菊と日本刀 下
第七章 犯監
うれしい当惑
小菅を模した撫順監獄
同房者田村大尉
麻雀
回復した身体
横山判事と「お定事件」
青ざめた穴掘り
中国語講座開講
大声あげての授業
村八分
忘れがたい市毛の言葉
萌芽
あけっぴろげの中国
朝鮮戦争勃発
呼蘭監獄
動揺する獄囚
処分どころか処遇改善
三輪への怒りが爆発
出始めた拘禁性症状
再び懐かしい撫順へ
襲う奇病、発赤、痺れ
平田の発狂
罪の恐怖から発狂
発狂の極点
小山房
一本刀
土俵入り
第八章 評批
安達のアッピール
「評批」の開始
肯定と否定のはざま
分水嶺
鉄証山を為す
獄囚からの糾弾
爪はじき
白々しさ
第二次評批
無言でうなずく私
呵々大笑した染五郎チーフ
生死の関頭に立つ
一番手に中谷里美を指名
字を知らない極貧農の中谷
坦白書き直しを決意
つのる恐怖
「団十郎の芝居」
坦白を拒んだ石井
中村のまっかなウソ
長期化する評批
私のゴシップ
百首鬼夜行の図
小西の自殺
壇上にあげられた将官たも
警悩の末、神経炎が悪化
第九章 晴天の日に
ついに来た評批
開き直り
トーチカ爆破で俘虜と住民を爆殺
「殺人模範」鵜野
“とこまで続く評批ぞ”
言うべきか、言わざるべきか
周期的殺人への要因をコメントされる
困惑のはての答弁
殺人傾斜心理の坦白
ダメージの発熱
補足訊問の開始
「がんばれよ」
追られる決断
全貌を陳述
「情状酌量の余地なし」
再び発熱
日本からの訪中監獄参観団
獄のタブー破った茅破司の挨拶
乙羽信子の来獄で隔離
独居房へ移房
将宵、佐官とともに移房
第十章 特別軍事法廷
この世の終わり
起訴状の交付
佐々中将と対面
出廷令状
弁護人鄧女史
K科長の励まし
開廷ー千人の傍聴人
怒髪天をつく糾弾
今生の別れ
判決言い渡し
九百二十名の告訴人
「禁固十三年に処する」
「天宝山上で磔にせよ!」
母に会える!
「私にも刑を科して」と母
服役
将軍たちの二面性
幼児のごとき将軍たち
第十一章 奔馬空を飛ぶ
藤田中将との対話
差し入れの分配問題
日本陸軍史をきく
笑顔が戻った房
藤田中将の御付武官当時の回顧
最劣等中隊の特訓
御付武官拝命
KW宮
馬術訓練
奇妙きてれつ
「下々の人間学」講義
KW宮実地教育第二次作戦
藤田茂中将への判決文
藤田中将の講演
第十二章 帰国
出獄の日来たる
佐々中将の苦衷
S監獄長との池掃除
K科長のはなむけの言葉
苦難の一歩
職さがし
「菊と日本刀」執筆の衝動
第十三章 天国と地獄-中国と聯合軍との戦犯裁判の差
泉敬一の真事実
俘虜観の決定的相違
半沢勇憲兵曹長の遺稿「独房悲歌」
井上勝太郎海軍大尉「二十八時間の記録」
井上乙彦海軍大佐の遺書
井上大佐の嘆願書
米国系戦犯処理の過酷さ
岩崎吉穂陸軍大尉の「死と神」
仮借なき聯合軍の処置
戦犯裁判の概要
マレー半島
ペナン粛正事件とその裁判
チャンギー刑務所の虐待
跋