分制の廃止/部落の構造的変化と差別的視線/部落差別の顕在化/「特殊部落」という呼称
部落問題の社会的波及
部落改善運動の活性化/政府と府県の部落対策と融和運動/米騒動と部落問題への社会的関心/部落民の自覚と部落差別に対する抗議行動
 
第1章 全国水平社の創立
全国水平社創立の主体形成
部落青年の自主的決起/同志的結合の拡大/融和運動との対決/幅広い協力者の支援
全国水平社創立の思想的背景
社会主義とヒューマニズム/民族自決と人種差別撤廃/解放と改造の大正デモクラシー/部落改善と融和への批判
組織構成と影響力
組織形態の変化/府県水平社と広域水平社/水平社数と加盟人数/婦人水平社と少年少女水平社
 
第2章 社会・無産勢力・権力
社会からの視線
社会主義者と社会運動家/自由主義者とジャーナリスト/文学者と民衆/保守政治家と内務官僚
無産勢力と議会進出
農民組合と労働組合の組織化/普通選挙をめぐる分岐/無産政党をめぐる対抗/選挙闘争と議会進出
支配権力と融和政策
警戒した内務省と司法省/危機感を表した保守政治家/政府の融和政策と中央融和事業協会/水平社を承認した融和運動
 
第3章 部落差別と糺弾闘争
徹底的糺弾の成立
徹底的糺弾の論理/大正高等小学校差別糺弾闘争/官憲からの危険視/社会からの危惧
社会的糺弾への転換
社会的糺弾の論理/軍隊内の部落差別/福岡連隊差別糺弾闘争/陸軍省の差別糺弾認識
人民融和的糺弾への再転換
結婚をめぐる部落差別/高松結婚差別裁判糺弾闘争/司法省と融和団体の対応/人民融和的糺弾の論理
 
第4章 日本と世界への発信
近代天皇制と身分制
天皇制と錦旗革命/天皇直訴事件の衝撃/封建的身分制の廃止/華族制度廃止の要求
日本の被差別マイノリティ
在日朝鮮人に対する支援/在阪沖縄人からの注目/アイヌ民族からの賛意/ハンセン病患者への影響
海外の被差別マイノリティ
水平運動の国際化と海外の新聞報道/労農ロシアの承認/朝鮮衡平社との連絡と提携/排日移民法反対運動
 
第5章 思想的潮流と路線対立
共産主義と無政府主義
共産主義派の全国水平社青年同盟/無政府主義系の全国水平社青年連盟/熾烈なアナ・ボル対立/統一と団結の回復
新共産主義と社会民主主義
新共産主義系の全国水平社解消論/新共産主義系の非現実性と破綻/社会民主主義系の形成/社会民主主義系の行動
保守主義・国家主義・中間的潮流・部落民
保守主義の南梅吉/アジア主義的国家主義の平野小剣/独自路線の栗須七郎と中間的潮流/部落解放を望む部落民
 
第6章 全国水平社の消滅
「満州事変」と反ファシズム
帝国主義戦争反対/部落委員会活動という戦争戦術/反ファシズムと人民的融和/西光万吉の国家社会主義
日中全面戦争と水平運動の分岐
戦争協力と新生運動グループ/天皇制に立脚した国民融和/東亜共同体建設と国民運動/部落厚生皇民運動の分派行動
アジア・太平洋戦争と全国水平社消滅
大和報国運動の破綻/同和奉公会への参入/全国水平社の法的消滅/現代部落解放運動への継承
参考文献
あとがき