占領軍被害の研究
関連年表
第一章 研究の意義と方法
はじめに
占領軍人身被害を研究する意義
大戦の最終段階としての占領――「八・一五終戦」神話からの脱却
冷戦体制形成期としての占領――「占領モデル」論・朝鮮戦争神話からの脱却
占領軍人身被害国家補償請求運動
全国調達庁職員労働組合の被害実態調査ファイル
全調達ファイルとはどのようなものか
被害を受けた場所
被害理由・時期・被害者の属性
在日朝鮮人の占領軍人身被害――不可視化される被害
戦時強制労働から占領軍労働へ
占領軍の輪禍に遭った朝鮮人の子どもたち
治安対策の対象とされた在日朝鮮人
おわりに 本書の構成
第二章 日本軍武器弾薬処理に伴う人身被害
はじめに
日本軍武器弾薬処理はどのように実施されたか
占領軍側からの総括
日本政府による武器弾薬の隠匿
日本政府による武器弾薬処理責任の回避
占領最初期の事件
小樽沖の被害――九月の機銃弾爆発から一二月の真岡丸遭難まで
鹿屋市郷之原の爆発事件
二又トンネル爆発事件
武器弾薬処理被害の広がりと「見舞金」体制の始まり
人身被害の全国的広がり
武器弾薬処理に伴う人身被害の諸相
帝国議会で語られた日本軍の遺棄武器弾薬の危険性
公文書にみえる日本政府の爆発被害認識
見舞金体制の成立
終戦連絡中央事務局(CLO)からGHQに宛てた一九四五年一一月中の照会文
見舞金措置を決めた一九四六年五月の閣議決定
見舞金支給の実状
おわりに
第三章 占領軍労務動員と労働災害死傷
はじめに
最初期の占領軍労務動員
延長された戦時労務動員システム
占領最初期の労務動員と労働災害
労働民主化と新たな労務動員システム
占領下の労働改革
間接雇傭
占領軍人に殺傷される労働者たち
終戦処理費の軍事化と労働権の制限
終戦処理費の軍事化――各所に構築された大規模な軍事施設
労働権の制限――占領軍労働運動と国家公務員法
ある労働組合員の経験
朝鮮戦争と占領軍労働
朝鮮戦争開戦前からのレッドパージと占領軍労務の軍事化
機密扱いになった朝鮮戦争下の占領軍労務
朝鮮戦争下の「特殊」業務で死傷した船員たち
「特殊港湾荷役」に従事した労働者たちの死傷
おわりに
第四章 暴行・傷害・殺人
はじめに
暴行・傷害・殺人の諸相
危険運転による殺傷
過剰な権力の行使
被害者・遺族の憤りと嘆き
軍事裁判
全調達ファイルにみる軍事裁判
軍事裁判で重刑判決を受けた加害者たちのその後
第五章 軍事演習被害・朝鮮戦争被害
はじめに
軍事演習による市民の死傷
日本の非軍事化・民主化と無縁な軍事演習
理由不明の死を招く射爆演習
冷戦政治によって隠蔽された演習被害
開拓農民の占領軍被害――宮城県王城寺原演習場
はじめに
大日本帝国陸軍からの解放と開拓の開始
米軍占領下の女性被害
朝鮮戦争時代の人身被害
おわりに
飛行場占領軍に起因する人身被害――岩国基地と軍機被害
はじめに
占領軍の航空基地・射撃場となった岩国
豪空軍・米空軍の朝鮮戦争出撃と軍機被害
岩国とその周辺に相次いだ朝鮮戦争下の事故・事件
おわりに
占領軍機被害と見舞金体制
朝鮮戦争開戦前の軍機被害
続く朝鮮戦争 続発する軍機事故
占領軍被害問題の公論化
おわりに
第六章 占領軍人身被害補償運動の歴史的意義
はじめに
二又トンネル国家賠償請求訴訟とその行方
講和・安保体制の下で始まった各地の占領軍被害者運動
呉進駐軍事故被害者連盟
東京進駐軍被害者連盟と西日本地区進駐軍被害者遺族会
全調達の占領軍被害実態調査
平和と民主主義を志向する公務員労働運動
全調達と占領軍被害補償運動
全国進駐軍被害者連合会と補償法制定運動
全国進駐軍被害者連合会の結成
占領軍被害補償運動の高揚――一九五八~一九六一年
おわりに
あとがき
索引